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2018年4月

2018年4月18日 (水)

さくら舞う―立場茶屋おりき (今井絵美子)

さくら舞う―立場茶屋おりき (角川春樹事務所 (時代小説文庫))
さくら舞う―立場茶屋おりき 』 はシリーズ第1弾。時代小説というと戦国時代であれ江戸時代であれ、人が傷つけられ、殺される場面が多くて閉口します。だから「人が死なない時代小説」を常々探しています。『御宿かわせみ』は好きだったなぁ。

そこで今回、品川宿門前町にある立場茶屋を舞台にした女主人おりきの物語はどうかと手にとってみたのです。

・さくら舞う
・涙橋
・明日くる客
・秋の別
・侘助

「じりじり舞い」「おぼおぼしい笑い」「火面を張って」「朝餉膳は山留」「降りみ降らずみだった空が」「喜撰の苑香」といった、凝った言葉が使われていて「そういう言い方もあったのか」と勉強になります。そういう意味では独自の世界観があります。

おいしい料理が出てくる人情物なのですが、主人公のおりきがちょっとカタイかな。もうすこし肩の力を抜いたほうがいいし、恋をしたほうがいい。そうすればもっと魅力的な小説になるような気がします。

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月15日 (日)

パーマネント神喜劇 (万城目学)

パーマネント神喜劇
パーマネント神喜劇 』は万城目学の新作。神様が主人公のユーモア小説です。取材されているという設定で始まったのですが...。

1. はじめの一歩
2. 当たり屋
3. トシ&シュン
4. パーマネント神喜劇

神様の世界も世知辛いようで、出世のためには信者を増やし、手柄を立てなければならないようです。そうしないと左遷されてしまう!

さて、この神様の運命や如何に?

お勧め度:★★★☆☆

2018年4月11日 (水)

無限の書 (G・ウィロー・ウィルソン)

無限の書 (創元海外SF叢書)
無限の書』は、サイバーパンクとアラビアンナイトが融合したSFファンタジー小説。たしか日経夕刊の文化面でも紹介されてたと思います。23歳の反体制派ハッカー・アリフが、ネットとリアルと幽精(ジン)の世界を股にかけて悪戦苦闘するさまが面白いのです。

中東の専制国家で弾圧されてきたアリフは、アラビア人とインド人の混血のため、まっとうな職業にもつけず、ネットで抑圧された人々を守ってきました。上流階級の恋人が父親が決めた婚約者にもっていかれ、入れ替わりに渡された一冊の本がジンの言葉を綴った、本物の『千一日物語』だったので、これが騒動の始まりだったのです。果たして、その本は歴史的価値以上になにかあるのでしょうか?

ジンは人間に忘れられた都市に好んで住むらしく「最近はデトロイトが人気だ」とか、ジンといえば思い出すのが「アラジンと魔法のランプ」だったり、あちこちに散りばめられたユーモアが効いてます。アリフの言動にいらいらしていると、彼の幼馴染のダイナが「あんたは信念をもってるんじゃない。状況に流されてるだけよ」と一刀両断。スッとしました。

ジンが登場しなくても、本書はわたしにとって異世界小説。砂漠と宗教、金と強権に囲まれた国のありようは想像を超えていました。また、絶体絶命のピンチに陥ったアリフと仲間たちは一体どうなるのか。終盤は目が離せませんでした。

文句なしに面白い!
読み応えのあるエンタメ小説をお探しの方にお勧めします。

お勧め度:★★★★★

2018年4月 8日 (日)

銀河アドベンチャー Walkr 4.4 雑感

Walkr 4.4.xのアップデートは 4.4 の説明文を流用しているので、実際のアップデート内容が不明です。bug fix ならそうと書いてほしい。ただ、新たなbugが仕込まれている可能性があるので「アップデート」ボタンを押すのが怖い。

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惑星のグラフィックが変わったり、星の名前が鷹からニワトリになったり、瓜がメロンになったり、細かい変化もあります。見た目の変化はともかく、従来の「エピック」が「ストーリー」になりました。新規ユーザーは過去ログを見ても「エピックってなに?」。なぜ変えた? 一大叙事詩は大げさだったけれど、それがいきなり短編小説とは。

ずっと続けているスマホゲームは Walkr だけなので、他のゲームのことはわかりませんが、そのときの都合でどんどん付け足したり、行き当たりばったりで変えていくことに驚きます。

「ストーリー」で「実験室限定」艦隊をつくってみました。実験室のメンバーが仲間だと、一般参加者を募るよりは気心が知れていて気楽ですね。ただ、みんなリラックスしてイベントを忘れてしまうらしく、資源の寄付が集まらず苦労します。

一方、自分を知らない人たちと「ストーリー」したいときは外国船に乗り込みます。日本人観光客のいない国へ行きたい感覚と似ています。

次回、惑星が追加されるのはいつ頃でしょうか?

2018年4月 4日 (水)

図書館島 (ソフィア・サマター)

図書館島 (海外文学セレクション)
図書館島』は、紅茶諸島の富農の家に生まれたジェヴィックが、家庭教師ルンレの影響で首都ベインへ赴き、運命に翻弄される物語。2段組で350ページの長編小説は読み応えがあります。語り伝える声を重んじ、文字を持たない紅茶諸島から、文字を本(ヴァロン)として残し伝える文化を持つ国への旅は、ジェヴィックにとって大きなギャップだと思うのですが、彼は憑かれたように(危険さえ顧みずに)突き進んでいくのです。

作者の筆は、登場人物の様子や内面はもちろん、その土地の自然、文化、風俗、習慣、言い伝え、信仰など、事細かに書き込んでいきます。ただ、細かいだけに「槍をつくって魚とウナギを捕る」なんて書いてあると「槍でウナギは無理じゃない?」とツッコミたくなることもあります。

そうして情報の波に翻弄されていると、さりげなくストーリーが先に進んでて慌てる、のくりかえし。これは一度読んだだけでは消化しきれません。

ジェヴィック人生最大の出会いが、ベインへの船上でであった少女ジサヴェト。彼女は不治の病に冒され、一縷の望みをつないでベインの東の果てまで母親と旅しているのです。彼女と再会したとき、ジェヴィックは…。

「図書館島」というタイトルから『図書館の魔女 』のような展開を期待したのですが、図書館が舞台の物語ではありませんでした。原題は"A STRANGER IN OLONDRIA"。「オロンドリアの旅人」とでもいうのでしょうか。そのほうがしっくりきます。

お勧め度:★★★★☆

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