その他

2015年12月30日 (水)

捏造の科学者 STAP細胞事件 (須田桃子)

捏造の科学者 STAP細胞事件 捏造の科学者 STAP細胞事件 』は「科学史に残るスキャンダル」を毎日新聞が取材した内容を踏まえて一冊にまとめたものです。
  1. 異例づくしの記者会見
  2. 疑義浮上
  3. 衝撃の撤回呼びかけ
  4. STAP研究の原点
  5. 不正認定
  6. 小保方氏の反撃
  7. 不正確定
  8. 存在を揺るがす解析
  9. ついに論文撤回
  10. 軽視された過去の指摘
  11. 笹井氏の死とCDB「解体」
  12. STAP細胞事件が残したもの

発表時はマスコミが「これからは理系女子の時代だ」と大騒ぎして、しばらくすると論文に疑義が噴出し、あれよあれよという間に崩壊、論文撤回に至ったのは、わたしも非常にショックでした。

あのときに感じたのは、理研は「再現実験が成功すれば名誉挽回、失敗しても小保方氏を解雇して早期に幕引き」を狙っていること。文科省や政治家の圧力もあったのでしょうけれど、理研の隠蔽体質と危機意識の低さには失望しました。

iPS細胞にライバル意識をもつのは結構ですが、ノーベル賞を手にしても舞い上がることなく「早く患者さんの役に立ちたい」とメダルを封印した中山教授と、エプロンつけてポーズを取っている小保方氏は、科学者として以前に、人間としての格が違うと感じました。

誰も白状しないので、悪意があったかどうかはわかりませんが、結果として論文が捏造されたわけです。

誰が、いつ、どのように、なにを考えて、行ったのか。なぜ、それを指導者、上司、共同執筆者は防ぐことができなかったのか。それが知りたくて、この本を手に取りました。

しかし、小保方氏は実験ノートも十分に残しておらず、追跡調査もままならず。「それでもSTAP細胞はあります」と言われても、コピペと改ざん画像とミス、手違い満載の論文が根拠では、なにを言っても信用されません。社会はそれほど甘くない。

なにより笹井氏の自殺が悔しい。つらかったのはわかるけれど、他に方法はなかったのか。小保方氏に対する遺書に「絶対にSTAP細胞を再現してください」と励ましてあったといいますが、穿った見方をすれば、小保方氏はその言葉を一生背負っていかねばなりません。

マスコミのスクープ合戦には興味がないけれど、懸命にひとつのテーマを追う新聞記者の姿には感動しました。新聞記者に関する「お仕事本」として学生さんにお勧めします。

お勧め度:★★★★★

2015年6月26日 (金)

東海の城下町を歩く (中井均)

東海の城下町を歩く (爽BOOKS) 東海の城下町を歩く 』は、以下のお城を紹介したガイドブック。最近、お城めぐりをしているのですが、もっと早く読めばよかった。観るべきポイントが整理されていて役に立ちそうです。

下記一覧のうち、太字が、わたしが訪れた城です。まだたくさんあるなぁ。
  1. 名古屋城
  2. 犬山城
  3. 清洲城
  4. 岡崎城
  5. 吉田城
  6. 長篠城
  7. 小牧山城
  8. 西尾城
  9. 田原城
  10. 駿府城
  11. 浜松城
  12. 掛川城
  13. 岐阜城
  14. 郡上八幡城
  15. 岩村城
  16. 大垣城
  17. 松阪城
  18. 津城
  19. 伊賀上野城
  20. 亀山城
  21. 長浜城
  22. 彦根城

大垣城と、国宝の彦根城は行くつもり。他もひとつずつクリアしていきます。

お勧め度:★★★★☆

2014年12月31日 (水)

2014 BOOKS & GAMES of the YEAR

今年ご紹介した本のうち「お勧め度:★★★★★」の本58冊(昨年17冊、一昨年49冊)とゲーム4本(昨年17本、一昨年5本)を以下に挙げます。

今年はがんばって本を読みました。面白かった本ベスト3は『櫛引道守』『等伯』『海賊とよばれた男』。今年はいい時代小説に巡り会えました。あ、1件「北白川天然ラジウム温泉」は温泉と料理ですが、小説絡みということで。(京都が好きです!)

