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2016年10月31日 (月)

2016 西尾城址薪能 【観光編】

西尾城址薪能を開催3日前に知って「舎利」も「成上り」も面白そうなので、当日券があるだろうと踏んで朝一番から名鉄電車で西尾へ向かいました。

城に詳しいわけではないのだけれど、城があれば足を運んでみることにしています。歴史小説を読むときに、行ったことのある城の名前が出てくるとリアリティが増して嬉しいのです。とくに戦国時代ものは尾張、美濃、三河が舞台になっているので、名古屋を中心に城を見て回るのに好都合。天守などが残っていなくても、山城なのか平城なのか、周囲の地形、気候はどうなのか、その土地を肌で感じることができればいいのです。(観音寺城址まで登るのはきつかった…)

ですから、西尾城址にも一度行きたいとは思っていたのですが、そのためだけに西尾まで行くのは億劫でした。そこへ降って湧いた薪能ですから、これは行くしかありません。せっかくなので「岩瀬文庫」にもお邪魔したい。前日お電話したところ、薪能の自由席券はまだ残っているということだったので、当日9時に伺ってチケットを手に入れました。これで安心。あとは会場の西尾市文化会館へ午後1時(開場)に行けばいい。(素直に文化会館でチケットを買えばいいようなものですが、それでは観光の効率が悪い。チケットは早めに確保したうえで、順番に観光して最後に文化会館に着きたかったのです)

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その日は「にしお本まつり」を開催していて、古本市などでたいへん賑やかでした。それにしても岩瀬文庫は、となりの市立図書館よりも立派なくらい。古書の博物館なんですね。2階の展示も広くはないのですが充実しています。ここ、本好きにはたまりません。

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古典の写本(見本)が巻物も含めて、ひと棚分あって、自由に閲覧できるのです。試しに「枕草子」を開いてみたのですが「よ、読めん…これ、ほんとに日本の文字?」。

春は曙(あけぼの)。やうやう白くなりゆく山際(やまぎわ)、すこしあかりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
夏は夜。月の頃はさらなり、闇もなほ、螢(ほたる)飛びちがひたる。雨など降るも、をかし。

「あけぼの」の「あ」と「の」はわかる。「山際」は「山きハ」とある。「雲」はわかる。
「夏ハよる月の」…あぁ、ムリ。句読点もないじゃないか。
悔しい。すこしは読めるようになりたい。自分が活字しか読めないことを痛感しました。

特別展「越境する絵ものがたり」も興味深かった。義経記など、能の題材になっているものもあります。船に乗った男を追って川に入った姫が蛇に変身する絵は、安鎮と清姫伝説とは別なのでしょうか。文楽では「絵本太功記」の日高川入相花王(渡し場の段)ですし、能や歌舞伎では「道成寺」ですね。また、浄瑠璃姫と牛若丸の物語が(人形)浄瑠璃の語源だと初めて知りました。こういった古典の絵物語は、そのまま古典芸能の素になっていることがよくわかりました。原文が読めるようになりたい…。

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岩瀬文庫から西尾城址へやってきました。これは二の丸の表門である鍮石門(ちゅうじゃくもん)です。二の丸の先に天守台があるのですが、石垣を残すのみ。島津家が建てたという旧近衛邸は庭もきれい。本丸丑寅櫓に昇ってみたけれど、景色がよいわけではありません。

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さて、資料館に着きました。ここも無料。西尾市は太っ腹です。

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甲冑や具足、刀、火縄銃などが展示してあります。ユニークな兜も多くて楽しめました。ここでもらった散策マップが役に立ちました。

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西尾小学校の向こう側にある「尚古荘」です。これは昭和初期に作られた京風庭園。

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庭園の脇にある東屋が落ち着きます。のんびり本でも読みたいところですが、能を見に来たことを忘れそうで危ない。とはいえ、西尾といえば抹茶。隣の「あいや伝想茶屋」でいただきました。

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まず、甜茶を挽くところから始めます。そう、ここは体験型茶屋なのです。「反時計回りに、1秒で1回転くらいで5分回してください」。う、思ったより重い。これを5分ですか。病院のリハビリよりきついかも。抹茶を一杯いただくのも大変なんだ…と思いつつ回していると、お茶っ葉から抹茶の粉ができてくるのが不思議でした。宇治に行ったときも抹茶がどうやってできるのか考えたことなかった。これは貴重な体験です。

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ハケで粉を集めて、茶こしで漉してからお湯を注ぎ、茶筅でしゃかしゃか(もっと速く!)シャカシャカ。最後は「の」の字で泡を整えて完成! 苦労しただけあって美味でありました。これで300円は安い。ありがとうございました。

まだ時間があるので、散策マップ片手に裏通りを伊文神社に向かって歩いていると歴史を感じさせる風景に出会いました。

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あたりは住宅街なのですが、ときどき古い建物が残っています。やっぱり城下町って面白い。文化会館へ向かう前にランチにしようと、本町通りの喫茶店に入ってオムライスセットを注文しました。

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ド〜ンと、オムライスだけでもボリューム満点なのに「サラダです」と出してくれたのが、サラダ以外にゆで卵、卵焼き、蒟蒻と茄子の田楽煮まで盛ってあります。もちろん赤だし付。もう満腹です。能の幕間のおやつも要りません。

西尾はやっぱり太っ腹です。

(つづく)

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