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2016年7月

2016年7月31日 (日)

国を救った数学少女 (ヨナス・ヨナソン)

国を救った数学少女
国を救った数学少女 』は、南アフリカで余った原子爆弾を手に入れスウェーデンに来てしまう。スウェーデン王か首相に渡そうと電話しても秘書に取り次いでもらえないまま月日は過ぎて…。非核保有国スウェーデンの運命はいかに!?

本書冒頭の扉にある、以下の紹介文がすべてです。

1970年代に南アフリカのソウェト地区で育った読み書きのできない子供が、ある日スウェーデンの王と首相といっしょに、じゃがいもトラックに閉じこめられてしまう統計的確率は、457億6621万2810分の1である。この数字は、前述の読み書きのできない子供自身の計算による。

統計的確率がどうであれ、そもそも蓋然性ゼロ。まったく起こりそうもないことが次から次に起こって退屈しません。毒舌ユーモアの感覚は『フルハウス』のようなホームドラマにも通じるように感じます。国がちがって言語が異なっても、ものの考え方、感じ方には人間に共通のものがあるのだということを再認識させてくれます。

主人公のノンベコは頭がいいだけでなく、常に前向き。まずは自分が生き延びることが優先だけど、そこが保証されているなら、ちょっぴりの良識をもって全体がうまくまとまるように運ぼうとします。警察や王や首相、大統領といった権威など物ともせず、逆に振り回してしまうところが痛快です。

愉快な小説をお探しならぜひ!

お勧め度:★★★★★

 

2016年7月29日 (金)

風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake? (森博嗣)

風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake? (講談社タイガ)
風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake? 』は、Wシリーズ第3弾。チベット・ナクチュ特区にある神殿の地下にある遺跡が「人類の聖地」だということで、ハギリ博士は調査に赴きます。護衛のハギリが身体を張ってハギリを守るシーンもありますが、それよりも全編ヴォッシュらとの、生命とはなにか、人間とは、意識とは?といった議論、考察がほとんどを占めます。

ふつうに接していても区別がつかないくらい「ウォーカー」が人間に近づいたのなら、母胎から産まれた人間となにが違うというのか。ウォーカーに生殖機能をもたせる研究も進んでいるというから、考えようによっては人間とおなじなのではないか。

20世紀であれば荒唐無稽で一蹴されたかもしれませんが、21世紀のいま夢物語ではなくなってきているようで真剣に考えてしまいます。「ウォーカー」が兵士として利用されたら、国民の命を犠牲にすることなく戦争できるのです。

今回、マガタシキ博士が(名前だけで)出てこないなぁ、と思ってたら、出た、出ました! これはいよいよ目が離せなくなってきました。

お勧め度:★★★★☆

 

2016年7月27日 (水)

鶴舞公園でポケモンGO

ポケモンGOが日本でも公開された最初の週末、鶴舞公園が花見シーズン以上に混雑しているとの噂。予約本を受け取りに鶴舞図書館に行ってみたところ、

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JR鶴舞駅前の公園入口にはスマホを持った人たちが大勢。なぜここが?

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公園中央の噴水がモンスターボールに似ているということで「聖地」になってしまったようです。

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また、公園内にはポケストップが林立しているため、ポケモンが出現しやすいらしい。職場の学生アルバイト君は朝4時までポケモン探ししてて「眠い」と宣うておりました。園内には20代を中心に、男女のカップルもちらほら。ポケモンデートは安上がりでいいかも。

「歩きスマホはたいへん危険ですのでおやめください」と懸命のアナウンスが流れていました。でも、公園内であれば、すくなくとも車は通らないから他所よりは安全なのではないでしょうか。

わたしは息子たちがポケモン(アニメ)を見ながら育った世代なので親近感はあるのですが、さすがにスマホ見ながらポケモン探しはこっ恥ずかしい。こっそりマイペースで楽しませてもらおうと、近所のポケストップを通りかかるたびにモンスターボールを集め、たまたま現れたポケモンを捕まえて遊んでおります。

レベル5になってジム戦を体験することを目標に始めたものの、

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CP(コンバットポイント)が862対71では勝負になりません。瞬殺されておしまいです。しかし、やられっ放しでは悔しいので、地道にポケモンのレベルアップを図っております。

ポケモンを探すにも、ポケストップでアイテムを手に入れるにも、外に出かけなければならないし、ポケモンのたまごを孵化させるには2kmとか5km歩かないといけないから、運動不足解消には至らないまでも、引きこもり解消ツールにはなるかも。

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余談ですが、今朝未明、マンションの廊下でまたカブトムシを発見しました。灯りに惹かれて蛍光灯に激突、墜落したのでしょうか。仰向けでひっくり返ってもカナブンは自力で起きるのにカブトはダメみたい。これでは遅かれ早かれ人間に捕まってしまうので、植木まで連れていってやりました。

子供時代は、ヘラクロスよりもカブトムシのほうが値打ちがあると思います。ただ、カブトやクワガタ捕りをしたことがない人が親になったのでは教えることができないか。そういう意味でも子供時代はいっぱい遊んだほうがいい。

ところで、富士山頂、いやエベレスト山頂にはどんなポケモンが出るのでしょう?

