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2017年9月

2017年9月29日 (金)

不等辺三角形 (内田康夫)

不等辺三角形 (幻冬舎文庫)
不等辺三角形』は、日経新聞夕刊の文化面で紹介されていて、地元名古屋が舞台になっていることに興味をもって、読んでみることにしました。

名古屋の覚王山日泰寺の東側に「揚輝荘」という、松坂屋初代社長が建てた、いわゆる私設迎賓館が舞台。現在は名古屋市指定文化財となっていて、北園は無料、南園の聴松閣が入場料300円。先月長男といっしょに訪れたところだったのです。長男の感想は「1ヶ月くらい借りて住んでみたい」。そりゃ最高ですね。エントランス2階部分の明るい書斎でゆっくり本を読んでいたい。

小説では丁寧に取材されたことがわかります。漢詩が出てきたところで「リアルと同じだ」。もう一方の舞台である東松島のことはわかりませんが、おそらく同様かと。あとがきによると本書を書き上げるのに5年かかったそうです。

浅見光彦シリーズ三部作の最終巻だとか。主人公の浅見光彦はフリーのコピーライターなのですが、警察庁刑事局長の兄を持つため、本人が望まずとも警察に顔が効いてしまうので、探偵として通用するようです。

探偵としては上品というか押しが弱いところがあるのですが、嫌味がなく安心して読むことができました。

お勧め度:★★★★★

2017年9月26日 (火)

Apple Watch 3 が欲しい、けれど

2017年9月、iPhone X、iPhone8 に加えて Apple Watch Series 3が発表されました。iPhoneはSEで満足しているのですが、新しい Apple Watch のLTE通信対応を試してみたい。

Watch3

発表されてみると「ナンバーシェア」という機能によって、iPhoneにかかってきた電話をWatchでも受けることができるし、Watch単体で発信もできるらしい。たとえばランニングに出るとき、iPhoneを持たなくても電話やメール、メッセージを受信できるし、ワークアウトの記録も取れます。わたしはワークアウトというほど本格的なことはしませんが、Watchだけで外出できれば身軽です。

ところが、わたしが契約しているMVNO(Biglobe)は「ナンバーシェア」に対応していません。Watch 3のLTE通信機能を使いたければ大手3社(ドコモ、ソフトバンク、au)とiPhoneを契約しなければなりません。au のホームページで概要を調べてみたところ、現在のMVNOよりも基本的な月額費用が高くなります。つまり、Watch 3のために月額いくらまで出せるのか、という問題なのです。

Watch 3のLTE通信は、現時点ではわたしにとって必須ではありません。必須だったのは、現在のWatch 2の防水機能とSUICA対応です。だから、買い換える理由があるとすれば「LTE 通信が面白そうだから試してみたい」だけ。Watch 3 GPS モデルには魅力は感じません。何の役に立つのか、ではなく、何の役に立たなくても使ってみたい。そこには何かしらの発見があるはず。それが面白い!

「ナンバーシェア」を利用できるのは現在 Apple Watch だけですが、これは他メーカーも追随してくるはず。当然、以後のWatchはGPSモデルとGPS+Cellularモデルの二本立てで続いていくでしょう。それならば慌てる必要はありません。新しいオモチャはしばらく我慢しましょう。

MVNO も来年には「ナンバーシェア」対応を実現してくれるはず。なので、わたしはそれを待ちたいと思います。いまさら大手には戻りたくない。大手のプランを見ていると、わたしには必要ないサービスを買わされるような気がするのです。一等地のショップを維持する利益も必要なのですからある意味当然かも。自分にとって必要なサービスだけを選択できる、無駄の少ないMVNOのほうが好きです。

「格安SIM」と言われますが、わたしの感覚では、それが妥当な金額であって、大手が「割高SIM」なのです。「物を買うときは自分が納得できる金額で」が鉄則です。

2017年9月25日 (月)

花咲舞が黙ってない (池井戸潤)

