京都

2016年5月20日 (金)

京都はんなり暮らし (澤田瞳子)

京都はんなり暮し: 〈新装版〉 (徳間文庫)
京都はんなり暮し 』は、京都生まれ京都育ちの小説家・澤田瞳子が書いた京都エッセイ集。小説『若冲』を読んだので、どんなエッセイなのかと手にとってみました。先日日本経済新聞で、京都「錦市場」の歴史と合わせて『若冲』の作者が紹介されました。

私がいつも豆餅と桜餅を買う「出町ふたば」は「お餅屋」であって「お饅屋」でもなければ、ましてや「お菓子屋」でもないとか。お菓子屋というのはお茶席で出される和菓子を扱うお店だそうです。知らなかった。

京都御苑は広くてのんびりできるから好きなのですが、あの砂利のうえを自転車で走るのは結構たいへん。砂利に細く自転車の通り道ができているのを「御所の細道」と呼ぶとか。「たしかに!」(笑)

決してガイドブックではないのですが、行ってみたいところ、食べてみたいものが見つかるたびに iPhoneにメモしておきました。今度京都に行ったときには探してみます。

祭事や名所の歴史や文化がしっかり紹介されているのも興味深い。「京都本」は何冊も読みましたが、この本は「地に足がついている」感じがして良いですね。

お勧め度:★★★★★

2016年4月25日 (月)

若冲 (澤田瞳子)

若冲
若冲』は、江戸時代中期の京都で活躍した画家。本書の表紙絵にあるように、鶏をモチーフとしたものが多く、大胆な構図と彩色、緻密な描き込みは、他の誰にも描けないもの。若冲はどのような人生を歩み、このような絵を生み出したのか。それを知りたくて本書を手にとってみました。

錦高倉市場の青物問屋「枡源」の跡取り・源左衛門として、嫁・お三輪を迎えたものの、本人は絵を描くことしか興味がなく、姑の嫁いびりが高じ、嫁いで2年後にお三輪は蔵で首を括ってしまいます。腹違いの妹・お志乃が源左衛門の世話をしつつ、無口な彼の心情を語ります。

お三輪を死なせてしまった自責の念から、自らを責め続けて描いたものだったとは。お三輪の兄・弁蔵の源左衛門に対する恨みがまた絵を描き続ける力を与えていたとは、なんと不器用で、切ない生き方でしょう。それでも300年を経て、なお若冲の作品は生き続けているわけで、わたしのように若冲の人となりに興味をもつ人も出てくるのです。

人の一生を一冊の本にまとめるのは容易ではありません。『若冲』も物足りない気がします。『等伯 』は上下巻2冊なので読み応えがありました。でも物足りなければ他の関連書を探して読めばいいこと。いまの日本では読みきれないほどの本が、図書館では無料で借りることができて幸せです。「勉強したくない」というのは我が儘というか、せっかくの恩恵を受けようとしないのが惜しいとさえ思います。

楽園のカンヴァス 』など、内外の画家に関する小説を読んでは、実際の作品を美術館に観に行くのが楽しいのです。なにも知らずに見るよりも、画家の人生について知っていたほうが興味が湧きます。一冊の本をきっかけに世界が広がっていく。それを誰かが「ギフト」だと言っていましたっけ。

今度京都を訪れたら、相国寺境内にある承天閣美術館で若冲の作品を見たいと思っています。

お勧め度:★★★★★

2016年4月15日 (金)

[Apple Watch 旅] 春の醍醐寺と石清水八幡宮 2

山なら頂上、ビルなら屋上、城なら天守、岬なら突端というように、わたしはてっぺんというか、それ以上先には行くことができないところまで行くのが好きなのです。だから、身体が動くうちに行けるところには行っておきたい。

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上醍醐からの帰り道、醍醐水(写真上)をいただいてから下ります。上りのように息が切れることはないけれど、膝などの関節に負担がかかる感じ。登ってくる人たちに「こんにちわ」と挨拶しながら下っていきます。帰りは上醍醐の境内に入らず(再入場不可)、東側の脇道を駐車場まで歩いていきます。途中、楓の新緑がきれいだった。秋は見事な紅葉が楽しめそうです。

じつは、今夜は大阪の国立文楽劇場で「妹背山婦女庭訓」を観る予定なのです。先月、京都で初めて文楽を観て面白かったので、4月公演の予約状況をネットでみると、第2部の2等席が2,400円で取れたので「いちばん後ろの席でも楽しめるかどうか試してみよう」。国立文楽劇場がどんなところか興味があったのと、大阪日本橋の電気街が懐かしくて再訪したかったのもあります。

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文楽は16時開演だから、15時くらいに日本橋へ着きたい。醍醐寺からバスで京阪六地蔵駅へ。中書島で京阪本線に乗り、北浜で地下鉄に乗り換えれば日本橋です。だったら、八幡市駅で途中下車して石清水八幡宮にお参りしたい。京都に来ても八幡さんには寄ることができずにいたのです。

我ながら欲張りだと思う。文楽が終わるのは21時の予定。気分転換のための休日とはいえ、頑張りすぎると疲れが残りそうで心配。だから、当日の朝は上醍醐はあきらめようと思ってたのです。そうすれば時間にも体力にも余裕ができます。でも、上醍醐へのゲートを前にしてすごすごと引き返すことはできませんでした。