2016年7月25日 (月)

[AppleWatch旅] 第2回 岐阜ポタリング 2

岐阜公園で本を読んでいて、ふと顔を上げると金華山の頂上に岐阜城が見えます。双眼鏡を覗いたら、天守に人影がたくさん見えました。

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公園のなかをウロウロしていたら茶店に「氷」の旗が揺れていて、気がついたら氷イチゴを頬張っておりました。「赤鰐」のリベンジです。プラスチックではなくガラスの器に金属スプーンがうれしい。食器は大事です。

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岐阜公園から北上して長良川沿いを下ってみようと思ったのですが、河原に下りる道がありません。階段ならあるのですが自転車にはムリ。

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仕方ないので長良川は諦めて、JR岐阜駅の南にある加納城跡に向かうことにしました。

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橿森神社というのがありました。うーん、ここはどこかな?

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この岐阜東通りというのをまっすぐ行って、名鉄加納駅を過ぎたら右折すればいい。

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着いたところは加納公園。「加納城跡」の看板が立っていますが、残っているのは一部の石垣。そう、永く残るのは木ではなく石。ヨーロッパの古城のように、日本の城もすべて石造りにしていれば、もっと残っていただろうに。寺院だって落雷のたびに全焼しながら、なぜ日本建築は木を多用したのだろう? これは建築史を調べてみる必要がありそうです。

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この公園の中心部は丸くて広〜い。こんもりと茂った大木の木陰にぽつんとベンチが置いてあって、とってもいい感じ。おまけに誰もいない。貸し切り。ベンチで本を開いて、ふと空を見上げると赤とんぼがたくさん飛んでる。夏だなぁ。

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加納公園からすこし北上すればJR岐阜駅。南口にあるサカエパンに寄ったら「冷やしパンはじめました」という貼り紙。つられてフルーツデニッシュを買いました。が、冷たいのはフルーツのゼリー寄せであって、パンは冷たくない。これならアイスパンのほうがいいな。

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帰宅してからツバメヤの本わらび餅をいただきました。折り詰めにきな粉が目一杯入ってて、わらび餅を掘り出しながら食べます。おいしい。たしかに、おいしいんだけど、感激するかというとそれほどじゃない。京都で有名なお店で日本庭園を見ながら食べたこともあるけれど、そもそもわらび餅に感激したことがない。他においしいものが山のようにあるせいなのか、わたしの味覚に問題があるのか。

それをいうなら五平餅もあちこちで食べたけれど、これも感激はありません。地元産のもち米を蒸して手間かけて焼いてタレをつけても、いまひとつピンとこないのです。

おいしいたこ焼きには感激するし、珈琲だっておいしいとうれしくなる。出町ふたばの豆餅と桜餅も特に感激はしなくても、京都に行けば食べたいし、食べれば幸せになれます。そう、世間の評価ではなく、自分が食べて幸せになれるかどうかが大事。要するに、食べ物には嗜好があるということなのでしょうね。

本わらび餅は、きな粉が大量に余ります。このきな粉は甘さ控えめです。近所でわらび餅を買ってきて投入するか、ヨーグルトのトッピングにするか、アイディア次第で活用してください。

「おいしい=しあわせ」方程式を信じているわたしにとって「いいところ」とは、おいしいものを食べられるところ。岐阜はいいところです。

今回も、ごちそうさまでした!

