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2018年11月 5日 (月)

本のエンドロール (安藤祐介)

本のエンドロール

本のエンドロール 』 は、本を印刷、製本する過程を紹介する本だと思っていたら、小説だったんですね。印刷会社の営業担当・浦本学が主人公の、お仕事小説です。

1. スロウスタート
2. 長篠の風
3. ペーパーバック・ライター
4. サイバー・ドラッグ
5. 本の宝箱

しかし、この主人公が、あえてそういうキャラにしてあるのは理解できるのですが、仕事ができない上に、とんでもないお人好しなのです。自分の力でなんとかしようとするのは立派ですが、自分で責任を持てないなら上司や先輩を巻き込むべきです。それなのに取引先と勝手に盛り上がって事後承諾になるから上司はたまりません。それでも許されるのですから、この印刷会社は「夢のような職場」です。

わたしにとっては非常にストレスの溜まる一冊でしたが、電子書籍の台頭と、ほんとうに印刷業界は斜陽産業なのかについては興味がありました。電子書籍の普及は価格がネックだと思います。AmazonのKindle本を見る限り、紙の本より若干安いだけ。印刷も流通も不要なのだから、もっと安くできるのにしない。安くすると紙の本が売れなくなるから出版社も安くしない。1,500円の新刊単行本を買って、古本として700円で売れれば、実質800円で読めたことになります。一方の電子書籍は再販できないので、明らかに値付けが高すぎます。価格が納得できないものは買いません。

また、作中でも触れてありましたが、わたしは紙の本で育ったので、紙に馴染んでいますし愛着があります。でも、幼い頃からタブレットで本を読む世代が育てば、また変わってくるのでしょう。22世紀には、印刷は過去の技術になっているかもしれません。

お勧め度:★★★☆☆

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