例によって、Kindle Fire 8GB + 32GB SD Cardに、映画を1本と音楽アルバム3枚をダウンロードしてきました。今回はもっぱらアルバムを聴いていました。ビートルズの”Let It Be”、エリック・クラプトンの”Unplugged”、イーグルスの”Hell Freezes Over”。中でもイーグルスが気に入りました。映画と読書は今回余裕がありませんでした。

Kindle Fireは置いておくだけでも意外にバッテリーが減るのですが、音楽を再生しているだけなら丸一日でも楽勝です。iPhoneはカメラとしても使うし、あれこれ検索するからヘッドホンがつないであると邪魔になる。だから、バッグに入れたKindleを音楽専用としたのは正解だったみたい。

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醍醐寺では昼食がとれず腹ペコ。京阪八幡市駅を降りると石清水八幡宮へは男山ケーブルで3分。ケーブルカーは15分間隔で運転しているので、その待ち時間で駅前の朝日屋さんに飛び込んで竹の子ご飯セット(写真上)をいただきました。おぉ、関西のうどんだ。美味い!

満腹になって男山ケーブルで山上へ。そこは八幡さんの裏手なので、ぐるっと表に回って表参道に出ると、沿道には人垣ができています。「一体何事ですか?」とスタッフに訊くと「花魁道中が来るんです。でもここまで来るのに15分くらいかかりますよ」。だったら先にお参りさせてもらいましょう。

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きれいな本殿です。醍醐寺のようにお金もかかりません。あ、ケーブルカーは片道200円です。

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せっかくなので花魁道中をひと目見てから帰ることにしました。

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カレンダーに予定と場所を指定しておくと、出発時間にApple Watchが知らせてくれます(画像上)。便利な機能なのですが、車での移動が前提なのが難点。

大阪日本橋の電気街は、日本橋と恵比寿町の間なので、日本橋のひとつ先の恵比寿町駅まで行きました。

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恵比寿町の南は新世界。通天閣が見えます。これも懐かしい!

日本橋に向かって北へ歩いて「シリコンハウス共立」へ寄りました。昔お世話になったパーツ屋さんです。

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へへ、買っちゃいました。何を買ったのかは、いずれ明らかにいたします。

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上の地図のように、日本橋まではまだ距離があります。沿道には電気店が多いものの、寂れたビルもちらほらあって、すこし寂しい感じ。通りがかりのたこ焼き屋さんに寄りました。美味しいもの大好きなので、ここは素通りできません。

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ずいぶんしっかり焼いてあるようですが、中はトロトロのアツアツでウマイ。やっぱたこ焼きはこうやないとあかん!

(つづく)

2016年4月13日 (水)

[Apple Watch 旅] 春の醍醐寺と石清水八幡宮 1

京都は何度も訪れていますが、新幹線でいつも通り過ぎている山科に行ってみたい。そう、醍醐寺です。

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京都の寺社505を歩く(下)』の「上醍醐への山道はかなり急坂でしかも距離があり、気軽に拝観するといった気分ではいけない。天候の状態をみて、よし、今日は上醍醐に”挑戦する”という覚悟が必要であろう」という記述を見て、俄然やる気になってしまいました。

安土の観音寺城址へ桑実寺を抜けて10丁登ることになったり、御在所岳にロープウエイで登ったら雪が積もっててビックリしたり、気軽な日帰り旅とはいえ、滑って転んで怪我しないためには靴が大事。かといって登山靴は大げさだから、もうすこしカジュアルなものを探していて見つけたのが「モントレイル」。これはトレイルランニングといって「舗装路以外の山野を走る」ための靴。走るつもりは全くなく、歩くだけですけど、雨にも強いタイプを選んだので、これで山道に迷い込んでも大丈夫!?

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醍醐寺の拝観時間は9〜17時なので、9時に着くように出発。京都八条口のホテル京阪東側の8番乗り場から醍醐寺行きバスに乗って30分。桜の見頃は先週末だったから、ほとんど散ってしまっていますが、それでも参拝客はたくさん。

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上醍醐に”挑戦”する前に下醍醐をざっと見ておきたい。

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というわけで、まずは霊宝館から。寺宝の数々のなかに、襖絵がずらっと並んでいて、端から順番に見ていくと、かなり劣化しているものの、風にそよぐ葉の緑が美しい。「これは笹?」って考えてると、中央の札に「長谷川等伯 柳草図」。なんと、等伯ではないですか。笹ではなく柳でした。

等伯といえば、前回本法寺で見た仏涅槃図。霊宝館にも小さな仏涅槃図がありましたが、構図は酷似しています。比べてみると面白い。洋の東西を問わず、宗教画のモチーフにはパターンがあるのでしょうか。

続いて三宝院。ここは塔頭なのですが、庭園も広くて立派。豊臣秀吉が建てて「醍醐の花見」を催したとかで、毎年4月に「豊太閤花見行列」が行われるって、え…今日ですか!?

最近、こういうサプライズが多いような気がします。不意のお祭りはうれしいのだけれど、混雑するのが困りもの。お寺の人に聞いたところ「花見行列」は午後1時スタートらしいので、それまでに脱出しましょう。上醍醐までがんばって歩かなきゃ!

