SF/ファンタジー

2019年4月16日 (火)

RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴 (萩原規子)

RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴 (角川文庫)

RDG レッドデータガール 氷の靴 ガラスの靴 』は2012年に6巻で完結後に出た外伝です。久しぶりにRDGを読んだら、人見知りでぼんやりアワアワしてる泉水子がいて、懐かしかった。

1. 影絵芝居 相良深行・中三の初夏
2. 九月の転校生 相良深行・中三の秋
3. 相楽くんは忙しい 相良深行・高一の秋
4. 氷の靴 ガラスの靴 宗田真響・高一の冬

相良深行視点の短編3本と、宗田真響が後継問題で祖父と対決する中編が1本です。

そういえば、泉水子に憑依する姫神って「ウィッチクラフトワークス 」の白姫に似ているような気がしませんか?

お勧め度:★★★★★

2019年3月13日 (水)

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (森博嗣)

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly? (講談社タイガ)

人間のように泣いたのか? 』は、Wシリーズ第10弾。これが完結編らしい。今回の舞台はキョート。そこで開催された国際会議でハギリ博士とウグイたちはまたしてもトラブルに巻き込まれるのでした。

1. 非人道的に
2. 彼らの人間性
3. 人類全体
4. 慈悲をもって

去年からニュースでAIの利用が報じられることが増えて、この小説の話も夢物語のSFとしてではなく、近未来のこととしてイメージできるようになってきました。

人工臓器によって不死の肉体を得る代償として生殖機能を失った人類と、それを補填すべく生み出されたウォーカロンの、医学的、倫理的、哲学的?な差異を論じていたはずが、最近は脱線気味でよくわからんことになっていたように思います。

でも今回、ウグイはずいぶん人間らしく振舞うようになり、ある意味、ハギリよりも感情豊かに感じるくらい、彼女も変わりました。人工知能は完全ではない。人間もウォーカロンも変わることができる。

ラストシーンを人類の希望と受け取るか、なにをいまさらと笑い飛ばすか、あなたはどちら?

お勧め度:★★★★☆

2019年3月 7日 (木)

青炎の剣士 紐結びの魔道師 3 (乾石智子)

青炎の剣士 (紐結びの魔道師3) (紐結びの魔道師 3)

青炎の剣士 』は「紐結びの魔道師」シリーズ三部作の完結編。息つく暇もなくエンディングまで読んでしまいました。

オルン村は元コンスル帝国軍人ライディネス軍に包囲され、一方エンスとトゥーラは、エンスの大々叔父ケイスの化物と決着をつけるべく「死者の谷」へ向かいます。エミラーダは大軌士パネーの暴挙を止めるべくライディネス軍にリコを連れて投降します。

なんだかややこしいことになっていますが、課題は以下のとおり。

1. 大々叔父ケイスの化物を鎮める(エンス自身の罪悪感を克服する)
2. ケイスを呼び覚ました腹黒魔道士を懲らしめる
3. ライディネス軍から仲間や村を守る
4. かつての魔女国の呪いを解く

エンス個人としては、5番目としてトゥーラと湖畔の館に帰って暮らしたいというのがあるでしょうね。使い魔のような蜥蜴ダンダンの変身も見モノです。

すでに自明のことではありますが、1巻目の「赤銅の魔女」とはトゥーラ、2巻目「白銀の巫女」はエミラーダ、3巻目「青炎の剣士」がユーストゥスです。

紐結びの魔法は「迷子」や「大騒ぎ」「守護」など、人を傷つける攻撃よりも身を守るものが多いのです。それを大男の魔道士エンスがちまちまと紐を結んで呪文を唱えるギャップが可笑しい。その点も本シリーズの魅力です。

めでたし、めでたし!

お勧め度:★★★★★

2019年3月 2日 (土)

白銀の巫子 紐結びの魔道師 2 (乾石智子)

白銀の巫女 (紐結びの魔道師2) (紐結びの魔道師 2)

白銀の巫女 』 は「紐結びの魔道師」3部作の第2弾。

コンスル帝国の侵略とその性悪魔道師が解き放った化け物、元コンスル帝国軍人率いる侵略軍の両方から、紐結びの魔道師リクエンシスたちは逃れつつ、反撃の方法と機会を伺います。

一方、オルン村の星読み魔女・トゥーラ、元カダーの拝月教軌師・エミラーダ、ウィダチスの魔道師・エイリャの3人に加えて、リクエンシスの祐筆リコの4人が、オルン魔国滅亡前の1500年前にかけられた呪いを解く方法を、古文書などを調べて調べます。

乾石智子のファンタジー小説は本格的なのですが、それだけに読みやすいとは言えないのですが、今回は「それからどうなるの?」という興味に引かれて楽しく読ませてもらっています。

お勧め度:★★★★★

2019年2月26日 (火)

赤銅の魔女 紐結びの魔道師 1 (乾石智子)

赤銅の魔女 () (紐結びの魔道師 1)

赤銅の魔女 』は「紐結びの魔道師」三部作の1巻目。『紐結びの魔道師 (創元推理文庫) 』を読んで以来「紐結びの魔道師」のファンだったので、三部作の登場はうれしい!