(おしまい)

2016年7月23日 (土)

[AppleWatch旅] 第2回 岐阜ポタリング 1

梅雨明け間近の、とんでもなく暑い休日。自転車でぶらつく(ポタリング)日和とは言えないのですが、どうせ名古屋も暑いので思い切って出かけることにしました。

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前夜、自宅のMac miniのGoogle Mapで目的地をピックアップし、お店の開店時間をチェック。

Google Mapは一度検索したポイントはその後も表示されることと、ある目的地を「別のモバイル端末に送信」できるのが便利。iPhoneのGoogle Mapを立ち上げて、送信した目的地を選択すれば経路を表示してくれます。

画面が小さいスマホを持って自転車で動くとき、経路表示や案内は不要で、目的地と現在位置さえ表示してくれればいい。経路表示が煩わしいときは、わたしは iOS9標準の「マップ」を使います。

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午前9時、JR岐阜駅南口でレンタサイクルを1日100円で借りると、岐阜駅北西にある「敷島珈琲店」へ向かいました。7時開店なので、9時すぎに着くと満席。でも、そのおかげで相席になった男性にいろいろ話を訊くことができました。

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ブレンド珈琲と名物のホットケーキが目当てだったのですが、店員さんに「モーニングは付けませんか」と訊かれたら「おねがします」というしかありません。野菜が新鮮なサラダもおいしいし、ヨーグルトには岐阜特産のはちみつがかけてあります。

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お待ちかねのホットケーキが熱い鉄板にのってきました! シロップが鉄板に落ちるとジュワっと音がします。ナイフで切るときから柔らかいことがわかるのですが、口に入れるとほろほろと溶けるようにくずれていきます。うわ、なにこれ。美味しい! 鉄板で熱いまま食べられるのもいい。これは女性に人気が出るはずです。フレンチトーストも美味しいらしいので次回挑戦してみましょう。

このあと「更科」で「冷やしたぬきそば」を食べるつもりだけどダブル(大盛り)は多くないかと男性に尋ねると「いや、ダブルが基本でしょ。シングルは女性向き」。言ってくれますね。しかし、空手をやっている彼は大食漢なので、胃袋対決では勝負になりません。

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岐阜西通りを北上し、東西通りに出たところで右折。このあたりかな、というところで北へ向かうとありました、更科。ナビの言うとおりに進むのが嫌いなので、ルート案内はムダなのです。到着したのは開店5分前の10時25分!

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おおきくて古いテーブルには木製の薬味入れに、お茶の入ったヤカンとコップ。「冷やしたぬきそばの並」を頼むと速攻で出てきました。うーん、ふつうの丼にいっぱい入ってる。ダブルって一体…と周りをみると、ダブルはひとまわりおおきな丼です。あれはムリ。ついさっきモーニング+ホットケーキ完食したわたしには並でもつらい。

向かいに座った父が小学生高学年と思しき子に蕎麦を分けてます。子が並で父がダブル。子に「よく食べるね」。父に「ダブルって多くないですか」「いえ、平気です」「…」。

岐阜の人って、みなさん、たくさん食べるんですか?

冷やしたぬきそばのお味ですが、どこがどうということもなくふつうでございました。お昼を手っ取り早く掻き込みたいときによろしいかと。

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満腹で死にそうになりながらも、11時に開店する「赤鰐」を覗いてみることにしました。かき氷なら入るだろう、と。ただ、開店10分前にはすでに長蛇の列。50人以上並んでるので諦めました。この暑いなか外で待つなんてムリです。

せっかくなので、近くの金神社へお参りしました。鳥居が金色なんですね。

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岐阜高島屋裏にあるツバメヤは定休日のはずなのですが、さきほどチェックしてみたら「午前11時から本わらび餅を販売します」と貼り紙があったので行ってみることにしました。そして「ツバメヤのあんこ」といっしょにゲット! わらび餅は、途中でもしも、万一お腹が空くことがあれば食べてもいい。(結局、自宅まで持ち帰りましたとさ)

商店街だろうが、一方通行だろうが、お構いなしにチョコチョコ走り回れるのは自転車ならでは。半径5kmくらいはムダに行ったり来たりしたところで平気です。車だと止める場所に困るから、こうはいきません。岐阜市内はレンタサイクルが便利です。

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とはいえ、こう暑いと自転車で走り回るのもつらいので、いつものように岐阜公園の日陰で読書することにしました。しかし、藤棚だと木漏れ陽が暑いのです。大木が重なり合って日陰を作っている場所を探してウロウロ。それでも暑いから、屋根のある休憩所に陣取ったものの、陽は遮っても熱気が周囲から迫ってくるのです。やっぱり木陰のほうが涼しい。

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あとで思うと、あまりに暑いのを我慢してはいけません。身体に悪い。しかし、冷房が効いていて、ゆっくり読書できる場所なんて、あ、図書館か。今度は場所をチェックしておきます。でも、珈琲飲みながら、が理想なんだよなぁ。岐阜市に喫茶図書館ってないですか?