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売店の貼紙で「京都醍醐寺ナビ」というアプリがあると知って早速iPhoneでダウンロードしたものの「拝観記念カードのIDを入力してください」。そのカードは無料配布しているのか思ったら、なんと540円で販売していました。だったら最初から有料アプリにすればいいのに紛らわしい。

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おすすめコースを案内してくれたり、歴史解説など、機能は盛りだくさんなのですが、音声ガイドは聞こえないし、いま境内のどこにいるのかわかりづらいし、540円の値打ちはありません。限られた時間内での拝観を充実できるならばと購入したものの期待ハズレ。観光ガイドブックを買ったほうがいい。

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三宝院をあとにして、仁王門を抜け、上醍醐方面へ。五重塔は、東寺ほど大きくはないけれど、整った形をしていて美しい。「醍醐寺アプリ」で写真を撮ると、こんなふうにタイトル文字が入るのですが一事が万事なんです。面白みに欠ける。無料の姫路城アプリのほうが洒落てる。

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金堂、弁天堂、女人堂まで来ると、下醍醐はそこまで。入山料600円を払って、柵の向こう側へ抜けると上醍醐なのですが、そこは観光地というより山の中。頂上の16丁まで山道が続きます。

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同じように登る人は少ないけれど、いないわけじゃない。同志です。不動の滝がある9丁くらいまではつらかったけれど、そこを越したら楽になりました。歩く速度に呼吸を合わせて登っていくとようやくたどり着いた16丁地点。入山してからここまで35分。

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16丁から先は下りになり、醍醐水、薬師堂、五大堂を経て、最終目的地の開山堂に到着するまでに20分かかったので計55分。女人堂から開山堂まで約2.6kmということだったけれど、山道の2.6kmはきつかった。

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標高450mですが、下界を見下ろす気分は最高。心なしか涼しくて気持ちいい。下醍醐ほど人が多くないのでのんびりできます。ベンチで休憩して、いつもなら読書タイムになるのですが、今日は時間がないので、すぐに下山します。

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(つづく)

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2016年3月28日 (月)

[Apple Watch 旅] 京都で珈琲と文楽をたのしむ 2

WIFE&HUSBANDを出て、自転車で賀茂川の河原を下っていきます。

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道路を走るより、河原のほうが(橋をくぐるから)早いのです。お昼を食べ損ねたので、鴨川デルタでお赤飯をいただきます。添付のごま塩がうれしい。風が強いので、包み紙などが飛んでいかないように要注意。

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さて、出町柳まで戻ってきたわけですが、これから吉田山に登ろうと思います。

森見登美彦の小説にも出てくるので、一度行ってみたかったのです。頂上付近には茂庵(もあん)というカフェがあるらしいので、そこをお目当てに。

今出川通を百万遍から東へ進み、赤い鳥居のあるところで自転車を降りて、分かれ道を左にまっすぐ登っていきます。

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なかなかの急勾配。こういうところを一生懸命に登っていると心臓に負担がかかっているのがわかります。あとでApple Watchが自動計測した心拍数を見たら120でした。これまでの1年近くで最低が48、最高が138。これは安静時も運動時も含みます。成人は安静時で50〜90らしいので、許容範囲内なのかな。安静時に100を軽く超えたら要注意? たとえば150を超えたら警告する機能をApple Watchにつけてほしい。

頂上広場に到着。東に大文字が見えます。大文字山に登るのは、やめておきます。

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そこから、もうすこし南へ進んでいくと二階建ての木造家屋が見えてきます。そこが茂庵です。

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一階は待合スペースで、二階がカフェになっています。わたしの前に一組先客がいましたが、じきに案内してくれました。西の窓際の席が眺めがよいのですが、あいにくテーブル席。抹茶ロールケーキのセットを頼みました。

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今日の本は「マージナル・オペレーション 空白の一年(下) 」。上巻同様、ジブリール視点が愉快な傭兵ラノベです。「マジオペ」は年内に2nd seasonに突入するとか。「マジ」ですか!

抹茶ロールケーキも、湯のみに入った珈琲もおいしい! あまり期待していなかったのですが(失礼)、このお店はいいかも。こんな不便なところなのに大勢お客さんが(外国人も含めて)見えます。テーブル席を空けるべく、早めに退散。階段を降りるときに、窓からの景色を一枚。

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きっと夜景もきれいだろうな。

うーん、本が読めない。本が読みたい。そもそも、外が寒いからいけない。暖かければ、鴨川の河原でのんびり読書するはずだったのです。こうなったら、あそこしかありません。

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進々堂(京大北門前店)です。ここなら読書に没頭できます。放っておいてくれるのがありがたい。珈琲は本日4杯目となるので、クリーム入りを頼みました。写真に写っているKindle Fireでカーペンターズのアルバム “A Song for You” を聴きながらの読書タイムは至福の時でありました。このアルバムはわたしが生まれて初めて買ったLPレコードなのです。

「マジオペ」を読み終え、出町柳でレンタサイクルを返して、京都府立芸術文化会館へ。

開演30分前に開場となり、当日券希望者の列に並びます。うしろのほうの座席が空いているみたい。「文楽は初めてなのでお勧めの席を教えてください」。前から12列目の真ん中あたり。ちょうど全体が見渡せるので良さそう。「京都では要らないかな」と思いつつ、バッグに入れておいた8倍双眼鏡が役に立ちそうです。日帰り旅でも、双眼鏡と銭湯用タオルは必携です。