一方、iPad用ゲームは飽きました。100〜数百円というのは手頃ではありますが、さほど面白くない。秀逸なのは年に1本か2本。レビューにはよく「暇つぶしにちょうどいい」とありますが、わたしなら暇があれば本を読みます。文庫本が手元になければiPhoneで電子本を読む。意外と「読める」ことがわかりました。

やはりゲームはゲーム専用機のほうが面白い。ただ、ソフトが1本7,000円もするのは高すぎる。ダウンロード版が譲渡、転売できないのにパッケージ版と同額というのも納得できない。でもWii Uも2015年に新しいゼル伝が出たら買ってもいい。つまり、よほどプレイしたいゲームがない限り、高価な新機種は買わないということです。あえて旧機種を選んだほうが、ソフトが安いだけ気軽に楽しめます。(我が家の場合、次はPlayStation3です。)

2014/1 想像ラジオ (いとうせいこう)
『聖なる怠け者の冒険』にまつわる京都探訪(北白川天然ラジウム温泉)
蝉しぐれ (藤沢周平)
仏果を得ず (三浦しをん)
2014/2 果断—隠蔽捜査 2 (今野敏)
[iPad mini] アドベンチャーゲーム The Room Two
ジェノサイド (高野和明)
[iPad mini] アクションアドベンチャー The Cave
2014/3 美雪晴れ〜みをつくし料理帖 (高田 郁)
神去なあなあ日常 (三浦しをん)
とっぴんぱらりの風太郎 (万城目学)
2014/4 風の谷のナウシカ 全7巻セット (宮崎駿)
極北ラプソディ (海堂尊)
マージナル・オペレーション 01 (芝村裕吏)
マージナル・オペレーション 02 (芝村裕吏)
マージナル・オペレーション 03 (芝村裕吏)
2014/5 サエズリ図書館のワルツさん 1 (紅玉いづき)
倒錯のロンド (折原 一)
[Xbox360] ブルードラゴン
チーム・バチスタの栄光 (海堂尊)
ナイチンゲールの沈黙 (海堂尊)
2014/6 ジェネラル・ルージュの凱旋 (海堂尊)
ブレイズメス1990 (海堂尊)
ナニワ・モンスター (海堂尊)
マージナル・オペレーション 04 (芝村裕吏)
マージナル・オペレーション 05 (芝村裕吏)
2014/7 宰領〜隠蔽捜査 5 (今野敏)
司法戦争 (中嶋博行)
海賊とよばれた男 (百田尚樹)
2014/8 密売人 (佐々木譲)
天の梯〜みをつくし料理帖 10 (高田郁)
すかたん (朝日まかて)
河原町ルヴォワール (円居挽)
遥か凍土のカナン 1 (芝村裕吏)
2014/9 親鸞 激動編 (五木寛之)
米国人一家、おいしい東京を食べ尽くす (マシュー・アムスタ・バートン)
神様のメモ帳 9 (杉井光)
銀漢の賦 (葉室凛)
2014/10 光秀の定理 (垣根涼介)
午前三時のルースター (垣根涼介)
銀翼のイカロス (池井戸潤)
剣豪将軍義輝 (上) 風雛ノ太刀 (宮本昌孝)
剣豪将軍義輝 (中) 孤雲ノ太刀 (宮本昌孝)
櫛引道守 (木内昇)
わたしを離さないで (カズオ・イシグロ)
ぶたぶたの本屋さん (矢崎存美)
ぶたぶた図書館 (矢崎存美)
2014/11 ぶたぶたカフェ (矢崎存美)
等伯 (安部龍太郎)
陰の季節 (横山秀夫)
天地雷動 (伊東潤)
なれるSE! 2週間でわかる?SE入門 (夏海公司)
クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ (円居挽)
その街の今は (柴崎友香)
2014/12 ぶたぶた (矢崎存美)
神様の御用人 2 (浅葉なつ)
オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 〜 東京バンドワゴン (小路幸也)
ワーキング・ホリデー (坂木司)
ホリデー・イン (坂木司)
からくさ図書館来客簿〜冥官・小野皇と優しい道なしたち (仲町六絵)
[iPhone] FOMA から iPhone5s へ格安SIMで乗換え 2
[iPhone] だまし絵脱出ゲーム MONUMENT VALLEY
おもかげ橋 (葉室鱗)
散り椿 (葉室鱗)

12月にiPhone5sという、新しいオモチャを手に入れたので、来年はiPhone関係の話題も増えるかと思います。どうぞお楽しみに!

