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2016年11月24日 (木)

夜行 (森見登美彦)

夜行
夜行 』は森見登美彦の新作。京都を舞台にした小説が多いのでお気に入りの作家です。

10年前、英会話スクール仲間6人で鞍馬の火祭を見物に出かけ、仲間のひとり長谷川さんが姿を消したのでした。そして、今日5人が京都に集まったのです。物語の鍵となるのが、岸田道生の銅版画「夜行」48作の連作。幹事の大橋くんを除く4人(中井、武田、藤村、田辺)が各々、不思議体験を話す形式で物語の1〜4章まで進んでいきます。

1. 尾道
2. 奥飛騨
3. 津軽
4. 天竜峡
5. 鞍馬

最後に、現在に戻って大橋くんが鞍馬でのことを語るのですが、なにかがおかしい…。

冒頭からミステリーの匂いがぷんぷんします。いるはずの人がいなかったり、いないはずの人がいたり、夏の夜の怪談みたい。「夜行」は夜行列車かもしれないし、百鬼夜行かもしれません。「世界はいつも夜なのよ」って、たしかに宇宙は闇かもしれません。

尾道の千光寺というのをGoogle Mapで調べると実在します。「線路沿いに商店街があるというから海沿いだよな」。千光寺って丘の上にあって、海に向かって階段だらけ。写真を見ると、海のむこうに向島があるから海が川みたいに見える。行ってみたいな。というように、地図で観光気分を味わうのも楽しい。京都も同様に、相国寺の北に御霊神社があって、そこから東へいくと出雲路橋がある。その手前の鴨川沿いに「岸田サロン」があったのか。今度京都に行ったら足を運んでみようと思います。

「天竜峡」まで読んできて、これは一体どうやってオチをつけるのだろう、と心配だったのですが、予想外に(失礼)きれいにオチがついてびっくり。森見登美彦も上手くなりました。

「有頂天家族」シリーズの続編を待ってます。>作者

お勧め度:★★★★★

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