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2017年1月22日 (日)

校閲ガール ア・ラ・モード (宮木あや子)

校閲ガール ア・ラ・モード
校閲ガール ア・ラ・モード 』は「校閲ガール」シリーズ第2弾。主人公・河野悦子のまわりの人物を描く短編集です。あのときの悦子をこの人はこんなふうに見ていたんだ、というのがわかる一冊です。

1. 校閲ガールのまわりのガール・森尾
2. 校閲ガールのまわりのガールなんだかボーイなんだか・米岡
3. 校閲ガールのまわりのガールというかウーマン・藤岩
4. 校閲ガールのまわりのサラリーマン・貝塚
5. 校閲ガールのまわりのファンジャイ
番外編 皇帝の宿

悦子を含めて、上辺の印象は悪くても「じつは影で努力している」とか「こんな過去があったんだ」とか知ることで評価が変わる。これはお仕事のうえでは「あるある」お話。可笑しいのが、周囲の悦子の評価が「無礼な、暴れん坊悦子」と一貫していること。ただ、それでも憎めないのは、どこか可愛げがあるからでしょうか。

Web小説を書籍化した、いわゆるラノベに多いのですが、誤字脱字があるとがっかりします。そういう出版社には校閲部はないのでしょうか。厳しい見方をすれば「欠陥商品」です。手間もかかれば根気も必要な仕事だとは思いますが、本を作るには欠かせない、大事な仕事です。どうかしっかりとお願いします。

本作には誤字脱字などありませんが、ちょっと気になったのが「歌舞伎や能はいまでこそ古典芸能として位置付けられているけれど、当時は庶民の娯楽だった」という主旨の記述。歌舞伎はそうかもしれませんが、江戸時代の能は徳川幕府の庇護を受け、武士の嗜みとされ、庶民が気軽に見ることはできなかったと聞きます。わたしの感覚では、今でも歌舞伎を見て盛り上がることはあっても、文楽や能では感激することはあっても観客が一体となって盛り上がることはありません。歌舞伎、文楽、能を比べると、お芝居として娯楽性が最も高いのは歌舞伎です。逆にいえば、文楽や能がこれまで伝統を受け継がれてきたのが驚きです。文楽と能も身近な芸能として、もっとマスコミで取り上げてほしい。

脱線しましたが、この本の困るところは、喫茶店で読みづらいこと。この表紙がこっ恥ずかしいのです。どう見ても「女子本」です。それでも第3弾も気になってたりします。「小説屋sari‐sari」に連載されていたので、バックナンバーを購入する手もありますね。

お勧め度:★★★★☆

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