京都

2019年4月12日 (金)

下鴨アンティーク 7 白鳥と紫式部 (白川紺子)

下鴨アンティーク 白鳥と紫式部 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 白鳥と紫式部』はシリーズ第7弾にして最終巻。祖母から引き継いだ”いわくつき”の着物も最後の1枚になったようです。

1. 雛の鈴
2. 散りて咲くもの
3. 白鳥と紫式部

3話がよかった。醜い大人の犠牲になることなく、幸ちゃんが、その名の通り幸多からんことを祈ります。

あともう1冊、外伝があるので読ませてもらうつもりです。『後宮の烏 』の3巻も待ってます!

お勧め度:★★★★★

2019年3月18日 (月)

下鴨アンティーク 6 暁の恋 (白川紺子)

下鴨アンティーク 暁の恋 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 暁の恋 』はシリーズ第6弾。京都が舞台で、能の話題も出てくるので気に入ってます。今回は謡や笛も出てきます。

1. 椿心中
2. 月を隠して懐に
3. 暁の恋
4. 羊は二度駆ける

前巻で慧に告白した鹿乃が宙ぶらりん状態でかわいそう。慧はアホやわ。(一刀両断!)

お勧め度:★★★☆☆

2019年2月 7日 (木)

下鴨アンティーク 5 雪花の約束 (白川紺子)

下鴨アンティーク 雪花の約束 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 雪花の約束 』はシリーズ第5弾。

1. 星の糸
2. 赤ずきんをさがして
3. 雪花の約束
4. 子犬と魔女のワルツ

高校生なのに友達とあやとりに興じているなんて、鹿乃ちゃん可愛い。わたしが気に入ったのは4話。ちっちゃい頃の鹿乃ちゃんも可愛い!(笑)

2話に能「紅葉狩」のことが出てきます。2019年3月2日(土) 14時から名古屋能楽堂「三月定例公演」で演じられるので、近郊にお住まいで興味のある方はお運びください。

お勧め度:★★★★☆

2018年12月31日 (月)

熱帯 (森見登美彦)

熱帯

熱帯 』 は森見登美彦の新作長編小説。ご本人は締切にずいぶん苦しめられていたらしく、本作の冒頭でも鬱憤が爆発していて可笑しい。

冒頭、作者は佐山尚一の『熱帯』という本を古書店で手に入れ、読みかけたものの、途中で失くした、いや消えてしまったというのです。

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絶版本であっても図書館にはあるはず。と、名古屋市図書館でネット検索しても出てこない。国会図書館にすらないのはおかしい。つまり出版社によって流通された本ではないということ。自費出版?

なぜかAmazonで検索するとヒットする(上図)けれど入手不可。偽情報か。いずれにせよ、これを読む必要はありません。わたしたちが読むべきは、森見登美彦の『熱帯 』なのです。

ただ、作者は佐山尚一の『熱帯』を探し求め「沈黙読書会」なる集まりで出会ったメンバーと深みに嵌っていくという趣向です。そして舞台は東京から京都へ。

千一夜物語 』が背景にあり、魔王や魔女、海賊やシンドバッドが登場し、物語は混沌を深めていきます。そして中盤、主人公は記憶を失い、孤島に飛ばされてしまいます。「何もないということは何でもあるということなのだ。魔術はそこから始まる」。

観測所、砲台、美術館、海上を走る2両編成の電車(叡山電鉄?)、「進々堂」という珈琲店、「芳蓮堂」という古道具屋...。これは夢なのか妄想なのか。

作者のいうように、たしかにこれは「怪作」です。

お勧め度:★★★★★

2018年11月19日 (月)

神無月のマイ・フェア・レディ 下鴨アンティーク 4 (白川紺子)

下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 神無月のマイ・フェア・レディ』 はシリーズ第4弾。

1. 星の花をあなたに
2. 稲妻と金平糖
3. 神無月のマイ・フェア・レディ
4. 兎のおつかい

慧の父親のことや、鹿乃が幼い頃に亡くなった両親の馴れ初めなど、野々宮家周辺の過去が明かされます。

4話では、明治はじめの京都の様子が描かれていて興味深いです。時代がちがえば、それだけで知らない街を旅するようで楽しい。

今度京都に行ったら緑寿庵清水で金平糖を買ってみよう!

お勧め度:★★★★☆

2018年11月 2日 (金)

下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (白川紺子)

下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ 』は、シリーズ第2弾。

1. ペルセフォネと秘密の花園
2. 杜若少年の逃亡
3. 亡き乙女のためのパヴァーヌ
4. 回転木馬とレモンパイ

2話で「杜若」と出たときに「ひょっとしたら」と能を連想し「井筒」と続いて確信しました。能が絡んでくるのがうれしい。京都、アンティーク着物、能、おいしい食べ物。着物のことは詳しくありませんが、わたしが好きな要素が詰まっていて、読んでいて楽しい。

主人公たちが通うのは同志社だな、とか、東寺の弘法市で、小柄な鹿乃が迷子になるのも無理はないとか、風景が眼に浮かぶのも楽しいのです。

今作では、4話がいちばん面白かった。不可思議度ナンバー1です。野々宮家の鹿乃と良鷹はさしづめ、古い着物についた物の怪を調伏する陰陽師のようです。

お勧め度:★★★☆☆
    

2018年10月30日 (火)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (白川紺子)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 』 は、旧華族である野々宮家の娘・鹿乃が主人公。彼女は祖母から受け継いだ着物を愛用しているのですが、その着物は次々と不思議なことが起こります。

