« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年10月

2018年10月30日 (火)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (白川紺子)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)

下鴨アンティーク アリスと紫式部 』 は、旧華族である野々宮家の娘・鹿乃が主人公。彼女は祖母から受け継いだ着物を愛用しているのですが、その着物は次々と不思議なことが起こります。

ずぼらなイケメン兄・良鷹と、大学准教授の下宿人・慧と3人暮らし。鹿乃は小学生の頃から慧を知っていて現在高校3年。京都を舞台に、ありえない不思議とほのかな恋物語を紡ぎます。

1. アリスと紫式部
2. 牡丹と薔薇のソネット
3. 星月夜

京都を舞台にした小説が好き。「あ、これは出町ふたばだな」「岡崎で能を見るなら京都観世会館だろうな」とか。演目は「熊野」と「石橋」かぁ。知っている場所が出てくるとうれしい。気軽に読めるので気に入ったのですが、外で読むには少女チックな表紙がちょっと恥ずかしい。

お勧め度:★★★☆☆

2018年10月26日 (金)

踊れぬ天使 佳代のキッチン (原宏一)

踊れぬ天使 佳代のキッチン
踊れぬ天使 』は「佳代のキッチン」シリーズ第3弾。

おいしいものと旅の風景を両方味わうことができるので、このシリーズは大好きです。今回は韓国から始まるから驚いのですが、釜山で「移動調理屋」をするわけではなく、観光旅行でした。

1. おみちょの涙
2. チャバラの男
3. ロングライド・ラブ
4. 踊れぬ天使
5. モンクス・ドリーム
6. カフカの娘

1話の「おみちょ」は金沢の近江町市場のこと。行きました。寒い時期だったのでカニだらけでした。高くて手が出なかったけれど。2話は藤枝市の茶畑が舞台。3話は佐渡島の自転車イベント、ロングライド。4話は群馬県大泉町のブラジル人との交流。5話は山形市でジャズピアノを聴きます。6話はついに稚内へ。しかも礼文島にも渡っちゃいます。いいなぁ、羨ましい。ぼくも稚内に行きたい!

ブラジル料理は想像できませんでしたが、あとは美味しそう。今後も期待しています。

お勧め度:★★★★★

2018年10月24日 (水)

雪の断章 (佐々木丸美)

雪の断章 (創元推理文庫)

雪の断章』は『ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ 』で紹介されていたので鶴舞図書館で昭和50年の初版本を借りてきました。これ、活版印刷じゃないですか。

孤児の少女・飛鳥が、札幌中央通り公園で滝杷祐也に拾われ、養育され、大学進学を果たすまでの成長記であり、心の遍歴を記した物語です。ミステリーとしての殺人事件も起きますが、主眼はあくまで飛鳥の精神に置かれています。

飛鳥は5歳で孤児院から本岡家に引き取られ、そこで使用人以下の虐めに納得できず逃げ出したところを滝杷祐也と出会い、事情を聞いた彼は本岡家に電話するも「放り出していい」と言われ、やむなく自宅に泊めることにしたのですが...。

あとがきによると「飛鳥を生んだのは雪であり、少女へ、大人へと育てたのは美しい吹雪でした」。だから「雪の断章」なのですね。

思ったより面白かった。わたしは初めて知ったのですが、高校生くらいに読むといいかもしれません。

お勧め度:★★★★★

2018年10月22日 (月)

昭和天皇のお食事 (渡辺誠)

昭和天皇のお食事 (文春文庫)
昭和天皇のお食事 』は『ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ 』の冒頭で紹介されていたのを見て、即、ネットから名古屋市図書館で予約したのです。

が、実際に紹介されていたのは『昭和天皇のお食事 』(板垣 信久、小西 千鶴著)でした。こちらは名古屋市図書館は所蔵しておらず、思わず同名の表記の本を借りたのでした。調べて見ると愛知県内の図書館にはなくて、国会図書館(東京、大阪)か岐阜県図書館にあります。買うには高いので借りたいけれど、岐阜県図書館では借りることができません。困ったな。