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本日の演目は、絵本太功記(夕顔棚の段、尼ヶ崎の段)と日高川入相花王(渡し場の段)。ストーリーすら知らないので「困ったな」と思っていたらパンフレットを売っていたので即購入(800円)。あらすじの解説と床本(台本)が載っていたので、急いであらすじに目を通します。

それにしても座席が狭い。ここで2時間半はつらいな。あ、映画館とおなじか。

舞台に向かって、右手に床があって、そこに太夫と三味線が並び、左手に縦型のおおきな電光掲示板(字幕)があります。字幕があれば、パンフレットがなくても最低限なにを言っているのかは想像がつきます。だから、わたしのように飛び込みでも大丈夫。

日本の古典芸能だと思うと構えてしまうけれど、見方を変えれば、ちょっと古い脚本による人形劇です。区切りごとに太夫と三味線が交代するのですが、太夫もそれぞれ個性的。太夫が聴かせて、人形師が見せて、三味線が締める。芸の道は厳しいというのがわかるような気がします。客席で見ていれば素人にもちがいがわかりますもん。ただ、みなさん、汗だくで演じてくれているわけですから理屈抜きで応援したい!

涼しい顔してビシッと決める太棹三味線が最高にかっこいい!「あ、この人の三味線が好き」。パンフレットでお名前をチェックします。こうして贔屓ができていくのでしょうね。

太夫の謡に合わせて三味線がピシッと締める間合いを見て、松竹新喜劇の藤山寛美を思い出しました。その瞬間、ゾクっと来るのです。これは文楽だからではなく、日本の芝居の型みたいなものなのでしょうか。なにか共通するものを感じます。

ちょっと気になったことをいくつか。

1. 「夕顔棚の段」で、十次郎が家来ふたりに担がせてもってきた鎧櫃を、許嫁の初菊がひとりで持ち上げて奥の部屋へ。ひょっとして初菊はものすごい力持ち?

2. 同じく「夕顔棚の段」で、息子光秀の竹槍を受けた老母が、瀕死の重傷を負いながらも延々と雄弁に語り続ける、驚異の生命力!

3. 「渡し場の段」では、清姫の端正なお顔が一瞬にして鬼に変わるシーンは見事。双眼鏡でアップで見たら怖かった。大蛇となって川を泳ぎシーンでは、白い衣装が一瞬で赤に変わったのは目にも留まりませんでした。これも見事で驚きました。(拍手)

ずいぶん間延びしたセリフまわしに、時代がかった節回しと、古語のオンパレード。現代のアニメ世代には「イミフメイ」でしょう。でも、一度は見てみましょう。「渡し場の段」では、3人の太夫に各々担当する登場人物が決まっていて、まるで声優さんでした。文楽は男性がすべて演じますから、清姫担当太夫は高い声を絞り出すのが可笑しくて楽しかった。

最初は「わけわからん」と思っていたわたしも途中から面白くなってきました。登場人物の苦悩や悔しさが切々と語られ、こちらもその世界に引き込まれていくのです。そこに時々、人形特有のギミックやら、三味線の鋭いバチ捌きがスパイスとなっています。そう、見どころがたくさんあるのです。

4月文楽公演は「妹背山婦女庭訓」。蘇我蝦夷に陥れられた天智天皇と中臣鎌足がリベンジする、7世紀のお話ですな。下調べすると歴史の勉強になります。

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いやぁ、今回の京都は盛りだくさんで楽しかった。生まれて初めて文楽も観ることもできたし満足です。しかし、夜明け前から活動しているので疲れました。心なしかフラフラする。いつもならとっくに帰宅している時間です。大丈夫だろうか、わたし?

最後に、本日の4杯の珈琲の順位を発表します。

 1. WIFE&HUSBAND
 2. 茂庵
 2. コーヒーハウスマキ
 3. 進々堂

あくまでわたしの好みです。ごちそうさまでした。

(おしまい)

2016年3月26日 (土)

[Apple Watch 旅] 京都で珈琲と文楽をたのしむ 1

京都駅から市バスに乗って下鴨神社へ向かう途中、府立医大病院前バス停で文楽公演のポスターが目に飛び込んできました。開催日を見てびっくり。「それって今日じゃないですか!」

2年前、三浦しをんの『仏果を得ず 』を読んで文楽に興味を持ち「東京か大阪に行く機会があれば」と考えていたのですがタイミングが合わずにいたのです。それが、ふらっと訪れた京都で出会うなんて、これは運命かも。

iPhoneで検索したところ、会場は京都府立芸術文化会館。それって府立医大の向かい側。河原町通沿いのあそこだったのです。時間は13:30からと18:00からの2回。13:30は無理だから18:00-20:30のBプログラムが観たい。レンタサイクルは20:00までに返却だから、出町柳で返してから会場まで歩けばいい。15分くらいで着くだろう。

京都市美術館から本法寺への移動途中に芸術文化会館に寄ってみたら、Aプログラムは13:00開場と看板が立っているだけで、入口は閉まっています。人もいないので仕方なく電話したら、Bプログラムの当日券は17:30の開場と同時に発売するので、そのときに来てもらえればいいとのこと。「Bプログラムはまだ座席に余裕があるから大丈夫だと思いますよ」。当日券は4,500円とお高いけれど、このチャンスは逃せません。出町柳に17:00に戻ればいい。

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さて、次の目的地は千本釈迦堂(大報恩寺)。今出川通の上七軒を北に入ったところです。

