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2017年10月11日 (水)

怨讐星域 3 約束の地 (栃尾真治)

怨讐星域Ⅲ 約束の地 (ハヤカワ文庫 JA カ 2-16)
怨讐星域Ⅲ 約束の地』はシリーズ最終巻。地球を飛び立った宇宙船ノアズ・アークがついに約束の地・エデンの衛星軌道上に到着します。しかし、母船は着陸できないため、宇宙艇を建造し、その一方でエデンの地表に探査機を送り込み、データ収集を行うのですが…。

エデンには知的生命体が存在する兆候が見られる。地表の95%は海なので、残る5%の陸地で共存していくことは可能なのか。凶暴な敵となったら勝ち目はあるのか。最高会議は紛糾し、地表への降下計画は頓挫します。

一方、エデンでは首長アンデルスが「裏切り者の末裔は皆殺しにすべし」と唱え、少年兵に槍を持たせて訓練を行なっています。さぁ、ジャンプ組と宇宙船組が出会ったときに何が起こるのか、目が離せません。

ラストはご自分の目で確かめていただくとして、最後にサプライズが用意してありました。「なんじゃ、そりゃー!?」。生きていくって大変ですね。

SFとしてはツッコミどころ満載ですが「もし地球が滅亡するとしたら」というIFで始まる物語としては実に面白いものでした。それぞれの立場の人間がそのときどう感じたのかが丁寧に描かれていて、その都度「彼(彼女)に幸せになってほしい」と願わずにはいられません。

最後に、表題になっている「怨讐」について。内の結束を固めるために外に共通の敵をつくるという方法があることは理解できるのですが、地球滅亡をまえにしてアメリカの大統領が宇宙船で脱出したからといって、その何世代も後の子孫を皆殺しにするという恨みは筋違いだと思います。作者もそんなことは承知のうえで、現在の地球でも同様の「恨み」が存在することを想起させようというのかもしれません。

果たして人類に希望はあるのか。ドキドキしながら読んでください。

追記:星間移住つながりで、Amazonビデオで『インターステラー』と『オブリビオン』を観ました。後者は崩壊した地球が舞台なのですがアンドリュー・ワイエスの絵画「クリスティーナの世界」が象徴的で面白かった。興味のある方はどうぞ!

お勧め度:★★★★☆

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