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気分転換に、Amazon Musicで久保田早紀を聴いてみました。「異邦人」が懐かしい。屋外で、そばに誰もいなければ、iPhoneの外部スピーカーを鳴らして聴きます。そのときにApple Watchがリモコンになるのが便利。

聴くと涼しくなる曲ってないかな…。

(つづく)

2016年7月21日 (木)

[名古屋カフェ] 御器所:CAZAN珈琲店 本店

御器所って読めます? これ「ごきそ」って読むんです。その交差点の南西にありました。マウンテンコーヒーという珈琲豆を扱う会社の直営店だそうです。

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ブレンド+モーニングセットにスープを追加したら、コンソメのミネストローネが出てきました。朝いちばんにはお腹にやさしい。お味はふつうです。

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コーヒーはおいしいけれど、モーニングセットはおいしくありません。ぱさついたポテサラに、トーストも半ば冷めていて、おいしく食べてもらいたいという「愛」が感じられません。「どうせサービスなんだから」と思っているのかな?

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7:30開店のところ、7:45に来たら、すでに半分以上席が埋まっていて、私はひとりだったのでカウンター席についたのですが、妙に椅子が高くて落ち着きません。8時すぎには満席になって待ち行列ができて、読書どころではありません。残念ながら、このお店はわたしの好みに合いませんでした。

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本が読みたいのと、ケーキでも買って帰ろうと思ってたことを思い出して「それなら飲むケーキにしよう」と向かったのが、御器所交差点角のスターバックス。こちらは空いています。ソファの座り心地がよくて落ち着きます。iPhoneのスタバアプリの新着情報でみた「オレンジフラペチーノ」を注文しました。思ったより甘い。マーマレードが入ってるみたいな感じ。まさに「飲むスイーツ」。

今日の本は、原田マハの『暗幕のゲルニカ』。ピカソの「ゲルニカ」という反戦をテーマにした絵画をモチーフにした小説です。重いです。最後まで読めるかどうか不安。でも、ラストが知りたいから読むぞ!

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今朝未明、マンションの廊下でカブト虫をゲットしました。廊下に落ちてるアレは、カナブンにしては大きいし、セミにしては真っ黒。おぉ、カブトじゃないですか。捕まえると角を振り上げて威嚇してきます。勇ましいなぁ。いわば昆虫界のティーガー戦車。記念撮影後、リリースしました。

夏休み、「ポケモンGO」もいいけれど、子供は現実世界で虫捕り、魚捕りしましょう!

2016年7月19日 (火)

暗幕のゲルニカ

暗幕のゲルニカ

暗幕のゲルニカ』は、ナチスによるスペイン、ゲルニカ空爆に対する怒りをぶつけた作品「ゲルニカ」を巡って1937-1945年と2001-2003年が交錯する物語。ピカソがゲルニカを描いたパリと、MoMAのあるニューヨークが主な舞台。

ピカソは「スペインに真の民主主義が戻るまでゲルニカを還さないでほしい」という条件でMoMAが保管していたのを1981年にようやく返還したのです。MoMAのキュレーター瑤子は、9.11で夫を亡くし、テロと戦争・暴力の負の連鎖へのレジスタンスを主張するために、そして平和への祈りを込めて「ピカソの戦争」展を企画。なんとかして「ゲルニカ」を再びニューヨークに借り出そうとスペインに飛ぶのですが、現地には複雑な事情があって…。

作家はペンで戦い、画家は絵筆で戦う。言葉ではとても簡潔ですが、実際は壮絶な戦いなのでしょう。わたしのピカソに対する見方がまた変わりました。ルソーとピカソが登場する『楽園のカンヴァス 』を楽しく読まれた方は是非!

お勧め度:★★★★★

2016年7月17日 (日)

オービタル・クラウド (藤井太洋)

オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA)
オービタル・クラウド 上 (ハヤカワ文庫JA) 』は、日経新聞で紹介されているのを見て手に取りました。しかし、最初は読みづらくて苦労しました。話の筋が見えて、面白くなってきたのは3分の1ほど読み進んだあたり。

主人公は、木村和海と沼田明利というフリーのWeb制作者とITエンジニア。人並み外れた直感をもつ和海と、凄腕エンジニアの明利のペアが、CIAとともにスペーステロを防ぐことができるのか!?

結局、小説の醍醐味は人物描写にあります。最先端科学も設備も背景でしかないのです。明利が「ラズベリー」を組み合わせてコンピュータシステムを構築するのですが、これは手のひらサイズのワンボードマイコン。数十台つなげばサーバーマシン並みの性能を発揮するはず。ふたりは、地球の軌道を超え、宇宙規模で大活躍です。「スペース・テザー」なる宇宙船の実現の可能性はさておき、発想が興味深い。

久々にSFらしいSFを読ませてもらいました。

お勧め度:★★★★☆

 

2016年7月15日 (金)

よこまち余話 (木内昇)

よこまち余話
よこまち余話』は、裏長屋を舞台に起こる、ちょっと不思議な連作小説。長屋に住むのは、お針子・齣江に、向かいのトメさん、魚屋のおかみさんと浩一、浩三兄弟。とくに浩三は、他の人には見えないものが見えるのです。時代小説版トワイライトゾーン?