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本堂内の柱には、応仁の乱の際についた槍や刀傷が残っている、京都市内最古の国宝建築物だとか。おかめ伝説のお寺として有名です。

さっきは通り過ぎたものの気になるお店があって上七軒交差点まで戻ります。「みたらしだんご」という暖簾をくぐると、おばあちゃんが内職のようにお団子を串に刺してます。「3本ください」というと奥から焼いたものを持ってきてくれます。はい、330円。

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うーん、温かいうちに食べたい。いつもなら京都御苑で休憩するのですが、ここまで来たら大徳寺にも寄りたい。Apple WatchのSiriに「大徳寺について教えて」。

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大徳寺には多くの塔頭があり、それぞれ個性的。今日は高桐院を訪れてみたい。

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ハッとする美しさ。これは外国人観光客にも感じてほしい。

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暗い室内から四角く切り取られた庭が明るく美しい。縁側でぼんやり過ごすのも贅沢な時間。

大徳寺境内の休憩所でみたらし団子をいただきました。たっぷりかかった餡はとっても素朴な味。昔から変わらないであろう甘さ。もちっとした団子が香ばしく焼いてあって、幼い頃に戻ったような気分です。下鴨神社そばの加茂みたらし茶屋のそれも上品で良いけれど、こちらの素朴さも捨て難い。

塔頭の庭園は心の栄養、お団子は体の栄養。京都でエネルギーを充電させてもらいます。

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大徳寺をあとにして、北大路通を鴨川の北大路橋西詰まで走ります。目的は WIFE&HUSBANDというカフェの珈琲。

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民家を改装した、アンティークに囲まれた、こじんまりとしたカフェです。

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ホットコーヒーは大きめのマグカップにたっぷり入って税別550円。やや深煎りでコクがあり、わたし好み。うん、美味しい。ご夫婦も気さくで気持ちがいい。狭いお店はすぐ満席になってしまうので、読書している場合でもなく、早々に「ごちそうさま」。また来ます。今度はピクニックバスケットで珈琲を持って鴨川でくつろぎたい。

(つづく)


2016年3月24日 (木)

[Apple Watch 旅] 京都で長谷川等伯とモネに逢う

寒い冬の間はお休みしていた、Apple Watchを連れての日帰り旅を再開しました。

昨年、本法寺を訪れた際、長谷川等伯の「佛涅槃図」の複製が展示されていてがっかり。真筆は毎年3月15日〜4月14日に公開されるというので「来春こそは」と考えていたのです。だから「まずは本法寺」と、Mac miniでGoogle mapに打ち込んで、徒歩の「ルート」登録で、行ってみたいところを入力して、順番を入れ替えて、ルートを組み立てていきます。手間はかかるけれど、楽しい作業です。

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雑誌Penの「ひとり、京都」特集から興味のあるスポットを(定休日と営業時間に注意して)拾ったり、美術館と博物館の展覧会情報を調べたりしていると、京都市美術館でモネ展とルノワール展を開催していることを発見。原田マハの『ジヴァルニーの食卓』のクロード・モネが観たい。ということで、ブログタイトルのように「長谷川等伯とモネに逢う」のがテーマとなりました。

原則、わたしの京都探訪は、自転車で出町柳スタートです。

ところが、等伯は堀川寺之内で、モネは岡崎って真逆じゃないですか!?

双方の目的地への途中に、面白そうなスポットを探して「一筆描き」を試みるも、時間の制約もあるので限界があります。今回は効率よりも、外せないものを優先して「デタトコショーブ」で行きます。それも気ままな旅の醍醐味です。

いつものように、名古屋発のぞみ号の始発で京都に到着したのが午前7時。曇っていて寒い。「そろそろ春」気分でやや薄着してきたのは失敗だったか。京都市バス4号を待つA2乗り場で手袋して震えておりました。

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あぁ、バスの中は暖かいです。早朝はバスも道路も空いていてスムーズに下鴨神社前に到着。いつものようにローソンで温かいお茶ペットボトルを買って下鴨神社へお参りします。

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ここから糺ノ森を抜けて、出町ふたばまで散歩すると8時。開店したばかりでも行列ができてる。それでも朝一番はまだマシ。定番の豆餅と、僕の好きな桜餅、それにお赤飯の小さいのもいただいておこう。以前、豆餅など6個をひとつのパックにいれてもらって自転車で持って帰ったら片側に寄って潰れてしまったことがあるのですが、2個だけ入る小さなパックに入れてもらったら、ひっくり返っても大丈夫でした。これからは2個パックに詰めてもらうようにします。それと、赤飯には割り箸をつけてもらうことができました。

もうすこし暖かければ、鴨川デルタでお赤飯を朝食代わりにいただくところなのですが、風が冷たくて無理。8時半開店のコーヒーハウスマキでモーニングセット(650円)にしました。こちらも開店早々ほぼ満席。サラダはうれしいのだけれど、ヘタがもそもそして食べにくいのでトーストしてほしいと思うのはわたしだけでしょうか? ここの珈琲は手堅く美味です。

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9時に出町柳駅前の「えむじか」で自転車をレンタル。当日20時までなら500円(保証金2,000円)です。10時からの本法寺よりも、9時開場の京都市美術館に先に行くことにしました。

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予想はしていましたが、当日入場券を購入するための行列です。入場券を持っていれば並ばずに入場できるといっても前売券を買うような予定は立たないし、なにか手があるのでしょうか。

行列といっても、待ち時間20分ほどだったのでマシなほう。問題は会場内です。「順路は決まっていませんのでお好きなところからご覧ください」と言われても、移動がむずかしい。人混みが苦手なわたしには難行苦行。目当ての「印象、日の出」と、ジヴァルニーの睡蓮だけしっかり見て通り抜けました。これで1600円か。映画のほうがお得感があるな。

会場のちいさなブースで1分ほどのビデオが流れていて、白ひげのモネが写っていました。心の中でそっと「あなたに会いに来ましたよ」。ほんとうはもっとゆっくり、一日中眺めていたいのだけれど。

ルノワール展はパスして、美術館の外のベンチで豆餅と桜餅をいただきました。 うーん、美味!

