書楼弔堂 破暁 (京極夏彦)
『書楼弔堂 破暁
』は、明治20年代の東京府の外れに、ひっそりと佇む「書楼弔堂」なる古書店。ふと足を踏み入れた主人公が不思議な縁でだれかを弔堂に案内し、そこの主が客に対して「生涯で一冊の本」を売る。
探書壱 臨終
探書弐 発心
探書参 方便
探書肆 贖罪
探書伍 闕如
探書陸 未完
ホラーは苦手なのですが、本が好きなので楽しめました。明治の文豪や幕末の著名人が登場するのも楽しい。4章「贖罪」を読んでいくと「この人が客なのだろう」とわかってきて、最後にどんな本を勧めるのか興味津々。お、そう来たか。反面、それはないだろう。とも思う。複雑です。
「読まれぬ本を弔い、読んでくれる者の元へ届けて成仏されるが我が宿縁。(中略)読まれる本は紙くずですが、読めば本は宝となる。宝と為すか塵芥と為すかは人次第。私は、何千巻何万冊であろうとも、必ず我が楼に収めた凡ての書物を宝に変える所存」と、弔堂の主は言い切ります。
6章「未完」で紹介された『トリストラム・シャンディ』(The Life and Opinions of Tristram Shandy, Gentleman)は実在して、全9巻の未完小説とのこと。今度図書館で見てみようと思います。
お勧め度:★★★★☆
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