« 浄瑠璃素人講釈 (上)(下) (杉山其日庵) | トップページ | えんま寄席 江戸落語外伝 (車浮代) »

2016年5月14日 (土)

浄瑠璃を読もう (橋本治)

浄瑠璃を読もう
浄瑠璃を読もう 』は、人形浄瑠璃(文楽)の解説書。これまで、わたしが2回観た文楽は、絵本太功記(夕顔棚の段、尼ヶ崎の段)と日高川入相花王(渡し場の段)、それに「妹背山婦女庭訓」。加えて今月末の中日文楽で「壺坂観音霊験記」「本朝廿四孝」を観る予定。だから、以下の4章と8章を読んでみました。

1. 『仮名手本忠臣蔵』と参加への欲望
2. 『義経千本桜』と歴史を我等に
3. 『菅原伝授手習鑑』と躍動する現実
4. 『本朝廿四孝』の「だったらなにも考えない」
5. 『ひらかな盛衰記』のひらがな的世界
6. 『国性爺合戦』と直進する近松門左衛門
7. これはもう「文学」でしかない『冥土の飛脚』
8. 『妹背山婦女庭訓』と時代の転回点

『本朝廿四孝』について、大胆かつ明解な考察がされています。
近松半二の功績は「斎藤道三と太田道灌は名前の一文字が同じだ」ということと「山吹の歌の”蓑がない”は”美濃を失った”にも解釈できる」と考えてしまったことだけである。それだけでこういう作品を作ってしまうのが近松半二で、さすが「春は曙」から川中島の合戦を導き出してしまう人である。そういう作品だから、ここから「人の世のあり方」というようなめんどくさいことを引っ張り出そうとしても、無駄である。
『本朝廿四孝』は非常に複雑なストーリーなので説明しろと言われても難しいと言いつつ「考えても無駄」だと一刀両断。新潮社から出版されているハードカバーの単行本で、人形浄瑠璃を大真面目に論じているのですが、スッパリ切って捨てる痛快さが身上です。

『妹背山婦女庭訓』も見たことのある段はわかるのですが、そうでないところはさっぱり。文章が長いので(見たことがないと)興味が持続しないという事情もあります。

「三味線がかっこいい」「人形がかわいい」でもいいのですが「なんでそうなるの?」という疑問を持ってしまった方には手頃な参考書になるでしょう。

本書は浄瑠璃鑑賞の予習、復習に重宝しそうです。

お勧め度:★★★★★

« 浄瑠璃素人講釈 (上)(下) (杉山其日庵) | トップページ | えんま寄席 江戸落語外伝 (車浮代) »

文化・芸術」カテゴリの記事

文楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 浄瑠璃素人講釈 (上)(下) (杉山其日庵) | トップページ | えんま寄席 江戸落語外伝 (車浮代) »

2018年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