« 2016年4月 | トップページ | 2016年6月 »

2016年5月

2016年5月30日 (月)

中日文楽観劇記(壺坂観音霊験記、本朝廿四孝)

2016年5月は、地元名古屋で文楽公演「中日文楽」があるということで観て参りました。地元で観ることができるのは有難いです。どんどんやってください!

演目は、壺坂観音霊験記(沢一内の段、山の段)と本朝廿四孝(十種香の段、奥庭狐火の段)。午後4時、栄の中日劇場で開演です。

天気予報は雨なので地下鉄で行きます。栄で降りてすこし歩けば地下から中日ビルに連絡しているのですが、思わず「喫茶コンパル」に寄ってしまいました。

IMG_2570.jpg

熱いコーヒーに砂糖など入れてから氷のグラスに注ぐ。このアイスコーヒーが美味しい。問題は、喫煙可なので隣にタバコを吸う人が来ないかどうか。店が空いている時が狙い目です。

中日ビルの1階から直通エレベーターで9階へ。窓から外を見ると栄が一望できます。

IMG_2572.jpg

わたしは高額な席でなくても「見えればいい」ので、2階席のB席です。すぐ後ろの扉を出ると3階ですから、舞台までかなり遠い。でも双眼鏡持参ですから大丈夫。2階席にはぱらぱら空きがあります。「もったいない」と思う反面、空いている方が快適ではあります。

開演前に豊竹咲寿太夫が演目の説明に立ちます。3月の京都でも彼が説明していましたが、4月の国立文楽劇場ではなかった。地方公演だけなのでしょうか。

いよいよ開演。とざいとーざいの黒子さんの声が遠いです。

▼ 壺坂観音霊験記(沢一内の段、山の段)

国立文楽劇場みたいに、字幕は舞台上に横書きで表示されます。太夫と三味線の紹介されたところで「待ってました!」。おぉ、お芝居みたい。文楽では初めて聞きました。

さて、目が見えない沢一が、3つ年下の幼なじみ・お里と所帯をもって3年。こんな身体では、お里に世話をかけるばかりと世を儚んで身を投げ、お里もあとを追うという悲劇。

早い話が、夫婦喧嘩の段と、投身自殺の段です。

貧しい暮らしをしているという設定ですが、沢一の衣装は汚れひとつない絹ですよ。木綿なんかじゃありません。いい暮らししてるじゃないですか。(と、ツッコム)

どうやって身を投げるんだろう。ひょっとして…と舞台を注目していると「あ、落とした」。崖の上から約1メートル下の谷底(舞台)に人形を落としたのです。それを受け取った黒子が舞台の袖に消えていきました。高い位置から見ていると黒子の動きがよくわかる。頭が傷つかないようにしないといけないものね。

無表情な人形が、怒ったり、泣いたり、笑ったりする。それが人形遣いの技。舞台まで遠くても、太夫の声はちゃんと聞こえます。竹澤宗介の三味線が気に入りました。

舞台となった壺阪寺(南法華寺)は、奈良県にあり(橿原神宮の南方)、眼病に霊験があるとか。「沢一の杖」が伝えられているそうです。

夫婦が互いを思って投身自殺。でも救われる道が用意されていますからご安心を!

chunichi.jpg
このデザインのクリアファイルをもらいました。(八重垣姫+白狐モード)

▼ 本朝廿四孝(十種香の段、奥庭狐火の段)

武田勝頼の影武者が切腹し、許嫁だった八重垣姫は部屋に篭って勝頼の絵姿を眺めながら落ち込んでいるし、反対側の部屋では、腰元の濡衣が位牌をまえに影武者を供養している。その真ん中で立派な装束に身を包んだ「花作りの蓑作」が立ってます。

これはどう見ても若殿じゃないですか。蓑作を見た八重垣姫は「もしやあなた様は勝頼様では」と縋りつきます。それを振り払う蓑作。橋本治いわく「文楽の姫は恋することがお仕事」。アイドルの追っかけ、ストーカー寸前です。

勝頼でなくてもいい、勝頼似のいい男・蓑作を紹介してほしいと濡衣に頼み込む八重垣姫。それならば武田家の家宝「諏訪法性の御兜」を盗み出してくるように言います。その話をこっそり聞いていた謙信は、使いに出した蓑作を暗殺しようと企み、それを知った姫は、そのことを蓑作に知らせたいと「アゝ、翅がほしい。羽がほしい。飛んで行きたい。知らせたい。逢ひたい」となるのでした。わたしの脳内では「翼をください」が流れます。

奥庭狐火の段は圧巻でした。ツインギターならぬツイン三味線に琴が加わり、舞台では怪しい狐火が飛び回り、ついには白狐が飛び出します。え、どこからどうやって出てきたの。あたりを跳ねまわった狐は諏訪法性の御兜にとり憑きます。そこへやってきた八重垣姫。塩尻へ向かった勝頼にどうやって危機を知らせればいいのか。近道するには諏訪湖を渡るしかない。でも冬だから湖は凍っていて船は出せない。それなら神の使いの狐のあとを歩いて渡るしかないのだけれど。