うらぶれた長屋暮らしというと江戸時代かと思うのですが、どうやら大正時代あたりのようです。小説の自由度を縛らないように時代設定は曖昧にしてあるとか。

ミカリバアサマの夜
抜け道の灯り
花びらと天神様
襦袢の竹、路地の花
雨降らし
夏が朽ちる
晦日の菓子
御酉様の一夜
煤払いと討ち入り
猿田彦の足跡
遠野さん
長と嵩
抽斗のルーペ
まがきの花
花よりもなほ
夏蜜柑と水羊羹
はじまりの日

夜がもっと暗かった時代、闇に潜むものがいたはず。そういう畏れが神を身近にしていたのかもしれません。怖いといってもホラーではなく、切ない物語です。

お勧め度:★★★★★

2016年7月13日 (水)

[名古屋カフェ] 矢場町:sora cafe

岐阜・柳ヶ瀬の「ミツバチ食堂」でランチしようと思ったのですが、念のために同店のホームページをチェックしたら「店内改装中」のためお休み。他のお店を探したのですが、ピザやラーメンには食指が動かず、今日は名古屋で用事を済ませることにしました。

どうもわたしは食いしん坊、というか食い意地が張っているようです。どこかに遊びに行こうとすると、美味しいものを食べられる場所を探しています。まるで食べることが目的のように。わたしにとって美味しいもの探しはしあわせ探し。だから京都が好きなのです。しあわせがたくさん隠れています。でも岐阜もなかなか良いところです。もっと探検してみたい。

さて、鶴舞図書館の帰りにランチするところを探していて見つけたカフェ sora cafe です。山王通とJR中央線の交差点の北西角にあります。

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立地としては、名古屋大学病院西の nocake.同様、交差点角にあるのですが、車で通るとよほど大きな看板でもなければ目に付きません。最寄駅からすこし遠いので、交通手段は車でしょうか。(わたしは自転車です)

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洒落たカフェで、12時になるとお客さんが続々と来店されます。

入口脇のカウンター席について、とり天プレートランチと水出しアイスコーヒーを注文しました。15分ほど待つ間に読書(よこまち余話/木内昇)が捗りました。25cmほどの丸皿におおきな鶏肉が二切れ載っていて、かぼす醤油をかけて食べます。サラダもたっぷり。お腹いっぱいになりました。ごちそうさまでした!

2016年7月11日 (月)

暗礁 (黒川博行)

暗礁〈上〉 (幻冬舎文庫)

暗礁 』は「疫病神」シリーズ第3弾。やくざの桑原に賭け麻雀の代打ちを頼まれた二宮は、臨時収入に喜んだものの、例によって「疫病神」のトラブルに巻き込まれるのでした。お決まりのパターンですね。

今回の「シノギ」は、大手運送会社と奈良県警との癒着により生まれた裏金の争奪戦です。そこに桑原だけでなく、大阪府警のマル暴担まで絡んできます。作者はその筋のご友人がいらっしゃるのでしょうか。詳しすぎます。

二宮の父親はヤクザだったのですが「ヤクザとデカは同じ人種や。権力志向で一家意識が強い。縦社会で命令には絶対服従。刑務所の塀の上を歩いてて、たまたま中に落ちたんがヤクザで、外に落ちたんがデカ」というのが口癖だったとか。説得力ありすぎ。

すべてが金に絡んだ抗争。桑原の頭にはカネとミエしかありません。二宮も、桑原を疫病神だと忌み嫌いながらも、巻き込まれた元を取ろうと欲をかくから痛い目に遭うのです。たまには刺激があっても面白いけれど、続けて読むものではありませんね。

お勧め度:★★☆☆☆

2016年7月 9日 (土)

[AppleWatch旅] 日進市・岩崎城址ポタリング

先週、岐阜にお邪魔したところなのですが、まだ見たいところがあるので再訪しようかと思ったら、午後は雨が降るかもしれないというので予定変更。以前から気になっていた岩崎城址まで自転車で行ってみることにしました。片道10kmほどだから、昼過ぎには帰ってこれるでしょう。

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ここ、千代保稲荷神社 名古屋支所なんです。名古屋大学の北側に神社らしきところがあるのは知っていましたが「おちょぼさん」とは知りませんでした。

