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2018年4月

2018年4月30日 (月)

気まぐれな夜食カフェ カフェ - マカン・マラン みたび (古内一絵)

きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび (単行本)
きまぐれな夜食カフェ - マカン・マラン みたび』は、わたしの大好きなシリーズの第3弾。美味しいだけでなく、身体にも心にも優しいのがうれしい。

この本を読んでいると、毎日の食事を見直すきっかけにもなります。珈琲に入れる砂糖を減らそう、とか。

1. 妬みの苺シロップ
2. 薮入りのジュンサイ冷や麦
3. 風と火のスープカレー
4. クリスマスのタルト・タタン

1話目は、家電メーカーのコールセンターのオペレーターが、ネットでなんでもかんでもこき下ろす(ディスる)サイトを開いていて...。と、じつにイタい人物が登場して、読者としてはテンションが下がるのですが、なぜかやめられずに最後まで読んでしまう。なんなのでしょう。これが作者の筆力なのでしょうか。あるいはシャールの力?

シャールには長生きしてもらわないといけませんね!

お勧め度:★★★★★

2018年4月28日 (土)

お伊勢まいり 新・御宿かわせみ (平岩弓枝)

お伊勢まいり 新・御宿かわせみ
お伊勢まいり 』は久々に読ませてもらった「新・御宿かわせみ」の続編です。

「かわせみ」の台風被害を修理する間、伊勢まいりに誘われたるい。十数人で東海道を西へ進むうち事件が起きて...。

やはりそうですよね。和気藹々と旅を楽しみ、お伊勢さんにお参りする様子だけが描かれるなんてありえないのですね。期待したわたしが愚かでした。

誰も死なない(そして面白い)時代小説が読みたい!

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月26日 (木)

田園発 港行き自転車 上・下 (宮崎輝)

田園発 港行き自転車 上 (集英社文庫)
田園発 港行き自転車 』は、東京、富山、京都、金沢を舞台にした「血縁」の物語。とくに富山の立山連峰、黒部川とその河口に広がる風景がすばらしい。一度行ってみたくなりました。

ただ「田園」というとイギリスやドイツの郊外にひろがる、緑に覆われた丘陵を想像します。日本のたんぼを田園と言われてもピンと来ません。それもあって富山に行って確かめてみたいのです。

さて、絵本作家・賀川真帆の父は15年前に富山の滑川駅で亡くなりました。九州へ出張に行っていたはずの父親がなぜひとりで富山にいたのか。これはどう考えても女絡みでしょう。

自然は厳しくも美しいのだけれど、人は愚かで哀しい。忠臣蔵と同じです。愚かな殿様のせいで藩士と家族は路頭に迷い、父親の愚かな行為は家族を苦しめ、皆の人生を狂わせていく。くどいくらいにおなじ場面を異なる人物の視点で語るなかで、すこしずつ謎が解けていきます。人物描写は秀逸です。ただ、口が軽すぎる。

小説では、人間の愚行も過去のものとして肯定的に描いていますが、わたしは納得できません。

お勧め度:★★☆☆☆

2018年4月24日 (火)

AI スピーカー "Amazon Echo" のある音楽生活

2017年11月、Amazon Echo が8千円ほどで招待販売されていたので申し込んでみました。1月になってようやく順番が回ってきたときには興味が薄れていたので次男に贈りました。ただ、彼はAmazon Prime会員ではないので音楽を聴くこともできず、繰り返し加入を勧められるのに閉口しているというので3月になって引き取ったのです。

箱から取り出すと、高さ15cm、直径9cmほどの円筒で、上部にスイッチが4つ、ACアダプターとヘッドフォンジャックが付いているだけのシンプルな構造。セットアップには iPhone (iOS) 用の専用アプリ " Amazon Alexa" をダウンロードして「設定」「新しいデバイスをセットアップ」するのですが、何度やっても Wi-Fi 接続ができずに苦戦。

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諦めかけたところでようやく Wi-Fi 接続できて「アレクサ、最新のJ-POPをかけて」。おぉ、言うことを聞いたぞ。実際には反応するキーワードは限られているし、Prime Musicでは「ビートルズのレットイットビーという楽曲は Amazon Music Unlimited にあります。興味がありますか?」と有料サービスを提案してくるけれど、別のプレイリストの中で再生されました。Alexaの楽曲検索はお粗末です。「山下達郎の楽曲は見当たりません」というので、Unlimited の30日間無料体験を申し込んでもダメなものはダメ。4000万曲あるといわれてもピンと来ません。実際にちがいを検索(実感)できるようにしてくれないと誇大広告です。あれこれ試してみましたが、わたしの嗜好であれば100万曲のPrime Musicで十分です。

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Amazon Echo の第一印象は「しゃべる茶筒」「音楽の缶詰」。(笑)

これはキッチンに置きたい。手がふさがっている場所では声で指示できるのが便利です。あとは運転しているクルマの中ですね。自分の部屋のパソコンの隣に置いていたのでは、PC外付けアンプとスピーカーを通したほうが音がいい。Echoの音質も悪くはないのですが、デジタルオーディオ特有の低音を強調したものなので、あまり好きではありません。

