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2017年1月 8日 (日)

人形は口ほどにものを言い (赤川次郎)

赤川次郎の文楽入門―人形は口ほどにものを言い (小学館文庫)
赤川次郎の文楽入門―人形は口ほどにものを言い』は、自身を「文楽の素人ですが」とことわったうえで綴ったエッセイ集です。素人と言いつつ、わたしなどより多くの作品を観ていて参考になるお話もたくさんあります。それでいて、目線の高さが同じなので、文楽に対する意見には「なるほど」と思うものも多いです。

「時代物」より「世話物」が好きな筆者は「曽根崎心中」「妹背山婦女庭訓」「心中天網島」「近頃河原の達引」「菅原伝授手習鑑」などを引き合いに出してきます。自分も観たことがある演目なら「うん、そうそう」と頷けるのですが、観たことがないとチンプンカンプン。そういうものかと受け流すしかありません。ですから、本書はある程度文楽を観てきた方のための軽い読み物として好適だと思います。

文楽を知るのに歌舞伎が参考になることもあれば、能の影響を受けている部分もある。逆に、現代劇が古典芸能の流れを汲んでいることもあって、幅広い知識、見識があったほうが、より深くたのしむことができるわけです。

川本喜八郎の人形アニメ「鬼」「道成寺」「火宅」が紹介されていて、おもしろそうだったのでDVDを注文しました。届くのがたのしみです。

文楽「曽根崎心中」は一度観てみたい。歌舞伎は一度行ってみて面白いとは思ったけれどチケットが高すぎる。歌舞伎に1回行くなら文楽や能を2回観るほうがいい。ただ、最近わかってきたのですが、チケットの価格で観るべきかどうかを決めるのは危険です。たとえ高くても観るべきものがあります。それを見分ける眼というか価値観を養うのも大切ですね。

お勧め度:★★★☆☆

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