2014年1月17日 (金)

『聖なる怠け者の冒険』にまつわる京都探訪(北白川天然ラジウム温泉)

                         
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昨年7月、京都タワー大浴場には入ったのですが、もう一カ所、北白川天然ラジウム温泉にも行ってきました。出町柳から車で約15分走っただけで「山の中」ですから、京都が山に囲まれていることを実感します。
      
      自転車でも行けそうなくらいですが、銀閣寺の北を比叡山に向かう「山中越え」は(近江神宮に抜けるためにバイクで通った経験から)買い物自転車では上り坂で挫けることは必定。頑張ればなんとかなるだろうけれど頑張りたくない。温泉に着くまえに疲れたくないので、車でお迎えをお願いしました。
      
      温泉だけ入ることもできるのですが、わざわざ迎えに来てもらうのですから、一般客室を5時間使って温泉を楽しみ、会席料理をいただく「日帰りセット」(寿セット)をお願いしました。
      
      到着すると抹茶とお茶菓子が出てきて、こたつでテレビを見ながらぬくぬく過ごすもよし、2階の温泉に入るもよし。夕食は6時半からと決まりました。あれ、ケータイが圏外!? 宿の無線LANを使わせてもらいました。
      
      ホームページの写真はすごくきれいで、ホテルのようなイメージを抱きますが、実際は客室数6部屋の、こじんまりした温泉旅館。エントランスとロビー(写真2)は(改装したようで)新しくてきれい。気取らない接客は好感が持てます。一階突き当たりの「寿の間」は8畳くらい。窓の外は道路ですが、そのむこうは雑木林。お風呂は真上にあるので、窓外の景色は同じ。これを「森林浴」っていうのかなぁ?
      
      温泉が湧いているのではなく、湧き水(鉱泉)をボイラーで暖めていますから、いわば銭湯。でも、わたしには熱すぎずちょうどよかった。2階廊下の蛇口で鉱泉を飲むこともできます。試してみたけど(当然ながら)無味無臭で、効果のほどは実感できず。
      
      さて、お料理は予想以上に豪華で、しかも美味でした。長男の大学卒業祝いを兼ねて行ったのですが、わたしも贅沢をさせてもらいました。
      
      写真3が食前酒と前菜、お刺身。前菜は黒豆、数の子、くるみ豆腐、白和え、からすみ、エゾシカ肉など、まだお正月モード。お刺身の器のうえに氷のドームが載ってます。お刺身も一切れが大きくて美味しい。観光地の飲食店って高いわりにおいしくなかったりするけれど、ここは京都でもとってもリーズナブルだと思います。
      
      どんどん料理が運ばれてきます。あんかけ茶碗蒸し、みそ汁、牡蠣ごはんと牡蠣フライ(写真4)、大根とフォワグラ(写真5)、鯛と里芋の奉書焼き、牛肉の朴葉焼きと続き「もう満腹ぅ」といったところにトドメのデザート(写真6)。カダイフを衣にした牡蠣フライはサクサク絶品。残った牡蠣ごはんは持ち帰らせてもらいました。
      
      こんなに美味しいものをお腹いっぱい食べられて幸せ。海外の食材も取り入れたり、色々工夫されていて、こだわりを感じる料理の数々に感銘しつつ、とっても楽しく頂けました。ごちそうさまでした!(感謝)
      
      温泉もうれしいけれど、個室で(こたつで)のんびり、おいしい料理をいただけるのが最高です。長男の下宿から持って来た漫画『聖☆おにいさん』を読破しました。仏教寺院の多い京都で「これはどうなの?」。(笑)
      
