SF/ファンタジー

2019年1月24日 (木)

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め (小林栗奈)

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め 』は、魔王と魔物がいて、魔法使いと弟子がいて、密かに闘っている世界の物語。しかし、それが蜂にまつわるお話なので、ミツバチがいて蜂蜜があって、利き蜜師という職業があり、専門の大学まである。

お話としては面白いのですが、世界観に馴染みづらいためにアウェー感がハンパないのです。おかげでのめりこめずに苦労しました。本としては、表紙絵も雰囲気がよく出ているし、装丁も紙質も活字の配置もソフトカバー本として手に馴染み、目に優しく、よくできています。

わたしは世界観に馴染めませんでしたが、利き蜜師・仙道と、その弟子・まゆの活躍を読んでみてください。続編もあります。

お勧め度:★★★☆☆

2019年1月17日 (木)

風と行く者 守り人外伝 (上橋菜穂子)

軽装版 風と行く者 (軽装版 偕成社ポッシュ)

風と行く者 』は『天と地の守り人』三部作完結から11年、『流れ行く者』から10年、『炎路を行く者』から6年後に忽然と著された長編。作者いわく、勇んで書き始めたのに途中で書けなくなった作品のひとつだと。懐かしくて思わず買ってしまいました。

バルサが昔、ジグロと共に護衛を務めたサダン・タラム〈風の楽人〉も世代交代していたのですが、再びバルサはサダン・タラムの護衛の旅に出ることになったのですが...。

民族間の紛争が今に至るまで長く影を落としていることは現実世界でも見られること。その不和の原因を突き止め、解決策を見つけることができれば将来に希望が持てる。本当の意味での「守り人」の姿をバルサが見せてくれます。

お勧め度:★★★★★

2019年1月14日 (月)

後宮の烏 2 (白川紺子)

後宮の烏 2 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 2 』は、待望の続編。期待を裏切らない面白さ!

幽鬼を祓ったり、幽鬼に頼みごとをされたりしながら、日々訪ねてくる高峻は皇帝。その皇帝に対して「うるさい」「帰れ」「馬鹿者」と悪口雑言を投げつけるのは「冬の王」烏妃である寿雪。ありえないですよね。

先代の烏妃からは人を寄せ付けるな、ひとりで生きろと厳しく言われていたのに、側仕えが増えるし、皇帝まで足繁く通ってくる。側妃ではないので夜伽はしない。それなのに「来るな」と言ってもやって来る。

寿雪と高峻はすこしずつ、手探りで互いの中に慰めを見出します。それが破滅へつながる道だとしても...。

なんか嫌な予感。表紙には、烏を襲う梟が描かれています。烏妃の秘密がすこしずつ明かされていく2巻です。スタバでコーヒー片手にじっくり楽しませてもらいました。第3弾も待ってます!(それまでは『下鴨アンティーク』の残りを読んでましょうか)

お勧め度:★★★★★

2019年1月 9日 (水)

ジャガー・ハンター/竜のグリオールに絵を描いた男 (ルーシャス・シェパード)

ジャガー・ハンター (新潮文庫)
ジャガー・ハンター 』 は『竜のグリオールに絵を描いた男』を読んでみたくて、図書館で検索したらヒットしたものです。

全長200m近い、巨大な竜グリオールに「絵を描く」ってどういうこと?

数千年前に魔法使いとの戦いに敗れたグリオールは動けず、体は草木におおわれ川が流れて滝となり、近くには村ができている。人々はグリオールの思念に操られ、離れることができません。身体に絵を描くことでグリオールを殺すことができるというのでしょうか?

奇想天外で、短編ですが楽しめました。一切動けないのに、ときどき瞼を開くところなんて映像化したら(怖くて)迫力あるでしょうね。

お勧め度:★★★☆☆

2019年1月 3日 (木)

なりたい - しゃばけシリーズ 14 (畠中恵)

なりたい しゃばけシリーズ 14 (新潮文庫)

なりたい 』は「しゃばけ」シリーズ第14弾。「妖もの」の長寿小説ですね。

廻船問屋兼薬種問屋 長崎屋の若旦那・一太郎は身体が弱いのですが、それでもなんとか店の手伝いをしようとするのですが、その度に熱を出して布団に逆戻り。そこで、結局は妖たちの力を借りることになるわけで...。

1. 妖になりたい
2. 人になりたい
3. 猫になりたい
4. 親になりたい
5. りっぱになりたい

14巻になっても、若旦那は身体が弱く、仕事もできず、独身。にぎやかな妖たちがいるとはいえ、主人公の若旦那に変化がないのでマンネリ感が否めません。

お勧め度:★★★☆☆

2018年12月31日 (月)

熱帯 (森見登美彦)

熱帯

熱帯 』 は森見登美彦の新作長編小説。ご本人は締切にずいぶん苦しめられていたらしく、本作の冒頭でも鬱憤が爆発していて可笑しい。

冒頭、作者は佐山尚一の『熱帯』という本を古書店で手に入れ、読みかけたものの、途中で失くした、いや消えてしまったというのです。

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絶版本であっても図書館にはあるはず。と、名古屋市図書館でネット検索しても出てこない。国会図書館にすらないのはおかしい。つまり出版社によって流通された本ではないということ。自費出版?