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細見美術館も気になったのですが、春画には特に興味がなかったのと、行列していたので断念。伊藤若冲が公開されるときにまた来ます。

それでは等伯のいる本法寺へ向かいます。

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堀川寺之内の茶道資料館の北側から入ります。本法寺は行列もなく静かでホッとします。

長谷川等伯の「佛涅槃図」は縦10メートルもある巨大なもの。迫力があります。複製はぼんやりした「昔のカラーコピー」です。残念ながら見るに値しません。ぜひ真筆をごらんください。

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僧侶、守護神や眷属、獣たちまでが、釈迦の入滅を嘆き悲しんでいます。象や虎、獅子の嘆く様は漫画のようによくわかるのですが、亀とふくろうは表情が掴めません。この中に長谷川等伯自身も描かれているということで「寺にはそう伝わっています」と教えてもらいました。知りたい方は本法寺へ足を運んでみてください。

(つづく)

2015年12月31日 (木)

[Apple Watch] ちいさな旅 2015 総集編

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2015年4月に初代 Apple Watch を手に入れてから始めた「ちいさな旅」についてまとめてみました。
  1. 京都(西本願寺、東本願寺、妙法院、智積院、豊国神社、方広寺、京都タワー)
  2. 犬山城
  3. 岐阜城
  4. 名古屋城
  5. 小牧城
  6. 清洲城
  7. 大垣城
  8. 尾張四観音 - 荒子観音
  9. 尾張四観音 - 笠寺観音
  10. 尾張四観音 - 甚目寺観音
  11. 尾張四観音 - 龍泉寺
  12. 彦根城
  13. 長浜城
  14. 豊川稲荷
  15. 吉田城
  16. 姫路城
  17. 書写山
  18. 高野山
  19. 京都(下鴨神社、出町ふたば、ルーブル美術館展、神泉苑、地蔵院、 大将軍八神社、龍安寺、本法寺、晴明神社、一条戻橋、京都御苑、壱銭洋食)
  20. 安土城跡
  21. 郡上八幡城
  22. 関ヶ原合戦場
  23. 岩村城跡
  24. 京都(下鴨神社、出町ふたば、京都御所、京都市美術館、京都府庁旧本館、渉成園、東寺、壬生寺)
  25. 松本城
  26. 城山八幡宮、末森城跡
  27. 多度大社、桑名城跡
  28. 桃巌寺、名古屋大学
  29. 御在所岳、湯の山温泉

お城や寺社めぐりが中心になってしまいましたが、テーマはなんでもいい。お城があるところには、歴史があり、城下町のなごりがあるから面白いのです。

わたしが気に入ったお城は、犬山城(国宝、写真1-2)と岐阜城(模擬城、写真3-4)。犬山城は木曽川、岐阜城は長良川を望み、天守の回廊からの眺めは雄大。格子のはまった小さな窓から覗くのとは迫力がちがいます。

先日、Amazon Videoで映画「偉大なる、しゅららぼん 」を観たら、彦根城が舞台になっていて懐かしかった。

もう一度行きたいところは、次の3カ所。

  1. 京都(京都府)
  2. 長浜(滋賀県)
  3. 岩村(岐阜県)

共通点は、次回行ってみたい場所があること。そして「また食べたい」か、前回食べられなかったから「今度食べてみたい」店があること。美味いもの(店)がある土地に惹かれます。レンタサイクルが利用しやすいことも条件です。

京都なら「出町ふたば」。満月の阿闍梨餅は京都駅でも買えるけれど、出町ふたばの豆餅は持ち歩くと大変なことになるから早く食べた方がいい。岩村では「郷の薪窯パン Kitto!」で焼きたてのくるみパンを頬張りたい。長浜の商店街にも窯焼きパンがあったから、今度は買ってみよう。なにかしらの心残りが再訪の動機になります。

みなさん、どうぞ良いお年をお迎えください。

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2015年11月16日 (月)

[Apple Watch] 京都 2015 秋の特別拝観

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京都府庁旧本館を出て、Apple Watch の Siri に「京都市美術館の場所を教えて」。また「どれですか?」と訊ねてくるけれど、最初に「京都市美術館」と正しく認識しているのだから、それで検索すればいいだけ。選択する必要などない。

Siri の認識とアウトプットについては、まだまだ問題が多く、実用になりません。ただ、これもユーザーが(楽しみながら)育てていくものでしょう。

京美の場所はわかっているのですが、画像2のように目的地にピンを立てた状態で移動すれば、自分の位置が青丸で表示され、相対位置がわかるので、気分次第で横道に逸れても大丈夫。自転車で移動するときは専らこのパターン。経路案内されると逆にうっとおしい。