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そのまま東山を越えます。名古屋市は東に向かうとアップダウンがあります。車だと気にならないのですが、自転車では勾配を身をもって実感します。

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牧野ケ池緑地まで来ました。息子たちが幼い頃は、よく遊具で遊んでましたっけ。

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日進市の岩崎の交差点から見上げるとお城が見えます。ガソリンスタンドの裏手から上っていくと資料館と天守閣風の展望台に到着。すべて無料なのがありがたい。

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金網が無粋です。なんとかならんのでしょうか。

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名古屋駅から直線距離で15kmほど。

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帰りに喫茶ベニに寄りました。ここは名古屋市名東区です。

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11時前だったのでモーニングメニューから「レギュラーお茶かつ定食」を頼みました。

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「お茶かつ」というのを食べてみたかったのです。これは薄切り豚肉のカツを醤油ベースの出し汁に浸して、キャベツの千切りと海苔をドバッと乗せた料理。味としてはカツ丼。これが旨いのです。ご飯が進みます。

それにしても、喫茶ベニは駄菓子屋みたい。雑多なメニューがたくさん並んでて愉しい。もうすこし近ければ、毎週通ってみるところです。

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焼山近くで通りかかった「ぱん兄弟」。懐かしいチョココルネと、洋梨のデニッシュともうひとつチーズがかかった硬いパンを買いました。割とおいしい。気に入りました。しかし、ここもちょっと遠いな。バイクがほしい。乗るならMTなんだけどMTバイクって減りました。原付なんて数えるほどしかありません。世も末です。

(おしまい)

2016年7月 7日 (木)

ツバキ文具店 (小川 糸)

ツバキ文具店

ツバキ文具店』は、鎌倉のちいさな文具店を先代の祖母から継いだポッポちゃんこと雨宮鳩子が主人公。20代後半、独身。文具店だけれども、代書屋もやっていて、そちらの仕事の話がメインです。内容はもちろん、紙や封筒、インク、筆記具まで念入りに選ぶところがプロフェッショナルです。羊皮紙なんて中世ヨーロッパのものだと思っていたのですが、それに羽ペンで書くところが出てきたので、いまでも手に入るのですね。

Tsubaki

バーバラ婦人に、パンティー、男爵と、脇役も個性的。ほんわかとした小説で、やさしい気持ちになれます。

ツバキ文具店には、鉛筆はあってもシャープペンシルは置いてない。先代は、子供には鉛筆だと固く信じ、ましてや「シャーペン」と呼ぶのを毛嫌いしたとか。いい感じに頑固なおばあちゃんですね。子供を「叱る」大人が少なくなりました。

鎌倉には2年ほど前に長男と遊びに行ったきりなので、また行きたい。そのときは、この本で紹介されたお店も覗いてみようと思います。

お勧め度:★★★★★

 

2016年7月 5日 (火)

[Apple Watch旅] 岐阜市をレンタサイクルでポタリング 3

岐阜公園をあとにして「ナガラガワフレーバー」という複合店舗に寄ってみました。湯の山温泉ちかくのアクアイグニス(片岡温泉)の小型版みたいな感じ。

手作りバームクーヘンは売り切れ、パン屋さんをウィンドウ越しに覗くと、小綺麗なパンが並んでいるのですが、なぜか食指が動きません。またの機会にしましょう。

パラパラとお天気雨が降ってきたので、岐阜駅寄りに移動することにしました。

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すこし南に下った、住宅街のなかに両香堂本舗がありました。柿羊羹で有名なお店なのですが、そこでどら焼きと夏どら焼き(白あん)をいただきました。そう、わたし、どら焼きが好きなんです。でも、いまだに「これだ」というどら焼きに出会っておりません。

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伊奈波神社を通り過ぎたあたりで「みのひだ屋」という洋菓子屋さんがあったので休憩することにして「ケーキセット500円」を頼みました。

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ショーケースのなかにあった「げんこつシュークリーム」の大きさに魅入られてしまいました。お皿には半分にカットして出してくれました。カウンター脇に金華山のパンフがあったので「登られました?」「えぇ、小3の子供について登ったんですけど、結構たいへんでした」。あの山は舐めたら痛い目に遭いそうです。

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岐阜高島屋の西側のアーケードにある「起き上がり本舗」に寄りました。

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縁起の良い、だるまさんの最中(小)とカステラを買いました。お、カステラはずしっと重い。

だるま最中をいざ食べようとして「さて、どこから食べるか」。ひよこ饅頭とおなじ悩みです。数瞬のためらいの後、頭からガブッといきました。残った胴体のほうが太いわけで、意外に食べ応えがありました。

