オービタル・クラウド (藤井太洋)
『オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA)
』は、日経新聞で紹介されているのを見て手に取りました。しかし、最初は読みづらくて苦労しました。話の筋が見えて、面白くなってきたのは3分の1ほど読み進んだあたり。
主人公は、木村和海と沼田明利というフリーのWeb制作者とITエンジニア。人並み外れた直感をもつ和海と、凄腕エンジニアの明利のペアが、CIAとともにスペーステロを防ぐことができるのか!?
結局、小説の醍醐味は人物描写にあります。最先端科学も設備も背景でしかないのです。明利が「ラズベリー」を組み合わせてコンピュータシステムを構築するのですが、これは手のひらサイズのワンボードマイコン。数十台つなげばサーバーマシン並みの性能を発揮するはず。ふたりは、地球の軌道を超え、宇宙規模で大活躍です。「スペース・テザー」なる宇宙船の実現の可能性はさておき、発想が興味深い。
久々にSFらしいSFを読ませてもらいました。
お勧め度:★★★★☆
« よこまち余話 (木内昇) | トップページ | 暗幕のゲルニカ »
「SF/ファンタジー」カテゴリの記事
- 利き蜜師物語2 図書室の魔女 (小林栗奈)(2019.02.19)
- 利き蜜師物語 銀蜂の目覚め (小林栗奈)(2019.01.24)
- 風と行く者 守り人外伝 (上橋菜穂子)(2019.01.17)
- 後宮の烏 2 (白川紺子)(2019.01.14)
- ジャガー・ハンター/竜のグリオールに絵を描いた男 (ルーシャス・シェパード)(2019.01.09)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1887876/66507000
この記事へのトラックバック一覧です: オービタル・クラウド (藤井太洋):
コメント