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2016年11月17日 (木)

夜の写本師 (乾石智子)

夜の写本師 (創元推理文庫)
夜の写本師 』では、 右手に月石、左手に黒曜石、口のなかに真珠をもって生まれてきたカリュドウが女魔道士エイリャに育てられ、13歳になったとき、エズキウムの魔道師長アンジストが現れて…。

写本師は魔道師ではないので、アンジストは敵だと思っていません。カリュドウは、育ての親と幼馴染の少女を殺したアンジストに対する復讐を誓った、というダークファンタジーです。

先日、愛知県西尾市の岩瀬文庫を訪れ、日本の古典の写本(見本)を手にとって見る機会がありました。『枕草子』のくずし字がほとんど読めずショックを受けました。いま思うとあれは呪文です。まったく別世界の「写本」ではありますが、内容を理解しなければ写本できません。呪文書を写本できるなら、それは魔術を操ることができるということ…なのではないかと思うのです。というわけで、本書は妙なリアリティをもって読むことができました。

ただ、人を呪うと自分のなかに闇を抱えることになり、闇に飲み込まれると破滅してしまいます。果たしてカリュドウは復讐を果たすことができるのか。それはどのような形で果たされるのか。闇の奥底を覗く勇気があるなら、どうぞ本書を開いてみてください。

お勧め度:★★★★★

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