      温泉に入ってビール1本飲んで帰るお客さんも多いそうですが、時間があれば是非お料理もご賞味ください。比叡山や銀閣寺が近いといっても車がないと不便だし、近くを散策するような場所でもありませんが、逆にいえば、銀閣寺から10分ほど山に入っただけで「山の温泉旅館」の風情を楽しめます。肩が凝りそうなホテルや料亭よりも、わたしは北白川天然ラジウム温泉をお勧めします。
      
      お勧め度:★★★★★

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2013年11月24日 (日)

『聖なる怠け者の冒険』にまつわる京都探訪+食べ歩き

                         
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前回、森見登美彦の『聖なる怠け者の冒険』に登場したスマート珈琲などを訪れたのですが、今回「八兵衛明神」に行ってきました。
      
      午前8時に長男の下宿を自転車2台で出発。まずは朝食をと、京都ではスマート珈琲よりも有名なイノダコーヒー本店を訪れると、店の外まで行列ができているので、近くの三条店(写真1)に入りました。珈琲はこっちのほうがおいしいけど、たまごのサンドイッチはスマート珈琲がおいしかった。注文してから出てくるまで待たされるのはどちらも同じくらい。
      
      新京極方面へ下り、ウロウロ走り回ってようやく柳小路(写真2)を発見。自転車ですれちがうのがむずかしいくらい狭い通りです。自転車から下りて押して南から北へ抜けたのですが「あれ、八兵衛明神はどこ?」。洒落たお店が並んでいて、反対側を見ているうちに通り過ぎてしまったようです。それくらい小さな明神さん(写真3)。
      
      柳小路を北に抜けると、なにやら甘い、おいしそうな香りが…。京都鶏卵堂(写真4)のベビーカステラです。11時の開店一番乗りするとオマケしてくれました。できたてのあったかいのはおいしかった。京都はおいしいものがたくさんあるので毎回「食べ歩き」がメインになっていたりします。
      
      カステラをつまみながら自転車で銀閣寺方面へ向かいます。お昼は「おめん」でいただく予定なのですが、まだお腹が空かないので、近くの法然院(写真5,6)へ。観光シーズンなので特別公開されていました。お寺の拝観料って安くないので、ひとりだとたぶんスルーしますが、息子と一緒なので「何事も経験」とばかり入場するのでした。
      
      法然院をあとにして「おめん」へ。つけ麺屋さんなのですが、場所がよいせいか混んでます。駐車場にタクシーが多いのは観光タクシーでしょうか。メニュー(写真7)を見て、温かいおめんを二人分注文。麺もつけだれも温かいのが出てきて、具は二人分が一皿に盛ってあります(写真8)。ごまをたっぶり入れて、おいしくいただきました。
      
      長男の誕生日が近いので、一乗寺の「パティスリー・タンドレス」に誕生日ケーキ(写真9)を密かに頼んでおきました。ここのケーキを初めて食べたとき、いろんな食感と味が広がってびっくり。それ以来、パウンドケーキの上にクリームとフルーツが載っているだけじゃ納得できなくなりました。
      
      午後3時に伺うと店の外まで行列が。「いつも昼過ぎには売り切れてしまうのに、こんな時間にまだ残っているのかな」と思いつつ店に入ると、案の定ガラスケースは空っぽで焼き菓子がすこし残っているだけ。そもそも土曜から月曜しか開店してないし、昼過ぎには来るようにしたほうがいいです。あるいは電話で注文しておくか。
      
      お店あてに「誕生日ケーキはお願いできますか」とメールしたら「一度お電話ください」とのこと。電話で、連絡先、引き取り日時を伝え、二人分をお願いしたら「そのときの仕入れによりますので、お任せでよろしいでしょうか。2,000円くらいだと思います」。なんと大雑把、いえ、おおらかなことでしょう。この店ならお任せでも安心ですし、そのほうが「どんなケーキを作ってくれるんだろう」と楽しみがあっていい。
      
      マンダリーヌ・ブリオッシュはお酒を染み込ませたパンとマンダリンの甘酸っぱさが最高においしかった。ショートケーキ3人分くらいの量があったので、たしかに2,000円といったところ。二人で分けてちょうどの量でした。
      
