学問・資格

2017年8月10日 (木)

新全訳古語辞典 (大修館書店)

新全訳古語辞典
新全訳古語辞典 』 は、先日の京都観世会館で行われた林定期能の際に、事務所でいただいてきた会報誌8月号に紹介記事が載っていたのを見て買ってしまいました。

古語辞典を持つのなんて高校以来でしょうか。あいうえお順に古い言葉の意味が並んでいるものだとばかり思っていたら、いまはちがうんですね。付録が充実しています。

雑誌じゃあるまいし、付録なんて。と思いますよね。でも、ほんとです。

付録1:名歌名句事典
付録2:古語ウォーキング事典
付録3:古典文学事典

能には和歌もよく出てくるから付録1は重宝しそう。三条大橋から日本橋までの東海道の宿場ごとにコラムがあって古語にまつわるあれこれがわかってしまう付録2。古事記に始まり、伝奇物語は「竹取物語」、歌物語は「伊勢物語」「大和物語」、日記・紀行は「土佐日記」「蜻蛉日記」など全体を見渡すことができる古典文学MAPと古典人物MAP。

「引く」だけの辞典ではなく「読む」「見る」「知る」楽しみのある辞典です。

お勧め度:★★★★★

2017年8月 5日 (土)

量子コンピュータが人工知能を加速する (西森秀稔、大関真之)

量子コンピュータが人工知能を加速する
量子コンピュータが人工知能を加速する 』といわれても、この本を読んだだけでは動作原理などさっぱり理解できません。「量子アニーリング」で動作するカナダD-Wave社の量子コンピュータは、従来のスーパーコンピュータの1億倍の計算速度を発揮することがあるというだけでビックリして、本を読んでみようと思った次第です。

2進数で計算する従来型コンピュータの処理速度向上に限界が見えてきたところで現れた救世主が量子コンピュータ。理論から商用マシンを作り上げたD-Waveはすごい。大きな筐体はチップを絶対零度に保つための冷凍庫で、消費電力は従来のスパコンより少ないとか。まだ汎用的ではないものの、配送トラックの最適ルート決定とか、リスクの少ない金融ポートフォリオ設計とか、人工知能の機械学習とか、現状でも適用できる分野はあって、これまで3年かかった暗号の解読が1秒で済んでしまうと、世の中は否応なく変わっていくでしょう。SF小説に登場するコンピュータも変わらざるを得ませんね。

理論を作り上げたのは日本人なのに、商用化したのはカナダ人というのが歯がゆい。経済産業省はなにをやっとる。大学とベンチャーの間を取り持たなくちゃ。(がんばってね!)

お勧め度:★★★☆☆

2016年6月27日 (月)

先生、子リスたちがイタチを攻撃しています! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学 (小林朋道)

先生、子リスたちがイタチを攻撃しています! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学
先生、子リスたちがイタチを攻撃しています! 』は「鳥取環境大学の森の人間動物行動学」シリーズ第3弾。

1. イタチを撃退するシマリスの子どもたち!
2. 張りぼての威厳をかけたヤモリとの真夜中の決闘
3. アカハライモリの子どもを探しつづけた深夜の1ヶ月
4. ミニ地球を破壊する巨大(?)カヤネズミ
5. この下には何か物凄いエネルギーをもった生命体がいる!
6. ヒヨドリは飛んでいった

まだ目も開かないシマリスの赤ちゃんたちが、親の居ない間に敵に襲われないようにする知恵。頭で考えたわけでなく、本能として備わったもの。生き残ろうとするエネルギーってすごい!

人間も見習わないといけないと思うこともしばしばです。

お勧め度:★★★★☆

2016年6月25日 (土)

先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学 (小林朋道)

先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学
先生、シマリスがヘビの頭をかじっています! 』は「鳥取環境大学の森の人間動物行動学」第2弾。

1. イノシシ捕獲大作戦
2. 駅前広場にヤギを放しませんか?
3. 駅前に残された”ニオイづけ”はタヌキの溜め糞?
4. 餌は目で、ヘビはニオイで察知するヤギ部のヤギコ
5. 飼育箱を脱走して90日間生きぬいたヘビの話
6. シマリスは、ヘビの頭をかじる
7. イモリ、1500メートルの高山を行く
8. ナガレホトケドジョウを求めて谷を登る懲りない狩猟採集人
9. 1万円札をプレゼントしてくれたアカネズミ
10. 野外実習の学生たちを”串刺し”に走りぬけていった雌雄のテン
11. 自分で主人を選んだイヌとネコ

8章にて、ワシントン医科大学の臨床心理学者であり、無類の釣り好きとして知られているポール・クイネット氏が、著書『パブロフの鱒』に書いた文章を引用します。
悲観主義者からみてフィッシャーマンが狂っているとしか思えないとしたら、それは、我々が不確実性に立ち向かい、失敗をくりかえしながらも、楽天性を失わずにいるからだ。フィッシャーマンは、9日間1匹も釣れなかったとしても、10日目の朝になるとまた水辺へ進撃を開始する。これこそ、希望が経験に対して偉大なる勝利を収めたことの証でなくてなんだろう。そしてこれこそが、人間の魂の最良の部分でないだろうか。
ドリカムの『何度でも』の世界ですね。たしかにこれが人間の進歩の原動力かもしれません。

お勧め度:★★★★☆

2016年6月23日 (木)

先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 「鳥取環境大学」の森の人間動物行動学 (小林朋道)

先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学
先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学 』は、自然豊かな大学で起こる動物事件を、小林先生が人間動物行動学の視点で愉快に描きます。先生の研究室は、周囲から「アナザーワールド」と呼ばれているとか。よほど変わり者の先生なのでしょう。面白そう!

1. 巨大コウモリが廊下を飛んでいます!
2. ヘビが逃げた! ハムスターも逃げた!
3. イモリを採取していてヤツメウナギを捕獲したTくん
4. 大学林で母アナグマに襲われた?話
5. 無人島で一人ぼっちで暮らす野生の雌ジカ
6. ヒミズを食べたヘビが、体に穴をあけて死んでいたのはなぜか
7. 化石に棲むアリ
8. 動物を”仲間”と感じる瞬間
9. カキの種をまくタヌキの話
10. 飛べないハト、ホバのこと

第6章「ジムグリ殺害事件」では「ジムグリ(蛇)が、その場所で、あるいはその場所の近くでヒミズ(モグラの仲間)を襲って飲み込んだのだろう」という状況で「そしてその後、何が起こったのだろう。なぜジムグリは死んだのだろう。ジムグリの体にはなぜ穴があいていたのだろう」という謎が残る。「人間という動物は「因果関係を把握しよう」という強い欲求を持っている」と感じる。そうか。だから、推理小説がウケるのか。

人間相手に疲れたとき、動物との交流に癒されます。人間の脳の癖についても豆知識がついてくるからお得です。

お勧め度:★★★★☆