自転車で走ったコースを記録したければ Cyclemeter のような、GPSを利用したサイクルコンピュータアプリを使えばいい。ただ、GPSをずっとアクセスするのでバッテリーの消耗が早く、あまり好きではありません。

ここでも行列だったらパスしようと思っていたのですが、京都市美術館の『フェルメールとレンブラント〜17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち』は並ばずに入ることができました。

はじめは、わたしが好きな風景画が続き、静物画、人物画と、力強い色彩と光と影のコントラストが印象的な作品が多いなか、フェルメールの『水差しを持つ女』は異色でした。

前回『ルーヴル美術館展』で見た『天文学者』もそうでしたが、その場の空気感に包まれ、吸い込まれそうになります。思わず「あの女性に言葉は通じるのかな。オランダ語?」なんて心配したりして。

これこそ「眼福」。「眼が見えることは幸福」です。せっかくですから美しいものをたくさん見ましょう。

次は「渉成園」です。Apple Watch で表示された経路は画像4のとおり。祇園四条は通りたくないなぁ。

岡崎を出て東山通を南下しているうちに八坂さんの前に出てしまい、四条通に右折はできない(したくない)し、直進すれば上り坂。えーい、仕方ない。がんばって坂道を漕いで、東山安井で右折。安井金比羅宮の境内を(自転車を押して)抜けました。この界隈は人間臭くて興味深い。誰か(何か)と縁切りしたい人の行列ができています。鈴なりの絵馬には人間の業が見えます。

建仁寺をかすめて川端通を南下、五条大橋を渡りました。

渉成園(写真5)は東本願寺の飛地境内地。前回、東本願寺を訪れた際に入ることができなかったのでリベンジです。今回は「棟方志功の襖絵、井上雄彦氏の屏風「親鸞」の特別公開」があるそうです。

受付で500円納めると、A4カラーのパンフレット「渉成園ガイドブック」をくれました。東本願寺はお金持ち?

庭園は見所がいくつもあって楽しめましたが、棟方志功の襖絵は行列になっていたのでUターン。天井の低い日本家屋の廊下で並びたくない。井上雄彦氏の屏風は見ました。300年くらい経ったら値打ちが出るかも。

さて、渉成園の次は「東寺」です。

Siri に「東寺について教えて」と訊ねると、何度やっても「当時」と誤認識。言葉が通じません。Siri にも学習機能がほしい。

東寺への経路検索は、渉成園の休憩所で行ったため、人前で「音声検索」は恥ずかしくてできません。iPhoneのマップから目的地を登録して、それをApple Watchのマップからみれば画像6のとおり。同じ画面です。

東寺はでかい。五重塔は近くで見ると、大きすぎて首が痛くなります。一層の立体曼荼羅はユニーク。これを見たかったのです。他に、宝物館、金堂、講堂、御影堂を見せていただきました。しかし、職員さんの対応を含めて、全体に大雑把な印象。広いからでしょうか。

下鴨神社から10km近く南下したでしょうか。ここから出町柳まで自転車を返しに行くのは億劫なので、四条河原町店に返すことにします。それにしても四条まで戻る目的(モチベーション)がほしいところ。

地図を眺めていて目についたのが壬生寺。新撰組ゆかりの寺です。経路は画像8のとおり。意外に広くてきれいなお寺です(写真9)。新撰組の墓所「壬生塚」は入場料100円(写真10)。

お腹が空いたので「食べログ」の現在地検索でラーメン店を探したら、有名店はどこも行列。やむなく行列のないラーメン店で一服しました。細麺の醤油豚骨はともかく、チャーハンはおいしかった。

今回、Apple Watch を使い倒したらバッテリーが切れてしまいました。低電力モードでは時計機能しか働かず、通知もアラームもないので、初めてのことに戸惑いました。次回からは Watch 用の充電ケーブルも持たないといけません。アップルストアでケーブル長30cmのを買っておこうかな。

壬生から四条河原町まで、怖いもの見たさで四条烏丸を抜けてみたのですが、歩道は通れないし、タクシーが多いし、もう懲り懲り。

おまけに「えむじか四条河原町店」を見つけるのに苦労しました。「こんなところにレンタサイクル屋さん?」って場所。東華菜館とドトールの間を入った左手にありました。別の店に返却する際は手数料300円。都合、レンタル料500+300=800円でした。

京阪祇園四条から乗って七条下車、京都駅まで歩きました。今回の観光ルートは画像11のとおり、約20km。疲れたけれど、京都は何度訪れても飽きません。

お勧め度:★★★★★

2015年11月14日 (土)

[Apple Watch] 京都御所 2015 秋の一般公開

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2015/10/30-11/3まで、京都御所が一般公開 されると知って「これは行かねばならん」。建物の屋根はきれいに葺いてあるし、松の木もきれいに剪定してあるのに、いつも壁の外から眺めるだけ。一度でいいから壁の中を見てみたかったのです。

ところが前夜、Netflixのおかげで寝不足。「休日なのだから寝ていたい」と思ったのですが、せっかくの好天なのに、これを逃すと次回は来春。ネットやハガキで参観申込手続きをすればよいのですが、何ヶ月も先の予定が立たないため、現実にはむずかしいのです。ほんとは修学院にも行ってみたい。(くわしくは、宮内庁のホームページへ)