というお話で、八重垣姫の衣装が赤から白に一瞬で変わり、人形使いが3人とも黒子ではなくなるし、最後は白狐が4匹出てきて大団円。もう宝塚状態です。

▼ そんなわけで

休憩を含めて3時間の公演でしたが、奥庭狐火の段は最高に面白かった。興味のある方はぜひ一度ごらんください。派手な演出が、とてもわかりやすい。

2階席の後方からは、舞台にベニア板が張ってあるのが丸見え。主遣いさんが履いている高下駄のような履物に草鞋みたいなものが2枚前後に巻いてあるのが見えました。ドンドンと足を踏み鳴らすのは足遣いさんなんですね。屈んだままで動き回るのはつらそう。

文楽を観るのは今回で3度目なので、すこし慣れて余裕が出てきました。

休憩時間はロビーに出て身体を動かしたり、ペットボトル茶と軽食を持参したり、観劇中は脱いでおける靴にしたり、スポーツタオルを寒ければ肩に羽織り、疲れたら畳んで背もたれに乗せれば簡易枕とか、工夫ができるようになってきました。

椅子のクッションは国立文楽劇場よりよかったのか、お尻もあまり痛くなりませんでした。ただ、左右と足元に余裕がないのはおなじ。日本人の体格も大きくなっていますから新幹線だけでなく、劇場の設計も変えてもらいたい。

中日劇場でもらったパンフレットに、三谷幸喜演出の「其礼成心中」大阪公演がありました。曽根崎心中のパロディだから「それなり心中」。落語みたいに新作ってないのか疑問だったのです。どんどんチャレンジしてほしい。しかし、興味はあるけれど8,000円+交通費は高いなぁ。DVDを買ったほうが安上がり。それに、できればオリジナルの「曽根崎心中」を先に観たい。

さて、次回の文楽はいつ、どこで、なにを? たのしみです。

2016年5月28日 (土)

[Apple Watch 旅] 恵那市岩村の魅力は、人と自然、そこから生まれる美味しいもの 2

「農村景観日本一展望所」で窯焼きパン「きっとちゃん」を残り全部食べてしまって、363号線を戻ります。岩村茶寮の看板を探していたところ「茅の宿」の案内板につられて左折。鯉のぼりがたくさん泳いでいます。物干しに見えるのは発想が貧困ですか?

IMG_2539.jpg

看板の「土日限定ランチ」に惹かれたものの、まったく人の気配がありません。入口らしきところ(写真下)からそろっと入って「あのぉ、ごめんくださーい」「はーい」。

IMG_2547.jpg

文字通り、茅葺屋根の一棟貸しのお宿。囲炉裏があり、広い居間もふすまで仕切れば、友人親戚で何家族か一度に泊まれそう。冷蔵庫と台所があるから自炊してもいい。

IMG_2544.jpg

注文したランチは「茅のふるさと定食」(1,100円)。お店は貸切です!(ちょっと寂しい)

IMG_2545.jpg

手打ち蕎麦に五平餅がついています。すべてここで採れたもので作っているそうです。

IMG_2549.jpg

大きめのパンを食べたところにランチでお腹いっぱい。すぐ先の岩村茶寮に到着。近所のお客さんがカウンターにいらしたので、奥の窓際のテーブルへ。奥さんが注文を取りにきてくれたから「おいしいコーヒーください」とは言えず「ブレンドをください」。

IMG_2551.jpg

本を読んでいるとご主人がこちらにみえて、私を覚えていてくださったみたい。窓から入る風が気持ちいい。「ベランダのほうが気持ちいいから、こっち来やぁ」。名古屋弁ですね。

「茅の宿」のHPのキャッチが「田舎には大きなデパートもなければ、地下鉄もない。けれど、私たちにとって大切な「何か」がある」 。そう、ここへ来るとほっとするんです。

「前回教えてもらった馬籠宿に行ってきましたよ」。他愛ないおしゃべりに興じているうちに休日の午後が過ぎていきます。時間があれば(明知鉄道のひと駅むこうの)花白温泉に寄って帰ろうと思ってたんだけど、また今度にします。

城下町の観光案内所で自転車を返して、岩村駅まで歩いて戻ります。観光客が結構歩いてる。やはり人出は午後からなんですね。

岩村駅の上りホームは反対側にあるので間違えないように。

IMG_2553.jpg

恵那に戻り、中山道広重美術館に向かいます。駅から徒歩5分。

IMG_2555.jpg

今朝、駅前でもらったJR東海のチラシに880->500円の当日限定割引券がついていたので、それを使わせてもらいます。

IMG_2557.jpg

企画展は「古今東西美女競 ー描かれた女ー」。浮世絵はピンと来なかったけれど、藤井勉の「ななつ」と、渡邊榮一の「小さな王國<クレタ島の砂丘は、恐らくミノタウロスの迷宮に続いているのだ>」が気に入りました。(いずれも笠間日動美術館所蔵

fujii.jpg
watanabe.jpg

帰宅してから、カステラとパンを並べてみました。

IMG_2561.jpg

左側にカステラ2本、お皿の12時のところにあるのがいちごパン、時計回りにお豆パン、くるみベーグル、レーズンパン、いちごクリームパン。この中のイチオシはいちごパン。いちごの果肉が練りこんであって、甘酸っぱい。いちごの形が栗に見えなくもないところがご愛嬌。定番「きっとちゃん」もどう見てもウサギに見えません。おそらく焼く前はうさぎなんだけど、焼くと膨らんでああなるのでは?