でも、この本も面白かった。昭和天皇がなにを食べているのかなんて知りませんでしたから。ホテルのフランス料理人だった著者が皇居の大膳に勤めることになり、それまではコストとスピード優先だったのが、食材の無駄よりも料理の完成度を求めることに戸惑い、ひととおりのことが叱られずにできるのようになるのに2年を要したといいます。

宮家は国賓も招くわけですから、さぞかし贅沢をしているように思ったのですが、そうではなく、鰻の蒲焼がお好きだったとか、高級フランス料理ばかり食べていたわけではないよう、すこし親近感をおぼえました。作中にもありますが、内外の賓客の接待のために昼も夜もフォアグラではつらいでしょう。そういうものはたまに食べるから美味しいわけで、ふだんはごはんと味噌汁がいちばん。好きなときに、好きなものを食べられるという意味では庶民のほうが幸せです。

また、今上天皇や皇太子殿下ではまた料理の出し方も変わってきているようで興味深いです。料理は人の身体をつくり、人を幸せにします。宮家の健康を背負っているという自負がつよく伝わってきます。大林宣彦のあとがき「解説にかえて」が泣けました。

お勧め度:★★★★☆

2018年10月19日 (金)

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (三上延)

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ (メディアワークス文庫)

ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子と不思議な客人たち~ 』は、シリーズ第8弾。

1. 北原白秋 与田準一編 『からたちの花 北原白秋童謡集』(新潮社)
2. 俺と母さんの思い出の本
3. 佐々木丸美『雪の断章』(講談社)
4. 内田百間『王様の背中』(楽浪書院)

前作で栞子と大輔が結婚することになり、一区切りついたのですが、今度はふたりの娘・扉子を加えて続きます。6歳の扉子は母親に似て本が大好きで勘が鋭い。店の売り物の本を読んではいけないと言われているのに我慢できず、隅っこに隠れて本に没頭しているような女の子。母親としては、もっと友達と遊ぶとかしたほうがいいのに、と心配なようです。

次作での扉子の活躍が楽しみです。

お勧め度:★★★★★

2018年10月16日 (火)

闇の虹水晶 (乾石智子)

闇の虹水晶 (創元推理文庫)

闇の虹水晶 』 は、人の感情や病気などの「気」から石を作り出す力を持つ創石師ナイトゥルが主人公。彼は「その力、使えばおのれが滅び、使わねば国が滅びよう」という呪いを受けています。家族を殺した敵国に仕えることになったナイトゥルは...。

本格ファンタジーと言われるだけあって、読むのにパワーが要ります。それでも時々読みたくなるのです。

お勧め度:★★★☆☆

2018年10月13日 (土)

星をつなぐ手 桜風堂ものがたり (村山早紀)

星をつなぐ手 桜風堂ものがたり

星をつなぐ手』は『桜風堂ものがたり 』の続編。前作を読んでからお楽しみください。

序章 白百合の花
第一話 夏の終わりの朝に
 幕間1 カーテンの向こう
第二話 遠いお伽話
 幕間2 ケンタウロスとお茶を
第三話 人魚姫
 幕間3 Let it be
 幕間4 神様の手
終章 星をつなぐ手

冒頭、人気作の新刊が一冊も届かないと知った月原一整は慌てます。そこへ銀河堂書店のオーナーから呼び出しを受けて...。

欠けている部分に、あたかも用意されていたかのようにピースがハマっていくストーリー。予想外の展開はないから安心して読むことができます。誰かが怪我したり傷ついたりするんじゃないかとドキドキ、ハラハラするのは心臓に悪いという方には、お伽話のように沁みると思います。

お勧め度:★★★★★

2018年10月 8日 (月)

名古屋で文楽 義経千本桜(道行初音旅) 新版歌祭文(野崎村の段) を観てきました

2018年10月5日に名古屋市芸術創造センターで行われた文楽公演(夜の部)を観てきました。

中日文楽がなくなって、わたしが知る限り、名古屋市での文楽公演はここだけになりました。そのおかげで満員御礼。2階席のうしろのほうなので舞台が遠いけれど、双眼鏡持参なのでダイジョーブ。