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ここ、金公園でまた読書タイム。散歩中の犬を何匹も見送りました。

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レンタサイクルを返してから、JR岐阜駅西側のシティタワー43というビルの無料展望台に上ってみました。基本的に住居ビルのようで、商業フロアは多くありません。直通エレベーターで43階まで上ると、怖いくらい高かったです。北側にも高層マンションがあるのですが、そのベランダを見ていて「よくあんな高いところで平気で眠れるものだ」と感心することしきり。わたしには無理です。

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北側、眼下に岐阜の繁華街が広がり、むこうに長良川が見えます。右手に見える金華山をアップにしてみると頂上の岐阜城も見えます。

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金華山の頂上付近はお椀を伏せたような形。あそこまで登るのはたいへんです。わたしは前回当然のようにロープウェーを利用しましたが、いつか機会があれば歩いて登ってみたい。京都の大文字山も同様。

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展望台の南南東方向に名古屋駅前と思しきビル群が見えるので、iPhoneの「マップ」で方角を確かめるとまちがいないようです。

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ここからの夜景はすばらしいということなので、機会があれば是非どうぞ!

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帰宅してから「起き上がり本舗」のカステラをいただきました。食の安全にこだわり、国内産小麦を使用しているとか。原材料名は「卵、砂糖、国内産小麦粉、米あめ、ミリン、ハチミツ」。玉井屋さんの「献上かすていら」のようにふわふわではなく、もそもそした食感。上半分はそれほどでもないのですが、下半分の小麦粉密度が高い。でも、ご主人の心意気を含めてわたしは気に入りました。お値段も手頃で、内使いに安心していただけるおやつです。

今回に限らず、わたしは洋菓子店よりも和菓子店やパン屋に惹かれます。それは何故なのか、自己分析してみました。

ケーキやタルトも好きなんですけど、持ち帰るのがむずかしいのが難点。とくに自転車で移動することが多いので、ケーキの箱をカゴに置いたりしたら大惨事を引き起こします。一方、饅頭、餅、どら焼き、かすてらといった和菓子は持ち歩きやすいし、小腹が空いたときに公園で食べることもできます。パンは軽食としても重宝します。さすがにケーキはお皿とフォークがほしい。和菓子はバッグに突っ込んでおけば、おみやげにできるから便利。洋菓子でも、ドーナツとバームクーヘンはOKです。

(おしまい)

2016年7月 3日 (日)

[Apple Watch旅] 岐阜市をレンタサイクルでポタリング 2

いつもMac mini (Mac OS X 10.11.5)で、ecto3というブログエディタをつかって書いていたのですが、昨夜 ecto3が妙な落ち方をしたと思ったら二度と立ち上がらなくなりました。メニューバーが表示されたのち、ウィンドウが表示されずに落ちるのです。何度やっても「ectoが予期しない理由で終了しました」。OSを再起動してもダメ。仕方ないから、@nifty ココログ 管理ページから入力しています。おなじようにできるのかなぁ?

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さて、岐阜は川原町です。カフェ「川原町屋」を出て右へ行くと「手湯」があります。足湯はつかったことあるけど手湯は初めて。茶色い湯に手を浸すと、熱くはなくて温い。

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向かいの和菓子屋「玉井屋」さんで「献上かすていら」を買いました。底にざらめが入った、ふつうに美味しいカステラでした。お店の軒下につばめの巣がありました。

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長良川に突き当たったところが鵜飼のりばです。日が暮れたら船が出るそうです。川向こうに「鵜飼ミュージアム」というのがあるのですが、わたしは鵜飼は好きではないのでパスします。

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お昼近くなってきたので「吉照庵」まで戻ってきました。せいろ(二段)といなり寿司を頼みました。

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暑くなってきたから、冷たい喉越しの十割蕎麦が旨い。蕎麦の味はよくわからないのですが、これは美味しいと思います。いなり寿司も大きめで蕎麦の実入り。ごちそうさまでした!

じつは隣の料亭のお昼の「鮎ミニコース」も気になったのですが、ひとりではつまらないし、あらかじめ予算を確保して来なければなりません。

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吉照庵のすぐ北に「空穂屋」(うつぼや)を発見。たしか中日新聞で紹介記事を見て気になったのですが、ここだったんだ。偶然発見してしまいました。暖簾が下がっているので「焼きドーナツはありますか?」「いまはまだこれだけしかないけれど」という中からプレーンと栗をチョイス。しっかりした食べ応えのある焼きドーナツでした。

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空穂屋はカフェ「川原町屋」同様、町屋をお店に改装してあって奥が深い。骨董品が多いのかな。その中央あたりがカフェになっています。

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結局、岐阜公園まで戻ってきちゃいました。前回、岐阜城を訪れたときには閉まっていた「名和昆虫博物館」に入ってみました。昆虫は幼少期に大阪・箕面で散々見たので飽きてるのですが、数十年ぶりだからいいでしょう。

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所どころに蓋をした陳列ケースがあって「勇気のある人のみ限定!」なんて書かれたら開けないわけにいかないじゃないですか…ゲっ!