音楽を聴いていて困るのが曲名が知りたいときと、再生リストが見たいとき。「曲名を教えて」といえば教えてくれるけれど、いちいち訊くのが煩わしい。だから、スマホで再生リストを見ながら曲を選ぶことが増えます。これならAlexaは必要ない。

また、アルバムを再生中に「8曲目をかけて」をわかってくれない。「スキップ」を7回繰り返さないといけないことに閉口します。Alexaはまだまだお馬鹿です。それでも「音楽の缶詰」ですから、BOSTONとかKANSASとかCHICAGOとか、懐かしい曲が再生されるとうれしくなります。ビートルズだけでなくカーペンターズやポールサイモンもある。ダイアナ・クラールの "Wallflower" もうれしい。あ、チューリップはあまりに懐かしくて泣きそうになった。Prime Music とか Unlimited とか気にするより、曲が見つからないことを嘆くより、偶然見つかった曲を楽しむのがよいと思います。

AlexaとのやりとりはCloud上に記録されるようで、随時改良が加えられているとか。つまり、わたしがAlexaになにを命じたかはすべて筒抜け。「行ってきます」と言ったら自宅は留守になることがネットに筒抜けなんてぞっとしません。AmazonのCloudがハックされないという保証はないのです。

Amazonがやろうと思えば、全ユーザーを「盗聴」できるわけです。内緒話をするときは Amazon Echo の電源を抜きましょう。Echoを通じて銀行残高を問い合わせるなんて論外。Echoに個人情報は聞かせたくありません。IoT でホームシステムもいいけれど、ハックされるリスクがあります。

AIスピーカーを「お馬鹿だね」と笑っていられるうちはオモチャとして遊べます。ロボット化など、進歩の過程を楽しませてもらいます。

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月23日 (月)

ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや (坂井希久子)

ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや (ハルキ文庫 さ 19-3 時代小説文庫)
ほかほか蕗ご飯』は「居酒屋ぜんや」シリーズ第1弾。「人が死なない時代小説」を探して、美味しいものを食べさせる話だったら大丈夫、じゃないかなぁ。

武家の次男坊・林只次郎が主人公ですが、堅苦しい武家よりも商人になりたい願望の持ち主。鶯が上手に鳴くよう躾けることを生業として家計を助けています。その只次郎が知人に連れられて入った店が「居酒屋ぜんや」。そこの美人女将・お妙に一目惚れしてしまいます。

1. 笹鳴き
2. 六花
3. 冬の蝶
4. 梅見
5. なずなの花

父の上役から預かった、大事な鶯を逃してしまったと落ち込む只次郎。冒頭では気の毒に思ったけれど、1冊読み終わる頃には「もうすこし痛い目に遭ったほうがいいかも」と意地悪を言いたくなります。優柔不断な只次郎には共感できません。続編を読むべきか否か。

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月21日 (土)

鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 4 (今村翔吾)

鬼煙管 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)
鬼煙管 』は、 羽州ぼろ鳶組シリーズ第4弾。日経新聞夕刊の文化面でイチオシされていたので買ってみたのですが...。

1. 火車
2. 本所の銕
3. 湧く焔
4. 宵山
5. あの日の竜吐水
6. 京都怪炎
7. 隠れ鬼

なぜ長谷川平蔵(鬼平)が京都にいるのか。人の頭がいきなり燃え出すって「ガリレオかよ」。源吾と武蔵って過去になにがあったの?

事件の謎解きは奥深く、サプライズがあって面白かったけれど、やはり4巻から読んだのでは十分に楽しむことができません。1巻から読むことをお勧めします。

お勧め度:★★☆☆☆

2018年4月18日 (水)

さくら舞う―立場茶屋おりき (今井絵美子)

さくら舞う―立場茶屋おりき (角川春樹事務所 (時代小説文庫))
さくら舞う―立場茶屋おりき 』 はシリーズ第1弾。時代小説というと戦国時代であれ江戸時代であれ、人が傷つけられ、殺される場面が多くて閉口します。だから「人が死なない時代小説」を常々探しています。『御宿かわせみ』は好きだったなぁ。

そこで今回、品川宿門前町にある立場茶屋を舞台にした女主人おりきの物語はどうかと手にとってみたのです。

・さくら舞う
・涙橋
・明日くる客
・秋の別
・侘助

「じりじり舞い」「おぼおぼしい笑い」「火面を張って」「朝餉膳は山留」「降りみ降らずみだった空が」「喜撰の苑香」といった、凝った言葉が使われていて「そういう言い方もあったのか」と勉強になります。そういう意味では独自の世界観があります。

おいしい料理が出てくる人情物なのですが、主人公のおりきがちょっとカタイかな。もうすこし肩の力を抜いたほうがいいし、恋をしたほうがいい。そうすればもっと魅力的な小説になるような気がします。

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月15日 (日)

パーマネント神喜劇 (万城目学)

パーマネント神喜劇
パーマネント神喜劇 』は万城目学の新作。神様が主人公のユーモア小説です。取材されているという設定で始まったのですが...。

1. はじめの一歩
2. 当たり屋
3. トシ&シュン
4. パーマネント神喜劇

神様の世界も世知辛いようで、出世のためには信者を増やし、手柄を立てなければならないようです。そうしないと左遷されてしまう!