餡やクリームにせずに、豆とか、くるみ、レーズンといった果物等を練りこんで焼いたパンの自然な甘さと食感が好きです。だから「きっとちゃん」も好き。

うちに帰っていちごパンにかぶりついたら、お店のある岩村町富田の味がしました。(ほんとに)

IMG_2560.jpg

松浦軒本舗とかめや菓子舗のカステラは、賞味期限が前者は約1週間、後者が約1ヶ月。原材料もちがいます。前者のほうが「ぐりとぐら」のカステラを彷彿として、気に入りました。素朴な味のお菓子です。十分甘いので砂糖抜きの紅茶か、渋い煎茶といっしょにいただきたい。

あれこれ飲んで食べて、満足の1日でした。

(おしまい)

続きを読む "[Apple Watch 旅] 恵那市岩村の魅力は、人と自然、そこから生まれる美味しいもの 2" »

2016年5月26日 (木)

[Apple Watch 旅] 恵那市岩村の魅力は、人と自然、そこから生まれる美味しいもの

明日の休日は晴れそうだから、どこかへ出かけたい。

それなら去年11月に訪れた(岐阜県恵那市)岩村に行こう。半年ぶりにキット(kitto!)で窯焼きパンを買って、岩村茶寮で「おいしいコーヒー」をいただこう。あ、岩村名物のカステラも買わなくちゃ!

iPhoneの「Y!乗換案内」アプリで明知鉄道岩村駅までの乗り換えを確認し、モバイルバッテリーを充電器につないで就寝。翌朝、JR千種駅から中央線快速で恵那へ。

IMG_2526.jpg

恵那駅で大勢降りるから何事かと思ったら、駅前でチラシを配っていました。「緑深まる大井ダム堰堤と木曽川の急流を跨ぐ東雲大橋を歩こう」という、JR東海の「さわやかウォーキング」というイベントです。約10kmを2時間半で歩くらしい。

が、今日のわたしは歩きません。前回、馬籠宿から妻籠宿まで中山道を歩いたから今回は歩きません。岩村駅でレンタサイクルを借りるからcrocs(サンダル)を履いてきたのです。山歩き用モントレイルはもう暑いです。

IMG_2528.jpg

明知鉄道の出発まで1時間あるので、駅前の喫茶店「まいか」でモーニングをいただきました。朝のコーヒーとしては深煎り過ぎず、美味しかった。今日の文庫本は『純喫茶トルンカ』。東京の谷中が舞台だけど、喫茶店で読むのにぴったりの一冊です。

IMG_2529.jpg

出発時間が近づいたので、明知鉄道の恵那駅に戻ります。一両編成のディーゼル車が待っていました。エンジンがかかったままだと結構うるさい。

IMG_2530.jpg

2度目だから、ずっと車窓を眺めるわけでもなく、うとうとしながら30分ほどで岩村に到着。岩村駅でレンタサイクルを借りるつもりだったのに、午前10時なのに誰もいません。城下町の観光案内所にも置いてあるとHPに書いてあったから、そこまで歩きましょう。

最近「輪行」に興味があるんです。輪行とは、自転車を分解して(折りたたんで)専用袋に入れ、電車、バスなどで運ぶこと。それならば、レンタサイクルも不要なら、電車が来なければ自転車で走るという手もあります。車に積んでいくと、車まで戻らないといけないけれど、自分で持ち歩くのだから戻る必要はありません。好きな駅で降りて、好きな駅で乗ればいい。

問題は、いまのクロスバイク GIANT Escape R3 はちょっと重いのと、分解が手間でかさ張る点。軽い折りたたみ自転車のほうが手軽なんだけど、小径タイヤは中長距離が苦手なのと、輪行にしか使わないから普段は無用の長物。と、一長一短なのです。

IMG_2531.jpg

前回は中国人観光客の団体さんがいたので避けましたが、今回はカステラを買って帰ります。長崎カステラみたいに1本1,000円も2,000円もしたら困るところでしたが、小ぶりなカステラが1本500円程度とお手頃。松浦軒本舗(写真上)では、ふつうのカステラを購入。

IMG_2532.jpg

新装開店のかめや菓子舗(写真上)では「ゆずカステーラ」を買いました。食べ比べてみましょう。こちらの新店舗は作業場がガラス越しに見えて、奥には喫茶スペースがありました。

観光案内所にはレンタサイクルが2台あって、1台残っていたので、それを借りました。電動アシスト自転車が1日1,000円です。

IMG_2534.jpg

363号線を左折して、しばらく行くと左手に窯焼きパンの「キット」が見えます。車が何台か停まっているから今日も繁盛しているみたい。くるみパンが欲しかったんだけど、なかったのでくるみベーグルにしてと、テーブルのうえに並んだパンの中からめぼしいものを選んでいきます。

「きっとちゃんはまだ焼けてませんか」
「いま焼いていると思うんですけど、隣の窯にいる主人に聞いてもらえますか」
「声をかけてもいいんですか」
「みなさん、覗いてますよ」。

隣の小屋の窯を覗くと、きっとちゃんの小が焼き上がったところだったので、その場でいただきました。熱い。ホカホカです!

