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2019年7月

2019年7月 7日 (日)

渦 妹背山婦女庭訓 魂結び (大島真寿美)

渦 妹背山婦女庭訓 魂結び
渦 妹背山婦女庭訓 魂結び 』は「妹背山婦女庭訓」や「本朝廿四孝」などを書いた人形浄瑠璃作者、近松半二の生涯を描いた小説と聞いては読まねばなりますまい。

・硯
・廻り舞台
・あをによし
・人形遣い
・雪月花
・渦
・妹背山
・婦女庭訓
・三千世界

「妹背山婦女庭訓」の2段目から4段目は見たことがあります。最初は蘇我入鹿が帝位を簒奪しようと目論んでいたのに、気がつくと田舎娘のお三輪が出てきて落差にびっくりしました。でも、それも本書を読んで「なるほどー」と納得しました。お三輪のモデルがいたんですね。

この小説「渦」は、わたしの感覚からすると破天荒なストーリー展開の「妹背山婦女庭訓」が書かれた背景を見事に描いています。人形浄瑠璃ファン必読です!

いちばんよかったのは「雪月花」。半二が嫁取りしたお話です。最後に、お三輪の独白が入ってきますが、半二に作られたキャラクターが浄瑠璃だけでなく歌舞伎でも演じられ、ひとり歩きを始めた証拠。すごくよくわかります。

近松半二いわく「まったくこの世は狂言やな。それぞれが、それぞれの役回りを背負って動いている。いや、動かされているのかもわからんけどな。」

ラストで「柝の音が聞こえた」っていいなーすごく手の込んだ小説です。

お勧め度:★★★★★

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