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岐阜公園の藤棚の下で『国境』を読み耽り、お尻が痛くなってきたので移動することにしました。

(つづく)

2016年7月 1日 (金)

[Apple Watch旅] 岐阜市をレンタサイクルでポタリング 1

梅雨の晴れ間、近くに遊びに行こうと岐阜市に出かけることにしました。前夜、ネットで調べたところ、JR岐阜駅南をはじめ、市内何箇所かレンタサイクルが用意してあって1日100円で借りることができるのです。これを使わない手はありません。

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岐阜訪問は2回目。前回は金華山の岐阜城が目当てだったので、今回はそれ以外で面白そうなところ、おいしそうなお店を探してGoogle mapにルート設定していきました。名所旧跡、神社仏閣よりも飲食店、菓子店のほうが多い。う〜む、これは「くいだおれ旅」になるぞ。

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名古屋〜岐阜は東海道本線快速で20分と、意外に近いのです。

岐阜駅の南口(加納口)を出て、昔ながらのパン屋さん、サカエパンへ向かいます。

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今日は食べ過ぎないように、買い過ぎないように「ここでは2個まで」と思いながら店に入ったのですが、結果はごらんのとおり。

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12時の位置から時計回りに、キャラメルケーキ、レモンカップケーキ、ハムデニッシュ、バニラアイスパン、リンゴデニッシュ。アイスパンは夏にぴったり。おいしかった! バッグの中で潰れそうなパンは駅前のベンチで胃袋に収めました。う〜む、朝一番からやらかしました。腹ごなしに自転車に乗りましょう。

前回は、岐阜駅北口からバスで岐阜公園まで行ったから、駅前は見覚えがあります。自転車で北へ向かいます。最終的には、長良川の鵜飼のりばまで行くつもりです。

で、まずは岐阜高島屋裏手のアーケードにあるツバメヤさんに寄りました。

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ここでは、ツバメサブレと大地のどらやきを買いました。ツバメサブレは(鎌倉の鳩サブレに対抗して)ツバメの形をしているのかと思ったら直径4cmの円形。薄くてサクッとした軽い歯ざわりで小麦全粒粉の食感も美味しいおやつ。原材料は、小麦粉、てんさい糖、米油、小麦全粒粉、食塩、重曹。バターではなく米油を使ってるんですね。

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大地のどらやきの餡がおいしかった。「ツバメヤのあん」を売っているので次回はそれを買って小倉トーストにしましょう。赤飯(おこわ)に手が出そうになるのをグッとこらえました。

さらにフラフラと北上していくと、右手に山があって京都の東山を思い出します。こういうところ好きだなぁ、と思っていると伊奈波通という交差点。「あ、伊奈波神社に寄るんだった」。右に曲がると大きな鳥居が見えます。岐阜で一番の初詣スポットだとか。

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伊奈波神社から北へ向かい通り沿いに吉照庵というそば屋さんを発見。お昼はここでいただくつもりだけど、まだ早いのでお昼に戻ってきましょう。その道は歩道と車道の段差がなくしてあって自転車で走りやすい。名古屋市も見習ってほしい。

岐阜公園の南まで来たところで、コメダ珈琲店の向かいの正法寺に寄ります。

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このお堂の中に大仏さまがいらっしゃるそうです。通称、岐阜大仏

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高さ13.64mと、思ったより大きい。お堂が狭く感じます。

前日に図書館で借りた『国境』(黒川博行著)が面白くて、続きを読もうと持ってきたのです。800ページ超の大作なので重いけれどなんのその。岐阜公園で読みふけりたい誘惑を断ち切ってさらに北上し、長良川の手前で「川原町」に入り、お茶にすることにしました。この界隈は古い町並みが残っているところ。

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丸い郵便ポストが目印の「川原町屋」というカフェです。奥が深くて、蔵を改装してカフェにしてあるそうです。楽しみ!

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ホットコーヒーのモーニングセット(小倉+クリームトースト)が550円。安くはないけれど、雰囲気がいいし、コーヒーもおいしかった。靴を脱いで上がるのでcrocsの私は裸足になって落ち着かなかった。本を読みたいものの、長居はできないので早々に失礼しました。

(つづく)

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