IMG_2538.jpg

そのまま363号線を進んで、左カーブをすこし登ったところに「農村景観日本一展望所」があります。昨年11月は稲刈り後だったけれど、今回は田植えが済んだところなので緑が多い。

IMG_2536.jpg

展望所には椅子とテーブルがあるので、さきほど買ったパンを食べましょう。居合わせたご夫婦にも「よろしければどうぞ!」。

IMG_2535.jpg

くるみ、いちじく、いよかんが入った、うさぎ型のパンです。やっぱり焼きたては美味しい。それも、ひとりじゃなくて誰かと食べればもっと美味しい。スーパーで売っている菓子パンとちがって、作っている人の顔が見えるパンって素敵です。余計な添加物が入ってないのもいい。

(つづく)

2016年5月24日 (火)

図書館の魔女 (下) (高田大介)

図書館の魔女(下)
図書館の魔女(下) 』は、隣国ニザマの宦官宰相ミツクビが、アルデシュの弱みにつけこんで戦争を起こそうと画策するのを防ごうとする「図書館の魔女」のお話です。

あからさまな「魔法」は出てきませんが、呪いは健在。実際、マツリカの利き腕である左手が封印されてしまいます。これでは手話ができず、マツリカの言葉が奪われたも同然。と、敵も考えたわけです。

ところが、相手は「鬼神のごとき知謀を、どこか歪な心性の上に載せた図書館の魔女」です。そんなことで彼女の「言葉」を奪うことはできません。

いわゆるヒロイックファンタジーではありませんし、マツリカは剣に頼ることを潔しとはしません。それじゃ一体どうやって戦争を止めるのか。そこが見どころです。

マツリカいわく「この時代の狂気にはうんざりだ」。できれば図書館に籠もっていたいけれど、それでは身近な仲間の境涯すら守ることができない。だから闘うのだと。

翻って、現代も新聞には毎日のように「時代の狂気」が溢れています。罪を罰するだけでなく、罪を生む土壌を変えていく努力が求められているのですが、残念ながらそんな国家は存在しないようです。

それにしても「エピローグ」が長かった。疲れました。続編『図書館の魔女 烏の伝言 』は、しばらくしてから読みます。

お勧め度:★★★★★

2016年5月22日 (日)

図書館の魔女 (上) (高田大介)

図書館の魔女(上)
図書館の魔女(上) 』は"Boy meets girl”ファンタジー。山里で修行を積んできた少年キリヒトは「高い塔」と呼ばれる図書館に迎えられました。「図書館の魔女」マツリカの手話通訳見習いとして。

マツリカは耳は聞こえるのですが話すことができません。ふたりの女性司書ハルカゼとキリンが手話通訳もこなしていたのですが、彼女たちも多忙なため、新人を投入したという設定。ただ、キリヒトは山で炭焼きをしていたことしかわかっていません。

「高い塔の魔女」と繰り返されると「塔の魔女といえばケモミミのたんぽぽ」を連想してしまい、頭のなかは大混乱。倉石たんぽぽは、コミック&アニメ『ウィッチクラフトワークス』の、ちょっとお馬鹿で憎めない魔女なんです。マツリカはどちらかといえば「工房の魔女・火々里 綾火」だけど性格はずいぶん違う。綾火は多華宮 仄を守っているけれど、マツリカが守るのは図書館であり、自国を含む世界の平和、かな?

祖父である先代「図書館の魔法使い」タイキから役目を引き継いだマツリカはまだ15歳くらいでしょうか。外見に似合わずじゃじゃ馬で毒舌家。お嬢様とかお姫様と呼ばれるのが大嫌い。そのギャップが可笑しい。

図書館の魔女(魔法使い)といっても魔法を使うわけではなく(いまのところ)薬や呪術が出てくる程度。それよりも、タイキが周辺諸国を巻き込んだ戦争を秘密裏に回避した逸話が残っているように、情報を集め、分析し、作戦を立て、実行する「戦略家」だといえるでしょう。実際、自国の王室と議会に大きな影響力を持っています。そういう意味では(裏の)政治家ともいえるでしょう。だから敵も多いわけです。

マツリカもキリヒトも生い立ちなどの説明がないまま、章が進んでいって、あとになって、周辺の人物も含めて紹介されるので、なにか「事」が起きるよりも「説明」が長くて、世界観はよくわかるのですが、やや退屈。上巻終盤になってキリヒトが発見したことからマツリカが推理して、ふたりでちょっとした冒険をします。

マツリカのセリフは手話か、通訳者の声なのですが、小説ではマツリカ自身の言葉として書かれます。街で聞きかじった「一言」から事件を推理するなど「言葉」がとても大切にされます。その流れの「図書館」なのです。

ちなみに、上巻が650ページ、下巻が800ページあります(文庫版は4分冊)。読み応え抜群です。

お勧め度:★★★★★

2016年5月20日 (金)

京都はんなり暮らし (澤田瞳子)

京都はんなり暮し: 〈新装版〉 (徳間文庫)
京都はんなり暮し 』は、京都生まれ京都育ちの小説家・澤田瞳子が書いた京都エッセイ集。小説『若冲』を読んだので、どんなエッセイなのかと手にとってみました。先日日本経済新聞で、京都「錦市場」の歴史と合わせて『若冲』の作者が紹介されました。