      夕食は、東大路通沿いのラーメン店「天天有」。そもそもマックスバリュで「銘店伝説 京都ラーメン 天天有」という半生麺を見て「東大路通り沿いのラーメン店だったら長男が行ったことあるはず」というわけで、袋麺よりも本物を食べに行くことにしたのです。今度は行列もなく入店。中華そば(中)を注文しました(写真10)。叉焼の代わりに卵を入れてくれたり、麺の種類を選べたりするようですが、初めてなのですべて「デフォルト」で。いわゆるふつうの醤油豚骨ラーメン。ふつうにおいしかった。これなら飽きないでしょう。
      
      いや、今回もよく食べました。(笑)

2013年11月22日 (金)

「珈琲店タレーランの事件簿」の現場検証

                         
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京都に出かけた折に、自転車で「珈琲店タレーラン」があるとされる「二条富小路」に出向いてみました。Google Mapのストリートビューでも見ることができるのですが、そこはやっぱり自分の目で見たかったのです。
      
      左の写真1が二条富小路から北を見た様子。そこを上ると左手には公園(写真2)がありました。ここは京都市中京区鍛冶屋町になるのでしょうか。それにしても「上ル」はどこまでで「下ル」との境はどこにあるのかな…なんて考えながら自転車でウロウロ。
      
      タレーランを探していたら珈琲が飲みたくなって、西にふた筋の堺町通を三条まで下り、イノダコーヒー本店に寄ってみたら行列ができていたので、すぐ近くの三条店へ。
      
      その後、森見登美彦の『聖なる怠け者の冒険』に登場した柳小路に向かったのですが、それはまた別のお話。(つづく)

2013年8月17日 (土)

素数ものさし (不便益システム研究所/京都大学サマーデザインスクール 2012)

                         
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        上端がセンチメートルで、下端がミリメートル。「24以下の自然数は全て素数ものさしのどこかに隠れている」そうです。
       
             
  • 6cmは、11cmと5cmの間以外に2カ所、よく見ると更に19カ所隠れています。
  •          
  • 12mmは、17mmと5mmの間以外に20カ所隠れています。
  •          
  • 25mmは、イッパツでは測れません。ゴールドバッハ予想にお任せです。
  •        
       

まずはセンチメートルからいきましょう。たとえば、目盛りのない1cmを測るには2cmと3cmの間を使えばいい。つまり、1=3-2。

       
             
  1. 3-2
  2.          
  3. 2
  4.          
  5. 3
  6.          
  7. 7-3
  8.          
  9. 5
  10.          
  11. 11-5
  12.          
  13. 7
  14.          
  15. 11-3
  16.          
  17. 11-2
  18.          
  19. 17-7
  20.          
  21. 13-2
  22.          
  23. 17-5
  24.          
  25. 13
  26.          
  27. 17-3
  28.          
  29. 17-2
  30.          
  31. 18-2
  32.          
  33. 17
  34.        
       

しかし、18cmものさしでは24cmまで(一度に)測ることはできません。それでは、18以上はミリメートル目盛りで見てみましょう。

       
             
  1. 23-5
  2.          
  3. 19
  4.          
  5. 23-3
  6.          
  7. 23-2
  8.          
  9. 29-7
  10.          
  11. 23
  12.          
  13. 29-5
  14.        
たしかに、24以下の自然数は(ミリメートル目盛りを含めれば)素数ものさしに隠れていますが、25は無理みたい。2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29, 31, 37, 41, 43, 47, 53, 59, 61, 67, 71, 73, 79, 83, 89, 97…という素数を眺めたとき、2を除くすべての素数は奇数です。23の次は29ですから、25を測るには奇数-奇数になってしまい偶数しか測れません。だから「25mmは、イッパツでは測れません」とあるのです。ここでいう「ゴールドバッハ予想」とは「4以上の全ての偶数は二つの素数の和で表せ、7以上の奇数は三つ以下の素数の和で表せる」というもの。
       
        この素数ものさしを使って「1センチから(1センチ刻みで)18センチまでの長さの線を引いてください」といって小学生に渡してみると頭の体操になりそう。幸い、ものさしには素数とは書いてありませんから、素数について説明する必要はないでしょう。
       
        冗談グッズかと思ってましたが、1センチ単位であれば18センチものさしとして使えるわけです。「定規貸して」「はい、どうぞ」。面喰らいながらも「これ、素数?」といえばセンスあり!
       
