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2018年9月

2018年9月20日 (木)

料理人の光 ヤッさんIV (原宏一)

料理人の光 ヤッさんIV

料理人の光 ヤッさんIV 』 はシリーズ第4弾。前作からずいぶん時間が経っていますが、個性的なヤッさんは忘れようがありません。

築地市場は移転騒動中なので、ヤッさんは足立市場に現れたようです。

・河川敷食堂
・寮姉の献立
・タケ坊の道
・料理人の光
・日向灘の恋
・旅立つ舌

「ヤッさんシリーズ」ファンの方であれば、安心して読むことができるのでオススメです。

お勧め度:★★★☆☆

2018年9月15日 (土)

プラネタリウムの外側 (早瀬耕)

プラネタリウムの外側 (ハヤカワ文庫JA)

プラネタリウムの外側 』は『グリフォンズ・ガーデン 』の後日譚にあたる連作小説です。理系世界の恋愛小説というのは、文系のわたしには刺激的なのです。

北海道大学にある有機素子コンピュータでチューリングテストの研究を行うという名目で、じつは出会い系サイトで稼いでいる南雲助教のもとへ工学部2年の佐伯衣理奈がやってきます。彼女は元恋人の川原圭が札幌駅で列車に轢かれて死んだのは自殺ではないと確かめるため、有機素子コンピュータで会話プログラムを開発して川原圭の行動をシミュレートしようというのです。

有機素子コンピュータは、同じパラメータを設定しても解が一意にならないので、人間の会話プログラムを組みにはうってつけ。チューリングテストでは、ある人が、2台のコンピュータにテキスト入力して会話を行い、一方が人間、もう一方がコンピュータの会話プログラムが相手をします。どちらが人間なのか区別できなければ、そのコンピュータは知性を持っているといえるというもの。今でいうAI、人工知能の開発です。

出会い系サイトの「さくら」の補助システムとして開発を始めて、徐々にコンピュータに直接、人間(客)の相手をさせるようになっていきます。IDの盗用を防ぐため、登録したApple Watchをはめているときだけログインできるなど、コンピュータ好きには興味深い小説です。

前作同様、現実と仮想現実が交錯するなかで、物語は進んでいきます。さて、南雲助教が手がける会話プログラムはどこまで行くでしょうか。興味のある方はぜひご一読を! 前作を読んでいなくても楽しめます。

お勧め度:★★★★★

2018年9月10日 (月)

下町ロケット ゴースト(池井戸潤)

下町ロケット ゴースト

下町ロケット ゴースト 』は、シリーズ第3弾。

ロケットエンジンのバルブ、人工心臓の弁、そして今回は(耕運機の)トランスミッションのバルブ。なのですが、ピンチに陥るのは佃製作所ではなく、創業5年のベンチャー企業「ギアゴースト」。縁あって佃はギアゴーストに手を差し伸べることになるのですが...。

冒頭、佃製作所では耕運機のエンジンの改良が進み、納入先に採用を打診するのですが、これがピンと来ません。自家用車であればともかく、5%の燃費改善と言われてもピントがずれているような気がします。佃社長らしくない。

たしかに池井戸潤ではあるのですが、どうもキレがありません。これでは「下町ロケット」が墜落してしまいそう。

後編「ヤタガラス」に期待しています。

お勧め度:★★★☆☆

2018年9月 4日 (火)

フォー・ディア・ライフ (柴田よしき)

フォー・ディア・ライフ (講談社文庫)

フォー・ディア・ライフ 』は、探偵「花咲慎一郎シリーズ」の第1弾。『風のベーコンサンド 高原カフェ日誌 』といっしょに図書館で借りてきました。

新宿2丁目の無認可保育園の園長である花咲の前職は警官、しかもマル暴。いまでは園長として子供たちの面倒をみることが天職だと思っているのですが、とにかく金がない。金を稼ぐために探偵として、アブナイ仕事も受けるわけで...。

そういえば、このまえ黒川博之の「疫病神シリーズ」を読んだっけ。最近ヤクザものが多いなぁ。ただ「疫病神」よりは「花咲慎一郎」は救いがあります。金は欲しいけれど、心根の優しい男は、人として(カタギとして?)筋は通すのです。

家出人探しをしているうちに、とんでもない事件に巻き込まれていくわけですが、みんな丸く収まることを願わずにはいられません。

お勧め度:★★★☆☆

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