さて、この神様の運命や如何に?

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月11日 (水)

無限の書 (G・ウィロー・ウィルソン)

無限の書 (創元海外SF叢書)
無限の書』は、サイバーパンクとアラビアンナイトが融合したSFファンタジー小説。たしか日経夕刊の文化面でも紹介されてたと思います。23歳の反体制派ハッカー・アリフが、ネットとリアルと幽精(ジン)の世界を股にかけて悪戦苦闘するさまが面白いのです。

中東の専制国家で弾圧されてきたアリフは、アラビア人とインド人の混血のため、まっとうな職業にもつけず、ネットで抑圧された人々を守ってきました。上流階級の恋人が父親が決めた婚約者にもっていかれ、入れ替わりに渡された一冊の本がジンの言葉を綴った、本物の『千一日物語』だったので、これが騒動の始まりだったのです。果たして、その本は歴史的価値以上になにかあるのでしょうか?

ジンは人間に忘れられた都市に好んで住むらしく「最近はデトロイトが人気だ」とか、ジンといえば思い出すのが「アラジンと魔法のランプ」だったり、あちこちに散りばめられたユーモアが効いてます。アリフの言動にいらいらしていると、彼の幼馴染のダイナが「あんたは信念をもってるんじゃない。状況に流されてるだけよ」と一刀両断。スッとしました。

ジンが登場しなくても、本書はわたしにとって異世界小説。砂漠と宗教、金と強権に囲まれた国のありようは想像を超えていました。また、絶体絶命のピンチに陥ったアリフと仲間たちは一体どうなるのか。終盤は目が離せませんでした。

文句なしに面白い!
読み応えのあるエンタメ小説をお探しの方にお勧めします。

お勧め度:★★★★★

2018年4月 8日 (日)

銀河アドベンチャー Walkr 4.4 雑感

Walkr 4.4.xのアップデートは 4.4 の説明文を流用しているので、実際のアップデート内容が不明です。bug fix ならそうと書いてほしい。ただ、新たなbugが仕込まれている可能性があるので「アップデート」ボタンを押すのが怖い。

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惑星のグラフィックが変わったり、星の名前が鷹からニワトリになったり、瓜がメロンになったり、細かい変化もあります。見た目の変化はともかく、従来の「エピック」が「ストーリー」になりました。新規ユーザーは過去ログを見ても「エピックってなに?」。なぜ変えた? 一大叙事詩は大げさだったけれど、それがいきなり短編小説とは。

ずっと続けているスマホゲームは Walkr だけなので、他のゲームのことはわかりませんが、そのときの都合でどんどん付け足したり、行き当たりばったりで変えていくことに驚きます。

「ストーリー」で「実験室限定」艦隊をつくってみました。実験室のメンバーが仲間だと、一般参加者を募るよりは気心が知れていて気楽ですね。ただ、みんなリラックスしてイベントを忘れてしまうらしく、資源の寄付が集まらず苦労します。

一方、自分を知らない人たちと「ストーリー」したいときは外国船に乗り込みます。日本人観光客のいない国へ行きたい感覚と似ています。

次回、惑星が追加されるのはいつ頃でしょうか?

2018年4月 4日 (水)

図書館島 (ソフィア・サマター)

図書館島 (海外文学セレクション)
図書館島』は、紅茶諸島の富農の家に生まれたジェヴィックが、家庭教師ルンレの影響で首都ベインへ赴き、運命に翻弄される物語。2段組で350ページの長編小説は読み応えがあります。語り伝える声を重んじ、文字を持たない紅茶諸島から、文字を本(ヴァロン)として残し伝える文化を持つ国への旅は、ジェヴィックにとって大きなギャップだと思うのですが、彼は憑かれたように(危険さえ顧みずに)突き進んでいくのです。

作者の筆は、登場人物の様子や内面はもちろん、その土地の自然、文化、風俗、習慣、言い伝え、信仰など、事細かに書き込んでいきます。ただ、細かいだけに「槍をつくって魚とウナギを捕る」なんて書いてあると「槍でウナギは無理じゃない?」とツッコミたくなることもあります。

そうして情報の波に翻弄されていると、さりげなくストーリーが先に進んでて慌てる、のくりかえし。これは一度読んだだけでは消化しきれません。

ジェヴィック人生最大の出会いが、ベインへの船上でであった少女ジサヴェト。彼女は不治の病に冒され、一縷の望みをつないでベインの東の果てまで母親と旅しているのです。彼女と再会したとき、ジェヴィックは…。

「図書館島」というタイトルから『図書館の魔女 』のような展開を期待したのですが、図書館が舞台の物語ではありませんでした。原題は"A STRANGER IN OLONDRIA"。「オロンドリアの旅人」とでもいうのでしょうか。そのほうがしっくりきます。

お勧め度:★★★★☆

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