B1

「義経千本桜」は初めて。舞台背景は桜が満開です。「道行初音旅」って有名らしいけれど、どんなものかと思ったら、艶やかで賑やかなミュージカルでした。(笑)

静御前は勇ましいイメージがあったけれど、ここではお姫様。静御前がもつ初音の鼓にされた両親を追ってきた小狐が(って、そうそう、そういう話がありましたっけ)義経の忠臣・佐藤忠信に化けて、義経がいる吉野山へ向かうのでした。

太夫3人が登場人物を謡い分け、三味線カルテットが盛り上げます。舞台左手に字幕装置が立っていますが、ストーリーはどうでもよくて、謡と人形と三味線の世界を楽しみます。途中、静御前が投げた扇を、佐藤忠信がパッと受け取るシーンがあり「え?」。一瞬、なにが起こったのかわからず「おぉ、すごーい。サーカスみたい!」。文楽って時々サプライズがあって楽しい。

B2

15分の休憩をはさんで「新版歌祭文」は「野崎村の段」。床はいつもの太夫と三味線ひとりずつに戻って「あぁ、これだ」。太夫が複数の登場人物のセリフを謡い分けます。

久松とふたりの娘の義理と愛情の駆け引き。丁稚奉公先の油屋のお嬢さん・お染めと、義父・久作の娘・おみつ。久作が久松とおみつの祝言を挙げさせようとしているところにお染めが現れ、おみつが邪険に追い払おうとするのですが、席を外した隙にふたりが会ってしまい...。

いちばんうしろの席から観ていて「やっぱり(能よりも)文楽のほうが人気があるんだな」。能がいちばん地味で、文楽より派手なのが歌舞伎。文楽は面白いけれど、目のやり場に困ります。字幕を見ていると舞台が見れない。床を見ても人形から目が離れる。とかく疲れます。字幕を頼らないのが理想なのですが、そのためには同じ演目の2回目以降でないとむずかしい。

名古屋では、能は毎月なにかしら舞台があるけれど、文楽は年に一度。大阪の国立文楽劇場まで足を伸ばせばチャンスが増えるけれど、あそこの椅子はお尻が痛い。普段は能、たまに文楽、いつかは見たい御園座歌舞伎ってね!

2018年10月 5日 (金)

花だより みをつくし料理帖 特別巻 (高田郁)

花だより みをつくし料理帖 特別巻
花だより』は「みをつくし料理帖」シリーズ完結後の後日譚。澪が大坂に戻ったあとの物語。うれしくて即購入しました。

1. 花だよりー愛し浅蜊佃煮
2. 涼風ありーその名は岡太夫
3. 秋燕ー明日の唐汁
4. 月の船を漕ぐー病知らず
 巻末付録:澪の料理帖
 特別付録:みをつくし瓦版

1話目は江戸のつる家の店主・種市が大坂の澪に会いに行くと言い出し、2話目は、御膳奉行・小野寺数馬が娶った乙緒視点。3話目はあさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たした野江。4話目が澪と源斉夫婦の奮闘を描きます。

やっぱり「みをつくし料理帖」は善いなぁ。ありがとうございました!

お勧め度:★★★★★

2018年10月 1日 (月)

師弟の祈り 僕僕先生: 旅路の果てに (仁木英之)

師弟の祈り 僕僕先生: 旅路の果てに

師弟の祈り』は「僕僕先生シリーズ」完結編。美少女仙人・僕僕先生と王弁の長かった旅も終わろうとしています。

神は人を滅ぼそうとします。それは天地創造後の黄炎大戦のように、まさにこの世の終わり。僕僕先生と王弁はどう立ち向かうのでしょうか!?

そのふたりは仲良しでいい雰囲気なのです。王弁も慌てないし、僕僕先生も照れ隠しをしません。かつての旅の仲間もふたりの変わりように気づいて、驚くと同時に祝福してくれます。

しかし、人の世は争いや滅びと無縁ではいられないようで悲しくなります。お気に入りのシリーズが完結して嬉しい反面、寂しい。

お勧め度:★★★★★

« 2018年9月 | トップページ | 2018年11月 »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