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2018年4月 4日 (水)

図書館島 (ソフィア・サマター)

図書館島 (海外文学セレクション)
図書館島』は、紅茶諸島の富農の家に生まれたジェヴィックが、家庭教師ルンレの影響で首都ベインへ赴き、運命に翻弄される物語。2段組で350ページの長編小説は読み応えがあります。語り伝える声を重んじ、文字を持たない紅茶諸島から、文字を本(ヴァロン)として残し伝える文化を持つ国への旅は、ジェヴィックにとって大きなギャップだと思うのですが、彼は憑かれたように(危険さえ顧みずに)突き進んでいくのです。

作者の筆は、登場人物の様子や内面はもちろん、その土地の自然、文化、風俗、習慣、言い伝え、信仰など、事細かに書き込んでいきます。ただ、細かいだけに「槍をつくって魚とウナギを捕る」なんて書いてあると「槍でウナギは無理じゃない?」とツッコミたくなることもあります。

そうして情報の波に翻弄されていると、さりげなくストーリーが先に進んでて慌てる、のくりかえし。これは一度読んだだけでは消化しきれません。

ジェヴィック人生最大の出会いが、ベインへの船上でであった少女ジサヴェト。彼女は不治の病に冒され、一縷の望みをつないでベインの東の果てまで母親と旅しているのです。彼女と再会したとき、ジェヴィックは…。

「図書館島」というタイトルから『図書館の魔女 』のような展開を期待したのですが、図書館が舞台の物語ではありませんでした。原題は"A STRANGER IN OLONDRIA"。「オロンドリアの旅人」とでもいうのでしょうか。そのほうがしっくりきます。

お勧め度:★★★★☆

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