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2017年11月30日 (木)

乗りかかった船 (瀧羽麻子)

乗りかかった船

乗りかかった船』 は「左京区シリーズ」の瀧羽麻子のお仕事小説。舞台は神奈川県に本社がある中堅造船会社「北斗造船」。そこの人たちが辞令による配属、異動、昇進、左遷がもたらす悲喜こもごもの心象風景を描き出しす連作短編集です。

・海に出る
・舵を切る
・錨を上げる
・櫂を漕ぐ
・波に挑む
・港に泊まる
・船に乗る

新人採用から研修、配属。かならずしも希望職種に配属されるとは限らないけれど、新人なんてすぐには役に立たないのだから、目の前の仕事を精一杯こなしていけばいい。そのうち、すこしずつ周囲が見えてくる。年齢や経験ではなく、できる人間はなんでもできます。向き不向きはあっても有能な人間は自分の与えられた役割をなんとかこなします。どうしていいかわからない人は先輩、上司に教えてもらい、他人の何倍も努力すればいい。

それぞれ、いろんな事情や期待、思惑があるのは当然。1話目で「なんだかなぁ」と気が重くなったけれど、2話目を読み終えたら吹っ切れました。人事がもたらす功罪を、従業員を通して、うまくつなげた連作短編7編です。押し付けがましい話ではなく、人物を背景をいっしょに写し取った写真のように、ホワンと終わるのが印象的。でも、7話で「新社長はだいじょうぶ?」。

お勧め度:★★★☆☆

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