      

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2013年7月27日 (土)

『聖なる怠け者の冒険』と『親鸞』にまつわる京都探訪

                         
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森見登美彦の『聖なる怠け者の冒険』に登場した場所をいくつか訪ねてみました。
      
      大学4年の長男の下宿が出町柳の北にあり、7月下旬の日曜の朝、私がそこを襲撃したと思ってください。「ピンポーン♩ 起きてくださーい!」「おはよ〜」「さ、自転車で出かけるぞ」「どこへ?」「スマート珈琲で朝食だ!」。
      
      地図を片手に行ってみると、寺町通のアーケード、本能寺の南ではありませんか。スマート珈琲(写真1)は早朝から結構混んでます。アイスコーヒー2つとタマゴサンドウィッチ(写真2)、フレンチトーストを注文。お店の入口脇にドイツ製の焙煎機が置いてあり、そこで自家焙煎しているそうですが、アイスコーヒーは酸味が強くて、わたしの好みではありませんでした。でも、熱々のスクランブルエッグにちょっと芥子を塗ったタマゴサンドウィッチは美味でした。
      
      腹ごしらえして、ようやく目が覚めた長男を連れて六角堂(写真3)へ向かいます。これは五木寛之の『親鸞』で重要な場所です。ただ、本能寺同様、ビルの狭間に残された異空間。まわりをぐるっと歩いて六角形であることを確かめました。
      
      じつは、その日、大阪で法事がありまして、昼すぎにはJR京都駅にいなくてはならないのです。時計と地図を見て「それじゃ、梅小路へ行こう!」。梅小路公園の一角にできた京都水族館はパス。目的は梅小路蒸気機関車館(写真4)です。小学生の頃、亡父に連れて来てもらった思い出の場所に、息子を連れていきたかったのです。
      
      整備中のD51が置いてあって面白かった。スチーム号(C62、1回200円)に乗ってみました。片道600mの直線コースをゆっくり往復するだけですが「C62に乗った」ことは事実。長男は石炭に興味を持って、下車後、近くの石炭置き場で手に取って「これが燃えるの?」と不思議そう。
      
      そこから、京都駅ビル西側の(ビックカメラ近くの)西駐輪場へ(1回150円)。JRで大阪へ向かい、法事を済ませて京都駅まで帰ってくると、京都タワーの地下3階にある銭湯へ向かったのでした。京都タワービルってちょっと古くて、名古屋でいえば、栄の中日ビルみたい。地下に手芸用品店があって、地下2階がなくて地下3階に浴場と理容店だけあるのです。階段を降りていくと怪しいムード満点ですが、危険はなさそうなので750円払って入湯させてもらいました。
      
      貴重品は受付で預かってくれますし、タオルを1枚貸してくれます。ボディソープとシャンプーは備え付けてあるので、着替えさえあれば気軽に利用できます。入ってから思い出したのですが、わたし、熱いお湯は苦手。水シャワーで身体を冷やしながら気合いで肩まで浸かりました。
      
      さっぱりしたけれど身体がだるい。入浴って体力を消耗するんでしたっけ。駐輪場で自転車を引き揚げるとすでに夕方。京都のお寺は5時には閉まってしまうので「カステラを買いに行こう!」「へ?」。
      
      京都駅から出町柳まで自転車で約6km。ただ移動するのはつまらないし、以前から「然花抄院」の「然カステラ」を食べてみたかったのです。室町のお店は和風の洒落たところで女性が喜びそう。然カステラの大(1,500円+税)を買って帰りました。薄いけれど直径20cmほど。見た目はカステラには見えませんが、スプーンですくって食べてみると「甘〜い」のつぎに「カステラの味がする」。カステラというと洋風のお菓子というイメージがありますが、然カステラはこってり和菓子です。渋いお茶といっしょに召し上がれ。最初は戸惑いますが、他にない味と食感なのでクセになるかも。余談ですが、ナイフにくっついて切り分けにくいので、下の紙までいっしょに切って、そのままお皿に取り分けたほうがいいと思います。
      
