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2018年7月 5日 (木)

土漠の花 (月村了衛)

土漠の花 (幻冬舎文庫)

土漠の花 』は、自衛隊の海外派遣を舞台にした物語。東アフリカのソマリア沖海賊の対策部隊派遣に伴い、ジブチの基地の警護と基地管理を担ったのが陸上自衛隊第一空挺団という設定のようです。そこへ多国籍軍のヘリが墜落した可能性があるので、その探索の依頼を受けて出動した先で、武装勢力の襲撃に遭い、隊長は無残にも殺され、ひとりの現地女性を救っての決死の脱出行が始まるのです。

冒頭から容赦ない殺し合い(戦争)に巻き込まれます。心臓の弱い人はやめたほうがいい。内戦状態の国へ派遣されたら「安全な場所」などないということがわかります。クルマが使えない状況で、基地までたどり着くことができるのか。無線さえあれば基地に救援依頼できるのに...。

絶望的な状況が続きますが「死んでたまるか」という根性を見せてくれます。隊員同士の確執や自衛隊内の暴力、自殺などについても語られ「そこはフィクションであってほしい」と思いつつ「ほんとにあるのかも」。暴力は嫌いです。だけど、そんなことを言ってたら殺される。

残酷なシーンは怖いので飛ばし読みしつつ、なんとか読了。予想どおり「犠牲者は救助活動中の事故死。戦闘はなかった」という「政治的配慮」がされて闇に葬られます。肝心なところでマスコミは無力です。

お勧め度:★★★★☆

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