主人公リクエンシスに、祐筆の爺さんリコ、剣士のマーセンサス。この3人がイスリル軍の侵攻からさっさと逃げることにしたのですが、イスリル軍の性悪魔道士がリクエンシス館の裏から余計なものを掘り出したおかげで化物に追われるハメになります。

一方、カダーの拝月教の元軌士エミラーダと、オルン村の星読みトゥーラを加えた3組が(運命によって?)引き寄せられます。途中、魔女によって牛に姿を変えられた男やしゃべる蜥蜴まで逃避行に加わって珍道中が繰り広げられます。

リクエンシスとマーセンサスは命を狙われるのは珍しいことではないのですが、それでも深刻ぶらず、あっけらかんと生きている。ともすると暗くなりがちな「魔道士もの」にあって、リクエンシスの陽気でおおらかな性格が魅力です。

お勧め度:★★★★★

2019年2月19日 (火)

利き蜜師物語2 図書室の魔女 (小林栗奈)

利き蜜師物語2 図書室の魔女

利き蜜師物語2 図書室の魔女 』は、1巻目では世界観に馴染めなかったのですが、それでも2巻目のタイトルの「図書室」が気になって「図書館」で借りてきました。そういえば、高田大介の『図書館の魔女 』の新作を去年からずっと待ってるのですが出ませんねぇ。

今回、利き蜜師・仙道とその弟子・まゆは協会の依頼で、列車に揺られて古城・ベルジュ城にやってきました。昔、協会が預けた大量の図書を引き取ってほしいという連絡があって、その対応に派遣されたわけです。城主シェーラは若い貴婦人だが病弱。この城は呪われているらしいのですが、くわしいことは誰も話そうとしません。

ずっと「図書室の魔女」って誰のことなのか気になって読み進めていたのですが、それは最後まで読んでのお楽しみ。利き蜜師の世界にもだいぶ慣れてきて、13歳のまゆの活躍が頼もしくも危なっかしい第2弾でした。第4弾で完結します。

お勧め度:★★★★☆

2019年1月24日 (木)

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め (小林栗奈)

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め

利き蜜師物語 銀蜂の目覚め 』は、魔王と魔物がいて、魔法使いと弟子がいて、密かに闘っている世界の物語。しかし、それが蜂にまつわるお話なので、ミツバチがいて蜂蜜があって、利き蜜師という職業があり、専門の大学まである。

お話としては面白いのですが、世界観に馴染みづらいためにアウェー感がハンパないのです。おかげでのめりこめずに苦労しました。本としては、表紙絵も雰囲気がよく出ているし、装丁も紙質も活字の配置もソフトカバー本として手に馴染み、目に優しく、よくできています。

わたしは世界観に馴染めませんでしたが、利き蜜師・仙道と、その弟子・まゆの活躍を読んでみてください。続編もあります。

お勧め度:★★★☆☆

2019年1月17日 (木)

風と行く者 守り人外伝 (上橋菜穂子)

軽装版 風と行く者 (軽装版 偕成社ポッシュ)

風と行く者 』は『天と地の守り人』三部作完結から11年、『流れ行く者』から10年、『炎路を行く者』から6年後に忽然と著された長編。作者いわく、勇んで書き始めたのに途中で書けなくなった作品のひとつだと。懐かしくて思わず買ってしまいました。

バルサが昔、ジグロと共に護衛を務めたサダン・タラム〈風の楽人〉も世代交代していたのですが、再びバルサはサダン・タラムの護衛の旅に出ることになったのですが...。

民族間の紛争が今に至るまで長く影を落としていることは現実世界でも見られること。その不和の原因を突き止め、解決策を見つけることができれば将来に希望が持てる。本当の意味での「守り人」の姿をバルサが見せてくれます。

お勧め度:★★★★★

2019年1月14日 (月)

後宮の烏 2 (白川紺子)

後宮の烏 2 (集英社オレンジ文庫)

後宮の烏 2 』は、待望の続編。期待を裏切らない面白さ!

幽鬼を祓ったり、幽鬼に頼みごとをされたりしながら、日々訪ねてくる高峻は皇帝。その皇帝に対して「うるさい」「帰れ」「馬鹿者」と悪口雑言を投げつけるのは「冬の王」烏妃である寿雪。ありえないですよね。

先代の烏妃からは人を寄せ付けるな、ひとりで生きろと厳しく言われていたのに、側仕えが増えるし、皇帝まで足繁く通ってくる。側妃ではないので夜伽はしない。それなのに「来るな」と言ってもやって来る。

寿雪と高峻はすこしずつ、手探りで互いの中に慰めを見出します。それが破滅へつながる道だとしても...。

なんか嫌な予感。表紙には、烏を襲う梟が描かれています。烏妃の秘密がすこしずつ明かされていく2巻です。スタバでコーヒー片手にじっくり楽しませてもらいました。第3弾も待ってます!(それまでは『下鴨アンティーク』の残りを読んでましょうか)

お勧め度:★★★★★

2019年1月 9日 (水)

ジャガー・ハンター/竜のグリオールに絵を描いた男 (ルーシャス・シェパード)

ジャガー・ハンター (新潮文庫)
ジャガー・ハンター 』 は『竜のグリオールに絵を描いた男』を読んでみたくて、図書館で検索したらヒットしたものです。

全長200m近い、巨大な竜グリオールに「絵を描く」ってどういうこと?

数千年前に魔法使いとの戦いに敗れたグリオールは動けず、体は草木におおわれ川が流れて滝となり、近くには村ができている。人々はグリオールの思念に操られ、離れることができません。身体に絵を描くことでグリオールを殺すことができるというのでしょうか?

奇想天外で、短編ですが楽しめました。一切動けないのに、ときどき瞼を開くところなんて映像化したら(怖くて)迫力あるでしょうね。

お勧め度:★★★☆☆

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