花咲舞が黙ってない (中公文庫)
花咲舞が黙ってない は、TVドラマになった『不祥事 』の続編。なんと13年ぶりだそうです。

1. たそがれ研修
2. 汚れた水に棲む魚
3. 湯けむりの攻防
4. 暴走
5. 神保町奇譚
6. 小さき者の戦い

上記6編の連作短編集という形をとっていますが「東京第一銀行が抱える闇を暴く」という筋が一本通っています。膨大な不良債権によって業績が悪化している東京第一銀行は、産業中央銀行との合併交渉の最中、不祥事の発覚は不利に働くため隠蔽しようと躍起になるのですが…。

花咲舞と臨店班コンビを組んでいる相馬健は「長いものには巻かれろ」主義で頼りないのですが、それでも相馬がうしろにいるから舞は(安心して?)思いっきりやれるのでしょう。相馬にすれば迷惑以外の何物でもないようですが。

突然、半沢直樹が登場したので驚きました。そういえば、花咲舞と半沢直樹って行動パターンが似ていますね。跳ねっ返りと倍返し。

経済エンタメ小説として一流といってもよいのではないでしょうか。とっても楽しめました!

お勧め度:★★★★★

2017年9月21日 (木)

コインロッカー・ベイビーズ (村上龍)

新装版 コインロッカー・ベイビーズ (講談社文庫)
コインロッカー・ベイビーズ』は、三浦しをんの『本屋さんで待ち合わせ 』で紹介されているのをみて爆笑し「そういえば読んだことないな」というわけで図書館で借りてきました。

冒頭からショッキングな掴み。コインロッカーに捨てられた嬰児のうちのふたりが奇跡的に生き延びたのちのお話なのですが、狂気の連鎖に目を背けたいのに目が離せません。これを三浦しをんは中学のときに読んだというのは刺激が強すぎやしないでしょうか。

そういえば村上春樹の新作小説も読んでいません。前評判の高い小説は敬遠してしまい、何年か経ち、図書館で待たずに借りられるようになって初めて読むことが多いのです。

コインロッカーは「荷物」を預ける装置であって「人」を捨ててはいけません。しかし、自分のまわりをよく見ると、そこはコインロッカーの中だったりして…!?

わたしにとってはほとんどホラー小説でした。(怖かった)

お勧め度:★★★★☆

2017年9月17日 (日)

古都再見 (葉室麟)

古都再見
古都再見 』は、久留米から京都に移り住んだ小説家・葉室麟のエッセイ集。

京都を舞台にかつて起きた事を取り上げ、そこに歴史の解説を加えてあるのですが、時代小説作家の覚書のように見えます。

京都を舞台にした能を、名古屋で見るのと、京都で見るのとでは印象がちがいます。ですから、小説を書くのも読むのも「ここで実際にあったことなんだ」と思えばリアリティが増します。

本としては期待した内容とはすこし違いましたが、気軽に読めるので葉室麟ファンにお勧めします。

お勧め度:★★★☆☆

2017年9月14日 (木)

あきない世傳 金と銀 4 貫流篇 (高田郁)

あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇 (時代小説文庫)
あきない世傳 金と銀(四) 貫流篇』はシリーズ第4弾。大坂天満の呉服商「五鈴屋」の五代目店主・惣次の女房・幸が主人公。この時代、女性は商店の主人になることは禁じられている中での奮闘記。

前作で、惣次はその傲慢さから取引先の信頼を失い「あんたとは取引できんが、幸さんなら喜んで」と言われ轟沈、行方不明となりました。さあ、主人が出奔したなどと知れては店の信頼はガタ落ち。さて、惣次の祖母・お富久は(家出した)三男坊・智蔵に店を継いでくれるよう頼むのですが…。

読み始めれば、その後のおおまかな展開は見えてきます。落ち着くところに落ち着くだろうという安心感からゆったりとした気分で楽しめました。「水戸黄門」的というか「正義は勝つ」という安心感というのか、これが時代劇(時代小説)の王道なのかもしれません。『みをつくし料理帖』もよかったけど、本シリーズもわたしのなかの評価が上がってきました。

今回は人形浄瑠璃(文楽)に引っ掛けた部分があって、それも面白かった。新手の手法で次々に商いを広げていく様子が痛快です。ただ、世話になった人のピンチには「売られていない喧嘩をも買う」幸でした。はやく続きが読みたい!

