出雲の阿国 (下) (有吉佐和子)
『出雲の阿国
』下巻では、阿国歌舞伎に名護屋山三が笛で飛び入りし、阿国は一目惚れ。しかし「天下一」の阿国は、男たちに我が身を思い知らせてしまい離れていってしまいます。秀吉の死後、家康の時代となり、阿国一座も江戸を目指します。
風に舞う木の葉のような旅芸人人生。歌舞伎が当たれば真似をする者が出てきて、阿国を憎いと思えば邪魔をする。つねに新しいものを求めて変わっていかなければ生き残れない。モノマネでは本物にはなれない。
解説にあるように「お国をめぐる四人の男の愛憎、人はパンのみにて生くるにあらずという芸術論、反体制文化(かぶき風俗)、和楽器発展史など主題の重層性」もおおきな魅力。といっても、出雲からお国を追いかけてきた男はうっとおしい。奴はフィクションでしょう。
歌舞伎の種を蒔いたお国の一生をあなたも読んでみませんか?
お勧め度:★★★★★
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