ずぼらなイケメン兄・良鷹と、大学准教授の下宿人・慧と3人暮らし。鹿乃は小学生の頃から慧を知っていて現在高校3年。京都を舞台に、ありえない不思議とほのかな恋物語を紡ぎます。

1. アリスと紫式部
2. 牡丹と薔薇のソネット
3. 星月夜

京都を舞台にした小説が好き。「あ、これは出町ふたばだな」「岡崎で能を見るなら京都観世会館だろうな」とか。演目は「熊野」と「石橋」かぁ。知っている場所が出てくるとうれしい。気軽に読めるので気に入ったのですが、外で読むには少女チックな表紙がちょっと恥ずかしい。

お勧め度:★★★☆☆

2017年12月31日 (日)

小袖日記 (柴田よしき)

小袖日記 (文春文庫)
小袖日記 』は平安時代に飛ばされたOLが「源氏物語」執筆の手伝いをすることになるというSF時代小説。どんなものかな、と思いつつ読んでみたら、これが意外に面白い!

冒頭「死んでやる。」とは、不倫相手の上司から「女房が妊娠したんや」と別れを告げられてのセリフ。

1. 夕顔
2. 末摘花
3. 葵
4. 明石
5. 若紫

「源氏物語」の語り手というか取材係の小袖と中身が入れ替わってしまい、書き手の香子さまの下で暮らすことになるのですが、多少とんちんかんなことを言っても雷に打たれたせいで済む「よう」です。タイムスリップではなく、重力が弱く、別の宇宙らしいということなので、過去の歴史を変えると云々という問題も起きない「よう」です。ご都合主義に見えないこともありませんが、穴はおおむね違和感なく塞がっています。上手いと思います。

小袖は「光源氏はロリコンのエロ親父」というように、わたしも「源氏物語」は好みではないのですが、能の曲にいくつも取り上げられている(半蔀、夕顔、葵上、野宮、須磨源氏、住吉詣、玉鬘、落葉、浮舟) ので、その点で興味があります。

取材して回る間に、事件が起きて、香子さまと謎解きをしたり、現代に伝わる「源氏物語」との違いに悩んだりと、楽しませてくれます。

それはともかく、彼女は現代に戻ることができるのでしょうか?

お勧め度:★★★★★

2017年はこれでおしまい。2018年もよろしくお願いします!

2017年9月17日 (日)

古都再見 (葉室麟)

古都再見
古都再見 』は、久留米から京都に移り住んだ小説家・葉室麟のエッセイ集。

京都を舞台にかつて起きた事を取り上げ、そこに歴史の解説を加えてあるのですが、時代小説作家の覚書のように見えます。

京都を舞台にした能を、名古屋で見るのと、京都で見るのとでは印象がちがいます。ですから、小説を書くのも読むのも「ここで実際にあったことなんだ」と思えばリアリティが増します。

本としては期待した内容とはすこし違いましたが、気軽に読めるので葉室麟ファンにお勧めします。

お勧め度:★★★☆☆

2017年8月24日 (木)

神様の御用人 5 (浅葉なつ)

神様の御用人 (5) (メディアワークス文庫)
神様の御用人 (5)』も5冊目。久しぶりです。能を観るようになって古事記に登場する神様が身近になったので『古事記 』を読もうとしたのですがダメ。退屈で読めないのです。そこで思い出したのが本書。そうだ、続きを読もう!

1. 天孫の鏡
2. 英雄、鳥を好む
3. 大地主神の恋わずらい?
4. えべっさんの草鞋

この本は神様の御用を承る係に任命された25歳フリーターの萩原良彦が主人公。方位神の黄金(狐)がお供というかお目付役で、大主神社の宮司の娘・吉田穂乃香(女子高生)が神様が見えるので時々良彦を手伝っています。

御用の多くは、人の信仰心を失い、力を削がれた神様に対する助力なのですが、良彦が黄金はもちろん、初対面の神様に対してもタメ口なのが可笑しい。そういえば、良彦は文庫版の古事記を持っていて、それで神様のことを調べています。どの文庫だろう?

1話目に「途端に態度を軟化させ始める黄金を、良彦は能面のような顔で見つめた」という下りがあるのですが、ここでいう「能面」とは無表情とか無感情という意味なのでしょうね。でも、わたしもまだ勉強中ですけど、能面っていろいろあるんです。

そういえば、彼らが暮らすのは京都・出町柳周辺。吉田穂乃香ということは、彼女の父親が宮司を務める神社は吉田神社がモデルでしょうか。4話では、穂乃香が出町(枡形)商店街の時計店に出かける様子が描かれています。

そのとき良彦は西宮にいて、出町柳まで戻るのは「意外と面倒くさい」。スマホアプリ「Y!乗換案内」によると、阪神線で梅田へ出て、大阪駅から環状線で京橋へ。京阪に乗り換えて出町柳まで約1時間半。森見登美彦の描く京都は「あぁ、あのあたりだな」と、すぐ眼に浮かぶのですが、本シリーズはなぜか風景が浮かびにくい。だから自分で想像を膨らませる必要があるのがちょっと寂しい。

お勧め度:★★★☆☆

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