私がいつも豆餅と桜餅を買う「出町ふたば」は「お餅屋」であって「お饅屋」でもなければ、ましてや「お菓子屋」でもないとか。お菓子屋というのはお茶席で出される和菓子を扱うお店だそうです。知らなかった。

京都御苑は広くてのんびりできるから好きなのですが、あの砂利のうえを自転車で走るのは結構たいへん。砂利に細く自転車の通り道ができているのを「御所の細道」と呼ぶとか。「たしかに!」(笑)

決してガイドブックではないのですが、行ってみたいところ、食べてみたいものが見つかるたびに iPhoneにメモしておきました。今度京都に行ったときには探してみます。

祭事や名所の歴史や文化がしっかり紹介されているのも興味深い。「京都本」は何冊も読みましたが、この本は「地に足がついている」感じがして良いですね。

お勧め度:★★★★★

2016年5月18日 (水)

[Apple Watch] 夏向きベルト「ウーブンナイロン」

Apple Watch Sport のブラックスポーツバンドは、寒い季節はよいのですが、夏は見るからに暑苦しくていけません。昨年は、長男が「父の日」にCastifyのバンドをプレゼントしてくれて、それを着けていました。しかし、半年ほどでバンドの色(塗装)が剥げてきて退役。

IMG_2518.jpg

Appleから新しいバンドが発売されたので、ウーブンナイロンのパールを選んでみました。パールというよりシルバーっぽい。カジュアルな布ベルトに見えますが、光沢があって、意外と上品です。

IMG_2519.jpg

Castifyも取付部分に不具合はなかったものの、やはりApple純正のほうが作りがしっかりしていて安心できます。

これまで持っていた腕時計では(気分転換に)ベルトを換えたことはありません。工具なしでワンタッチで交換できるから気軽。あなたもどうですか?

お勧め度:★★★★★

2016年5月16日 (月)

えんま寄席 江戸落語外伝 (車浮代)

                  
えんま寄席 江戸落語外伝
      『えんま寄席 江戸落語外伝 』は「落語の世界の住人が死後にやってくる」と紹介されているから、亡くなった落語家が閻魔様のまえで一席披露するのかと思ったら、そうではなくて、4つの落語噺をつなげて、その落語の登場人物を閻魔様が裁くホラーミステリー、になるのかなぁ?
      
      今年になって文楽を見るようになって、落語にも興味があるので読んでみました。「芝浜」「子別れ」「火事息子」「明烏」という落語は実際にあって、オチ(下げ)を変えたり、話をつないだりしながら「落語ミステリー」に仕立てたもの。
      
      読んでいるうちに「この人はさっきの話の奥さんか」とわかってくるのですがややこしい。落語にくわしい方は、元ネタがわかるから楽しめる部分もあるでしょうが、元ネタを知らない私は戸惑うばかり。そもそも、これらの噺を聞いて笑えるのでしょうか? 暗い話が多いのですが。
      
      閻魔様登場以前に、実際の落語噺ありきなので、素人にはとっつきにくいというか、あまり楽しくなかった。落語にくわしい方が読まれたほうがよいかと思います。
      
      お勧め度:★★★☆☆
      

2016年5月14日 (土)

浄瑠璃を読もう (橋本治)

浄瑠璃を読もう
浄瑠璃を読もう 』は、人形浄瑠璃(文楽)の解説書。これまで、わたしが2回観た文楽は、絵本太功記(夕顔棚の段、尼ヶ崎の段)と日高川入相花王(渡し場の段)、それに「妹背山婦女庭訓」。加えて今月末の中日文楽で「壺坂観音霊験記」「本朝廿四孝」を観る予定。だから、以下の4章と8章を読んでみました。

1. 『仮名手本忠臣蔵』と参加への欲望
2. 『義経千本桜』と歴史を我等に
3. 『菅原伝授手習鑑』と躍動する現実
4. 『本朝廿四孝』の「だったらなにも考えない」
5. 『ひらかな盛衰記』のひらがな的世界
6. 『国性爺合戦』と直進する近松門左衛門
7. これはもう「文学」でしかない『冥土の飛脚』
8. 『妹背山婦女庭訓』と時代の転回点

『本朝廿四孝』について、大胆かつ明解な考察がされています。
近松半二の功績は「斎藤道三と太田道灌は名前の一文字が同じだ」ということと「山吹の歌の”蓑がない”は”美濃を失った”にも解釈できる」と考えてしまったことだけである。それだけでこういう作品を作ってしまうのが近松半二で、さすが「春は曙」から川中島の合戦を導き出してしまう人である。そういう作品だから、ここから「人の世のあり方」というようなめんどくさいことを引っ張り出そうとしても、無駄である。
『本朝廿四孝』は非常に複雑なストーリーなので説明しろと言われても難しいと言いつつ「考えても無駄」だと一刀両断。新潮社から出版されているハードカバーの単行本で、人形浄瑠璃を大真面目に論じているのですが、スッパリ切って捨てる痛快さが身上です。