      翌月曜日、長男は大学の講義があり、わたしは昼まで時間があります。iPadで調べてみると「比叡山って近いんだ」。急遽「出町柳から3時間で比叡山東塔まで行ってくる」ミッション開始です。東塔まで片道1時間。現地滞在時間は1時間弱か。
      
      森見登美彦の小説には叡電がよく出てくるので一度乗ってみたかったのです。2両編成で車内はきれい。途中駅はほとんど無人駅なので、うしろから乗って整理券を取って、前の運転席側の運賃箱で支払って降りるという「バスみたいな電車」です。
      
      叡電の八重比叡山口駅から徒歩3分ほどのケーブルカー乗り場へ。続いてロープウエイを乗り継いで山頂駅に到着。東塔まで徒歩30分はつらいので、周遊バス乗り場へ。東塔のつぎのバスセンターで下車して根本中堂へ。『親鸞』が修行したのは横川なのですが、いちばん奥なので今日は無理。またいつか。標高800mでもすこしは涼しい。下界は「京都の夏」。暑いよ〜。
      
      正午に、田中里ノ前交差点の中華料理店「華祥」で長男と待ち合わせてランチ。なかなか充実した京都探訪でした。(さすがに疲れました)
      
      そういえば「有頂天家族」がアニメ化されたとか。京都の街を走り回るタヌキと、飛び回る天狗が見られるのでしょうか。楽しみです。

2012年10月 8日 (月)

現代語裏辞典 (筒井康隆)

一般の国語辞典と比べると、かなり偏っているし、下ネタが多く、お世辞にも上品とは言い難い。しかも、語句の意味ではなく、感想や意見、ダジャレもあって、もうなにがなんだか…。

ただ、そのなかにあって、至極まっとうな解釈もあります。たとえば、

せいとう【政党】議員がおおまかに色分けされた末に個性をなくしていく組織
せんかくしょとう【尖閣諸島】出かけて行きさえすればいつでも戦争ができる島
ちゅうごく【中国】広い領土を持ちながら何故に欲しがる尖閣諸島

その一方で、

せっく【節句】タンゴを踊る日
スニーカー【sneaker】殉職
せいうち【海象】ポール・マッカートニー

といった、ダジャレや芸能ネタもありますし、

ぶんえん【分煙】一本の煙草を何人かで吸うこと
ぶんつう【文通】文による密通
へいえき【兵役】若者いじめの制度

という「おいおい」と突っ込みたくなるのもあります。

きれいごとでは済ませない、人間の本音を斬って見せる辞典です。シャレのわかる方にお勧めします。

お勧め度:★★★☆☆


2012年4月15日 (日)

Welcome to Macintosh [DVD] (ロバート・ベイカ)

アップル社の創業から Apple II、Macintosh、iMac、iPod までの開発秘話などを関係者へのインタビューによって構成した約80分のドキュメンタリービデオです。制作当時、スティーブ・ジョブスは存命でしたが、インタビューに応じることはありませんでした。

かつて Apple IIe で憧れのアップルを手に入れました。アメリカのゲームソフトはオリジナリティに溢れ、刺激的。英語と格闘しながら日夜楽しんでいました。アップル仲間には医師、翻訳家、放送作家等、ユニークな人たちが多く、ゲーム攻略本などなかったので「ウィザードリィ」で地下何階まで進んだかなんていう情報は仲間に教えてもらったり、教えてくれなったり、そんなやりとりが楽しかった。

初代Macintosh 128Kは日本語が使えず、しばらく様子を見て Macintosh SE を買いました。MacDraw というグラフィックソフトに図版と文章を並べて会報を作ったり ImageWriter というモノクロのドットインパクトプリンタと組み合わせて「印刷機」として使ってました。わたしにとって Macintosh はなにかを創るための道具だったのです。

今はアップルの株価が高値を更新中のようですが、過去「アップルが○○に買収されるらしい」という噂を何度耳にしたことやら。この先もアップルが順調に発展するという保証はありませんが、今後も世界をアッと言わせる素晴らしい製品を作り出してくれることを願っています。

お勧め度:★★★★☆

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