どうせ行くなら朝一番。名古屋始発の新幹線に乗るため5時起床。そして7時には京都駅(画像1)。すこし寒い。9℃ですか(画像2)。そこから市バス205号系統で河原町通を北上して下鴨神社前で下車。

いつものようにローソンでペットボトル茶(温かいの)を買ってから下鴨神社へ。「また来ました」とお参りして、糺の森を、朝の散歩気分で南へ抜け、枡形商店街の「出町ふたば」へ(写真3)。8時すぎにはもう開いてて、お客さんもいます。でも、行列というほどじゃない。ただ、朝一番は品数が少ないのです。豆餅はたくさんあるけれど、他には団子ときんつばくらい。

これは予想していたので、今日は赤飯を買うつもりだったのです。意外に高いので、これまで遠慮していたのですが、人気和菓子店の赤飯ってやっぱり気になります。しかも今日は栗が入ってます。栗赤飯の小が800円、大が1,000円。持って帰るつもりで栗赤飯の小と、すぐに食べるつもりで豆餅2個を買い求めました。

しかし、豆餅2個が朝食ではお昼まで持ちません。そうか、だったら栗赤飯を食べればいい。お茶もある。が、箸がない。コンビニでおかずを買えば箸がもらえると思い、通りがかりのファミマへ。(今後は My箸を持参します)

適当なおかずが見つからず、ファミチキを買うときに「あのぉ、お箸を一膳もらえませんか」「いいですよ」。よし、揃ったぞ。名付けて「ふたば弁当」です(写真4)。

鴨川公園の日陰は寒いので、鴨川デルタのベンチで朝食です。秋晴れの京都で、ちょっと贅沢な気分。「赤飯にはごま塩がほしいなぁ」と思ったら、ちゃんと「ふりかけ」が付いてました。栗が甘くて美味しい。赤飯はおこわらしく、適度に噛み応えがあって、小豆のやさしい甘さが塩で引き立てられています。

ファミチキって、要するに骨無しフライドチキンなんですね。初めて食べました。油こってりが栗赤飯と合います。パクパクとご機嫌で完食。さて、デザートの豆餅です。ガブっとかぶりつくと、甘さ控えめで、やっぱり旨い。「いつも旨い」のがうれしい。美味しく食べられるのは健康な証拠。だから、いつも健康でいたい。

さすがに豆餅2個食べたら満腹。この「ふたば弁当」は、ふたりで分けてちょうどだったかも。ともあれ、腹ごしらえは完了です。

食い物の話ばかりで、京都御所はどうなった?

出町柳駅前の「えむじか」でレンタサイクル(午後8時まで500円。保証金2,000円)を借りて、京都御所へ急ぎます。

午前9時前、行列ができてるだろうことは覚悟していのたですが、やっぱり…。観光バスで団体さんが次々にやって来ます。

4列縦隊で並び「刃物、危険物持ち込み禁止」の手荷物検査を受けてから入場します。参観は、宜秋門 (ぎしゅうもん) から参入し(写真5),清所門 (せいしょもん) から出ます。これは駐車場が近いからですね。参観コースはのんびり歩いても1時間程度でしょう。

9時に開門。10分ほどで入ることができました。御所内は広いので、入場には時間がかかりません。ただ、有名な場所の前には人だかりがしていて、よく見えません。ともかく順路に沿って進んでいくと、建礼門の内側(写真6)に来て「ついに入ってしまった」と感激。ふと振り返ると、朱塗りの承明門の向こうに紫宸殿が見えたときには感無量(写真7)。この瞬間、今日の目的は達成されたといってもよいでしょう。

その後、左近の桜を右手に見ながら紫宸殿の正面へ(写真8)。ついに来てしまいました。天皇の座である高御座(たかみくら)が見えます。他の寺院では感じなかった、身が引き締まる思いがします。

その後、小御所、御学問所、御池庭、御常御殿、御涼所を見て清所門から出ました。10時前には行列はありませんでした(写真9)。

観光バスや自家用車で来た人は駐車場から近いのでよいのですが、たとえば京都御苑の北、南、東から歩いてくる場合は時間がかかります。御苑はとにかく広いので、わたしは歩きたくない。だから自転車なのですが、御所周辺は砂利のせいで、ひどく走りづらい。獣道ならぬ自転車道が細く続いていたりするのですが、前から自転車が来ると避けないといけなくてコケそうになる。

御所を出る直前の休憩所で「府庁界隈 まちかどミュジアム」というイベントのパンフレットを見ていたら、京都府庁旧本館の旧知事室が公開されているとのこと。

場所を調べようと、Apple Watch の Siri に「京都府庁旧本館までの経路を教えて」とお願いすると「どれですか?」(画像10)。電話帳みたいなリストが表示されるのですが、旧本館は見当たりません。そりゃそうだろうな。もう府庁として使ってないのだから。仕方ないので iPhone5s の「マップ」で検索(画像11)。京都御苑のすぐ西側です。だったら行ってみましょう。

京都府庁旧本館は、趣のある洋風建築(写真12)。名古屋の市政資料館に似ています。2階の旧知事室(写真13)から窓を見ると、外の景色が歪んで見えます。このガラスは100年前のままだとか。当時のガラスは平面じゃなかったんですね。面白い!

次は、京都市美術館のフェルメールに会いに行きます。

(つづく)

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