『妹背山婦女庭訓』も見たことのある段はわかるのですが、そうでないところはさっぱり。文章が長いので(見たことがないと)興味が持続しないという事情もあります。

「三味線がかっこいい」「人形がかわいい」でもいいのですが「なんでそうなるの?」という疑問を持ってしまった方には手頃な参考書になるでしょう。

本書は浄瑠璃鑑賞の予習、復習に重宝しそうです。

お勧め度:★★★★★

2016年5月12日 (木)

浄瑠璃素人講釈 (上)(下) (杉山其日庵)

浄瑠璃素人講釈〈上〉 (岩波文庫)
浄瑠璃素人講釈 』は「明治人形浄瑠璃界を代表する二人の太夫、竹本摂津大掾(二代目竹本越路太夫)と三代目竹本大隈太夫、およびその周辺の芸談芸話を、二人の後援者であり、弟子でもある杉山其日庵(本名杉山茂丸)が、評釈を加えつつ記述したものである」と「解説」にあります。また「義太夫節浄瑠璃の「風」(ふう)というものを、素人の其日庵に、熱心に説き聞かせ、其日庵がその「風」探求の理念と実際を「芸道のために日本に初めての試み」として、口伝ではなく書物に著したのが本書である」。

実際の章立ては「傾城冥土飛脚」の「新町封印切の段」から「ひらかな盛衰記」の「逆櫓の段」まで外題ごとに、師匠とのやりとりから、義太夫の難しさなど思うところをまとめています。

素人とはいえ、ここまでやるとは、人生を半分賭けてます。見たことのある段でなければ、書いてある内容がさっぱり理解できませんが、技芸員を目指すのであれば必読書なのでしょう。

お勧め度:★★★☆☆

2016年5月10日 (火)

ケイロンの絆〜グインサーガ 138 (宵野ゆめ)

ケイロンの絆 (グイン・サーガ)
ケイロンの絆』は、グインサーガ138巻、続編プロジェクト正伝8巻目になります。久しぶりに書店の新刊書の棚に並んでいるのを見つけて買いました。

パロほどではないにしろ、ケイロニアも黒死病をはじめとして踏んだり蹴ったりの目に遭って国力は低迷中。そこに皇帝の崩御が重なり国民の動揺はおおきい。そこでケイロニアの新皇帝として立ち上がったのがオクタヴィアです。

ヴァルーサが生んだ双子もパロの双子を彷彿とさせ、将来を期待してよいのやら、期待半分、不安半分。シリウスにしてもマリニアにしても、生まれてきた子供に罪はありません。それを周りの大人が良い方向に持っていく責任があります。ただ、誰の血を引いているかによって運命は左右されます。怖いもの見たさで、子らの成長が楽しみです。

今回も伏線があちこちに張られて、話がどんどんややこしくなっていきます。過去の経緯もありますから、伏線を管理するだけでも大変ですね。>編集部

続編プロジェクトにも慣れてきたものの、ふと「なんだか軽いなぁ」と物足りなく感じることがあります。でも、それは同じ物語でも太夫(語り手)によって印象が変わる文楽とおなじ。太夫によって上手下手もあれば、癖や味もある。そういった部分を楽しむことにします。

お勧め度:★★★★☆

2016年5月 8日 (日)

書店主フィクリーのものがたり (ガブリエル・ゼヴィン)

書店主フィクリーのものがたり
書店主フィクリーのものがたり 』は、妻を亡くした、偏屈な店主フィクリーの店先に捨て子が。マヤという名の女の子は施設に送られ里子に出されるはずだったのですが…。

アリス島という小さな島の唯一の本屋さん「アイランドブックス」なんて、ファンタジーなのかしらんと思ったら、マサチューセッツのハイアニス港からフェリーで渡るというから(一応)現代小説です。でもナンタケットではなく架空の島らしい。

本土の出版社の営業担当が訪ねてきても無愛想なフィクリー。本の好みがじつにうるさい。P22-23にかけて延々と書いてあり、その偏屈ぶりには頭が下がります。なかには、思わず頷いてしまうところもあったりして。(笑)

とにかくマヤちゃんがかわいい! フィクリーの元へマヤがやってきてから彼はすこしずつ変わっていきます。本を中心に人と人がつながり、マヤの世界も広がっていきます。思ったより深い「ものがたり」でした。本好きな方はぜひご一読あれ!

完璧な人生なんてない。だけど、幸せって意外と身近にあるもの。

電子書籍は借り物のテキストデータであって、手に取ることができる本とはちがう。必要なときにダウンロードできるのは便利だけど、手元に置いてじっくり読むなら、バッテリーの心配が要らない「本」がいい。そのほうが落ち着いて想像の世界に遊べるから。

お勧め度:★★★★★

2016年5月 6日 (金)

[Apple Watch 旅] 旧中山道を歩く「妻籠宿」

馬籠宿から妻籠宿に着いて、ホッとして歩いていると和菓子の丁兼(澤田屋)さんで「朴葉巻」を見つけました(5個入り840円)。

IMG_2493.jpg

朴葉味噌で有名な朴の葉でつぶあん入りの餅を包んで蒸したもの。5個の餅を包んでいる葉っぱは茎でつながってます。わたしのは葉が6枚あって、うち1個の餅を2枚で包んでありました。これは手作りですね。

IMG_2500.jpg

檜のような木の香りがする朴の葉が季節を感じさせてくれます。5月〜7月のお菓子です。店の表のベンチで休憩がてらおやつにいただきました。

IMG_2501.jpg

もうすこし行くと妻籠宿本陣がありました。向かいの脇本陣奥谷、歴史資料館との共通入場券は700円。たとえ有料でもせっかく来たのですから素通りはしたくありません。面白いものがあるかもしれないじゃないですか。

IMG_2503.jpg

脇本陣は外国人旅行客の団体さんでいっぱい。案内のガイドさんが数名いらして、英語だけでなくスペイン語も飛び交っていました。写真上のように、囲炉裏では実際に火が燃えていて煙かった。

IMG_2505.jpg

脇本陣を裏へ抜けると歴史資料館があるのですが、中庭のようなところに休憩所(東屋)があって、庭と遠くの山を眺めながらの読書タイム。最高です!

