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2018年12月30日 (日)

嘘の木 (フランシス・ハーディング)

嘘の木

嘘の木 』は、有名な博物学者で牧師のサンダースの逃避行先ヴェイン島での不慮の死にまつわる物語。14歳の娘フェイスは父を尊敬し慕っているのですが、父は研究にしか興味がなく、いつも無表情でフェイスとの会話もほとんどありません。

タイトルになっている" The Lie Tree"とは、木に嘘を聞かせ、それを広めると実をつけ、それを食べると嘘に関連する正夢を見るという不思議な植物。その「嘘の木」をめぐって人の欲が争いを生み、周囲を不幸に巻き込んでいきます。

父の死に疑問を持ち、死因を明らかにしようと孤軍奮闘する様は健気ですが、父にしろ娘にしろ「嘘の木」の生態に疑問を持ちつつも「利用」することを優先します。それがすべての過ちのはじまりだというのに...。

読み進めるうちにどんどん引き込まれて、やめたくてもやめられなくなって、今年読んだ小説のなかでいちばん怖かった。翻訳も秀逸です。

お勧め度:★★★★★

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