お勧め度:★★★★★

2017年9月10日 (日)

墨龍賦 (葉室麟)

墨龍賦(ぼくりゅうふ)
墨龍賦(ぼくりゅうふ) 』は、武士の家に生れながら東福寺に入れられ、のちに絵師として生きていくことになる海北友松(かいほうゆうしょう)を描いた物語。表紙絵は彼が建仁寺で描いた雲龍図です。

若き日の友松は、東福寺でのちの安国寺恵瓊と出会い、狩野永徳に弟子入りし、明智光秀の側近・斎藤内蔵助とも親しくなっていきます。恵瓊は毛利家のために働き、織田信長が勢力を拡げていく中で本能寺の変が起きて…。

とんでもない乱世を生き、絵師として人生を全うした男の物語。次々に「天下人」が入れ替わる時代には、歴史は強者によって都合のよいように書き換えられるもの。しかし「絵に魂を込めるなら、力ある者が滅びた後も魂は生き続けます。たとえ、どのような大きな力でも変えることができなかった魂を、後の世のひとは見ることになりましょう」。

2017年春の京博での展覧会を見逃したのが悔やまれます。

お勧め度:★★★★★

2017年9月 7日 (木)

ふわふわの泉 (野尻抱介)

ふわふわの泉
ふわふわの泉 』 は、高校の化学部部長・浅倉泉が偶然、ダイヤモンドより固く、空気より軽い物質を作り出した。彼女はそれを「ふわふわ」と名付け、科学部の後輩・保科昶と共に、大々的に売り出しにかかったのです。どこで失敗するのかと思っていると、あれよあれよという間に規模が大きくなって…。

化学オタクの小説を読んだのは初めてで新鮮でした。ふわふわが様々な物に応用され、空を飛び、果ては宇宙にまで飛び出そうとする、壮大なSF小説です。荒唐無稽とも見えますが、いまのわたしには判断できません。数万光年の宇宙を旅するには人間の肉体がお荷物になるため情報化が必要だとか。いわば長門有希の親分ですね。つまり、人類にとって「シンギュラリティ」(人類が人工知能と融合し、生物学的な思考速度の限界を超越すること)は不可避だというのです。

ちょっと毛色の変わったSFを読んでみたい方にお勧めします。

お勧め度:★★★★☆

2017年9月 4日 (月)

鬼神 (矢野隆)

鬼神
鬼神 』 は、平安時代の大江山酒呑童子討伐を描いた小説。酒呑童子は「鬼」ではなく「人」だったのではないかという視点が新鮮です。

冒頭、山奥で母親と二人暮しの公時が、畑を荒らす熊と取っ組み合いをしています。あれ、坂田公時って「金太郎」じゃないですか。それじゃここは足柄山? でっかい鉞を振り回して熊の頭を飛ばしてしまいます。

そこへ源頼光が訪れて公時を武士として鍛えるべく都へ連れて帰り、彼を含めて頼光四天王(渡辺綱、坂田公時、碓井貞光、卜部季武)が揃います。けれど、山育ちの公時は都になじめず、大江山の偵察に出向いて、頭領の朱天の人柄に触れ、討伐などしないよう頼光に願ったのも虚しく、朝廷から酒呑童子討伐を命じられます。

朝廷や公家には己の欲を満たす「都合」があり、朱天たちには里の者たちを食わせていく「都合」がある。人として正しいのは朱天たちだとわかっていても頼光や公時は逆らうことができない。その葛藤に胸が締め付けられます。大江山の「鬼」は皆殺しにされてしまうのでしょうか。最後まで目を離すことができません。

これは大人向けの「金太郎」です。「ぜひ能で観たい」と思ったら、あるんですね「大江山」。でも、酒呑童子は鬼として成敗されてしまいます。つまりは都側の見方です。それが、時の権力者に擁護されてきた能の限界かもしれません。

お勧め度:★★★★★

2017年9月 1日 (金)

休日はスタバで読書を

週の真ん中にぽっかり休みが取れたので、朝からスタバで美味しいコーヒーを飲みながら思い切り本を読んで、近くでランチして帰ろうと…岐阜へやってきました!