IMG_2506.jpg

今日の本はトレイシー・シュヴァリエの「真珠の耳飾りの少女」。フェルメールの絵のモデルになった娘のお話です。でも、やはりここでは島崎藤村のほうがしっくり来ますね。

妻籠宿からJR南木曽駅までバスが出ているのですが、本数が少なくて、1本乗り過ごすと2時間、3時間待つことになったりするのが困ります。健脚であれば南木曽まで歩くという選択肢もあるのですが、わたしは遠慮しておきます。ちょっと慌ただしいけれど、早めのバスで山を下りることにしました。

IMG_2507.jpg

おっと、そのまえに「ゑびや」さんで豆大福を買いました。結局、朴葉巻は全部食べちゃったので、これはおみやげです。栗きんとんが名物のようですが、豆大福のほうが好き。おみやげは自分が好きなものを選ぶ主義なのです。

IMG_2512.jpg

中津川の松葉というお店の豆大福なのですが、これはアタリです。京都出町ふたばの豆大福(豆餅)は赤えんどうだけど、これには黄色い豆が入ってて、なにかと思ったらどうやら大豆らしい。餡も甘すぎず、食感に変化があって美味です。

馬籠宿も妻籠宿も立派な観光地です。江戸時代のテーマパークといってもいい。お膳立てされた感が気になって仕方ありません。

だけど、商売として成り立っていかないと街並みの保存も覚束ないでしょう。観光客としては文化遺産を残していく一助となれば、と願うばかりです。あとは、こちらがなにをどう見るか、でしょう。

旅をするには「歩く」しかなかった江戸時代と、自家用車、バス、バイクもあるけれど、あえて「歩く」現代。移動手段によって見えるものはちがってきます。宿場町や中山道自然歩道は原則として車両通行禁止ですから「歩く」ことで見えてくるものがあるはず。

道路渋滞や駐車場を心配することなく、たまには文字通り「足の向くまま、気の向くまま」の旅をしてみませんか?

(おしまい)

続きを読む "[Apple Watch 旅] 旧中山道を歩く「妻籠宿」" »

2016年5月 4日 (水)

[Apple Watch 旅] 旧中山道を歩く 馬籠宿から妻籠宿へ

馬籠宿から妻籠宿まで旧中山道を歩くことにしたのですが「そういえば恵那山はどこ?」。名古屋市内からでも空気が澄んだ日には恵那山(2,191m)が見えるのです。それがここからなら反対側(北側)から臨むことができるはず。

IMG_2474.jpg

おぉ、恵那山だ! 馬籠上からすこし登ったところに展望スペースがありました。しばらく双眼鏡で眺めて満足。

さて、ここから妻籠宿へ向かって歩きます。案内板によると妻籠宿まで7.6km。Simple Loggerというアプリで移動経路を記録してみます。

IMG_2477.jpg

ちょこちょこ上ったり下ったり、車道を渡ったり、あまり中山道という感じがしません。所々に鐘が立ててあって通りすがりに鳴らしていく人がいるから「クマでもいるのかな」と思ってたら「熊出没注意」の看板。ほんとに出るんだ…。

IMG_2479.jpg

30分ほど歩くと馬籠峠に到着。峠の茶屋がありました。Simpel Loggerの画面は下図のとおり。自分がどのあたりを歩いているのかわかって便利です。ただ、GPS機能を使うので、iPhoneにサブバッテリーをつないだ状態で持っています。

IMG_2480.jpg

ここからは石畳や舗装ではなく、土の地面を下っていきます。

IMG_2481.jpg

舗装などないほうが江戸時代を彷彿としていいじゃないですか。こんな山道を歩いて江戸まで旅したんですね。江戸時代の人のほうが体力があったのかな。

IMG_2484.jpg

あ、しだれ桜だ! 山の上のほうにもところどころ薄桃色が見えたのは、やっぱり桜だったんだ。左手の古い民家は無料休憩所。外国人のご夫婦も休憩中。お茶と飴をいただきました。中山道を歩いている外国人はどうも西洋人ばかりで東洋人はほとんど見ません。中国人は観光スポットだけバスで移動しているのでしょうか。それじゃ日本を実感できないでしょうに。

IMG_2490.jpg

途中、男滝女滝(おだき・めだき)に寄り道。ここは吉川英治の小説「宮本武蔵」の舞台となった滝。写真上が男滝、下が女滝です。女滝のほうが好きだな。

IMG_2491.jpg

大妻籠には「旅籠」が軒を連ね、江戸時代にタイムスリップした気分を味わえます。ただ、旧中山道といっても、車道を渡ったり、車道を歩いたりする部分が多々あるのが興醒め。せっかく江戸時代気分に浸っているのに、いきなり現代に引き戻されます。