なぜかAmazonで検索するとヒットする(上図)けれど入手不可。偽情報か。いずれにせよ、これを読む必要はありません。わたしたちが読むべきは、森見登美彦の『熱帯 』なのです。

ただ、作者は佐山尚一の『熱帯』を探し求め「沈黙読書会」なる集まりで出会ったメンバーと深みに嵌っていくという趣向です。そして舞台は東京から京都へ。

千一夜物語 』が背景にあり、魔王や魔女、海賊やシンドバッドが登場し、物語は混沌を深めていきます。そして中盤、主人公は記憶を失い、孤島に飛ばされてしまいます。「何もないということは何でもあるということなのだ。魔術はそこから始まる」。

観測所、砲台、美術館、海上を走る2両編成の電車(叡山電鉄?)、「進々堂」という珈琲店、「芳蓮堂」という古道具屋...。これは夢なのか妄想なのか。

作者のいうように、たしかにこれは「怪作」です。

お勧め度:★★★★★

2018年12月30日 (日)

嘘の木 (フランシス・ハーディング)

嘘の木

嘘の木 』は、有名な博物学者で牧師のサンダースの逃避行先ヴェイン島での不慮の死にまつわる物語。14歳の娘フェイスは父を尊敬し慕っているのですが、父は研究にしか興味がなく、いつも無表情でフェイスとの会話もほとんどありません。

タイトルになっている" The Lie Tree"とは、木に嘘を聞かせ、それを広めると実をつけ、それを食べると嘘に関連する正夢を見るという不思議な植物。その「嘘の木」をめぐって人の欲が争いを生み、周囲を不幸に巻き込んでいきます。

父の死に疑問を持ち、死因を明らかにしようと孤軍奮闘する様は健気ですが、父にしろ娘にしろ「嘘の木」の生態に疑問を持ちつつも「利用」することを優先します。それがすべての過ちのはじまりだというのに...。

読み進めるうちにどんどん引き込まれて、やめたくてもやめられなくなって、今年読んだ小説のなかでいちばん怖かった。翻訳も秀逸です。

お勧め度:★★★★★

2018年12月28日 (金)

宮廷神官物語 四 (榎田ユウリ)

宮廷神官物語 四 (角川文庫)

宮廷神官物語 四 』 はシリーズ第4弾。

慧眼児の偽物があちこちに出没しているため、藍晶王子は力比べを行って偽物を一掃する作戦を立てます。そこにひとり、手を触れるだけで相手の心の内を読み取る少年が現れて...。

慧眼児はふたりも必要ない。どちらが真の慧眼児かを競い合わせるべきだ。と、景羅大臣が言い出したのですが、これはちょっと無理筋かと。王の御前で天青は慧眼児としての力を見せているのに、いまさら否定するのは王に対して無礼ですし、愚かなこと。

と、突っ込んでも仕方ありません。そういうお話になっています。

さて、天青は競い合いに勝つことができるのでしょうか?

お勧め度:★★★☆☆

2018年12月26日 (水)

宮廷神官物語 三 (榎田ユウリ)

宮廷神官物語 三 (角川文庫)

宮廷神官物語 三』はシリーズ第3弾。神官書生の天青は夏休み、笙玲たちと町へ探検に出たところ、貴族の子弟とまちがわれ誘拐されてしまいます。さぁ、宮廷では鶏冠を筆頭に大騒ぎです。どうなることやら?

一方、鶏冠は雨乞いの儀式に挑むことになり、無理をすれば命がない!?

退屈知らずの物語はまだまだ続きます。

お勧め度:★★★★★

2018年12月24日 (月)

宮廷神官物語 二 (榎田ユウリ)

宮廷神官物語 二 (角川文庫)

宮廷神官物語 二 』 はシリーズ第2弾。

田舎で食うや食わずだった少年・天青はなぜか宮中神学院に入ることに。そこは貴族の子弟ばかりで、当然のようにいじめられます。教師でもある鶏冠は天青をかばおうともせず冷たい。

ふたり一組になり、山上の洞窟にあるという黒い石を持ち帰る訓練で、相棒とはぐれた天青は山小屋で暮らす少年・櫻嵐と美少女・紀希に出会います。

2巻目も次々といろんなことが起こるので退屈しません。

お勧め度:★★★★★

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