名古屋の最寄駅前にもスタバはありますし、インド料理店でカレーとナンのランチも美味しい。それでもよかったのですが、一度パンシノンのランチを食べてみたい。それにツバメヤの隣にできた松ノ家のアイスクリームも食べてみたい。これは名古屋ではダメでして、柳ヶ瀬に行かなくてはなりません。

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スターバックス ASTY 岐阜店は岐阜駅の改札を出て直進、徒歩2分。駅構内なので雨でも平気。午前8時すぎ、おなじフロアにある三省堂書店は天井からネットがかかって閉店中。奥のスタバだけが営業しています。名古屋駅周辺では人が多すぎてくつろげませんが、岐阜駅はちょうどいい感じ。

Tallサイズのホットドリップコーヒーにデイリー(カフェミストと同じ)とキャラメルソースを追加してマグカップで。ワンモア(お代わり)は500ccのTHERMOSにアイスコーヒーを入れてもらいました。これがこの夏のわたしの定番メニューです。いまのTHERMOSは優秀で、半日は氷が融けず、冷たいまま。

今日の文庫本は村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』。1980年の作品なのですが読んだことがなかったのを、三浦しをんの『本屋さんで待ち合わせ』で紹介されているのを見て(爆笑して)図書館で借りてきたのです。冒頭からショッキングで、目を背けたいのに目が離せない。一気読みの態勢なのですがホラーは苦手。これは絶対ホラーです。怖いです。

すると、Apple Watchが絶妙のタイミングで「深呼吸しましょう」と言ってきたので一息いれます。

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本に没頭していたら三省堂が開店し、つぎに気がついたときには読み終えていました。あー、怖かった。

岐阜に来るといつも南口でレンタサイクルを借りるのですが、今日は柳ヶ瀬しか行かないから歩くことにしました。片道10分くらいかな。

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ほんとだ。アイスクリーム屋さんが出来てる。

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小倉の「ばくだん」と「柳ヶ瀬アイス」を頼んで、木のベンチに座っていただきます。溢れそうなのをスプーンで掬って口に運ぶと冷たくて美味しい! コンビニで売っているアイスとは一味ちがいます。店員さんに「ツバメヤさんのホームページを見て来ました」というと他愛ない会話が弾んで「この最中はアイスがぎっしり詰まってますね」「がんばって詰めました(笑)」。こういうほっこりした雰囲気がいい。ごちそうさまでした。

そうそう、隣のツバメヤさんで「大地のどらやき」と「おこわ」を買いました。わたしの中では現在これが「どらやきNo.1」なのです。おこわもお値段お手頃で、お豆さんがたくさんでおいしい!

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さて、東へ通りを渡ってパンシノンに到着。鋼鉄製の扉はどう見てもバーかなにか。パン屋さんには見えません。ヨイショっと右に引っ張って開けて、奥のイートインのカウンター席でメニューを拝見。男性スタッフが入ったのですね。お昼はシノさんはいないのかな。

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「おまかせプレート」とアイスコーヒーを注文。「クロワッサンが好きなので載せてもらえるとうれしいです」「アンチョビでもいいですか」「はい、もちろん」。待つこと10分、出て参りました。

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今日のスープはきのこの冷製スープ。アンチョビ入りのしょっぱいクロワッサンがおいしい。これはワインのためのパンですね。このシャクシャク感が最高。これはここでしか味わえません。買って帰ってオーブントースターで温めてもだめなのです。アイスコーヒーも大きめのグラスになみなみと注いであります。いろんなパンが一切れずつよそってあって、味と食感の変化を楽しめます。1,000円でお腹いっぱい。満足です。

帰りに、トーストしたらサクサクの「イギリス食パン」と「オレンジ」「ブルーベリーとクリームチーズ」をテイクアウトしました。

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オレンジはピールのせいか、ちょっぴり苦味があって大人の味。いいですね。全種類制覇したいのですが、道のりは遠いです。ゆっくり楽しませてもらいましょう。また、よろしくお願いします。

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