逆に、だからこそ途中まで(から)バスを使うこともできたりして、気軽に江戸時代ムードを味わえるメリットがあるのでしょう。

IMG_2492.jpg

やっと着きました、妻籠宿。たいした距離は歩いていないけれど、人気がなくて熊が出るような山の中から宿場に着いたときにホッとする気持ちがすこしわかりました。

IMG_2495.jpg

馬籠宿から妻籠宿まで7km、2時間(休憩時間を除く)でした。画面の経路上にカメラアイコンがあるのは、そこで写真を撮ったから。タップすると写真が表示されます。また、Simple Loggerでは下図のように高低差も出ます。

IMG_2515.jpg

馬籠峠が標高801mだから、そこからずっと下ってきたことがわかります。逆にいえば、妻籠宿から馬籠宿に歩くと、だらだら坂がずっと続くので疲れそう。馬籠宿から妻籠宿へ歩いたのが正解だったのかも。

9kmというのは、馬籠宿と妻籠宿も含めた距離なのでしょう。馬籠宿を出て、妻籠宿に着くまでは7kmだったわけです。また、坂があるといってもたいしたことはなく、ハイキング気分で歩けます。醍醐寺の上醍醐への道はもっとつらかった。たった2.6kmとはいえ、あれはまさに修行です。

なにはともあれ、妻籠宿に無事到着です。

(つづく)

2016年5月 2日 (月)

[Apple Watch 旅] 旧中山道を歩く「馬籠宿」

「GWはどこも人でいっぱいだろうなぁ」と思いつつ、それでもせっかくの休日だからとパソコン(Mac mini)に向かって、愛知近県で面白そうなところを探します。

ふと思い出したのが、昨秋、岐阜県恵那市岩村町を訪れた際、喫茶店「岩村茶寮」のマスターに「馬籠宿は中津川駅からバスで行けますよ」と聞いたこと。ちょっと調べてみて「うん、決定!」

IMG_2453.jpg

JR千種駅から「特急ワイドビューしなの」に乗って43分で中津川に到着。以前各駅停車に乗ったこともあるのですが、1時間半もかかるので懲りました。特急料金を払ってでも体力は温存しておきたい。

中津川駅には外国人観光客向けのパンフレットも用意されていました。その一部にお勧め料理が載っています。

IMG_2510.jpg

寿司、蕎麦、酒は有名かもしれないけれど、五平餅、鰻、丼は(自分が外国人だったら)見た目がちょっと怖い。それとピザやスパゲッティは載せる必要があるのかな? 英語パンフはいろいろと愉快です。

駅前の馬籠行きバス停(3レーン)から25分で馬籠宿に到着(560円)です。

IMG_2458.jpg

暑くもなく寒くもなく、いい天気です。まわりは全部「やま」です。

馬籠宿は、馬籠下と馬籠上に分かれていて、さらにその上に馬籠峠があります。京都山科の醍醐寺(下醍醐と上醍醐)を思い出します。

IMG_2459.jpg

馬籠宿は自然遊歩道になっていて(昼間は)自動車は入れません。小腹が空いたので白木屋さんで五平餅をいただきました。馬籠のは平らではなく丸い団子状です(1本150円)。また、店先で竹の子を売っていました。

IMG_2460.jpg

あ、ここ写真で見たことある! 宿場入口の枡形と水車です。江戸時代の雰囲気が漂います。いまは右手にショートカットするスロープがあります。

IMG_2463.jpg

清水屋資料館に立ち寄りました(300円)。清水屋は島崎藤村の作品「嵐」にでてくる「森さん」こと原一平の家とのこと。ゆうべ、青空文庫で「嵐」を読んできたので、当時の様子を想像できて楽しい。

IMG_2464.jpg

もうすこし坂を上っていくと右手に観光案内所があって、その向かいが藤村記念館です。馬籠宿の藤村といえば『夜明け前』。「木曽路はすべて山の中である」で始まる長編小説です。昔読んだことがあるけどうろ覚えなので読み直そうと思ったけれど、一晩では無理でした。これも青空文庫にあるのでどうぞ!

IMG_2465.jpg

約25分のDVDで島崎藤村を紹介している部屋がありました。昔の小学校にあったのか、木製のちいさな椅子がかわいい。

IMG_2467.jpg

庭の周囲にベンチあって、楓の木陰で(iPhoneで)『夜明け前』を読むのが気持ち良かった。表通りは人が多くても、有料施設内は空いていて静かなのがありがたい。

馬籠宿まで来たら、次の宿場町・妻籠宿へも行きたい。バスもあるものの本数が少なくて利用しづらいので、中山道を妻籠宿まで歩いてみることにしました。ホームページによると「約9km、3時間」かかるそうですが、そんなに険しい道なのでしょうか。

中山道自然歩道ごあんない」(PDF)を見ると、馬籠宿から馬籠峠までが上りで、峠から妻籠宿まではゆるい下り坂が続くらしい。これなら3時間もかからないはず。

そのまえに腹ごしらえしておこうと近江屋さんで「ざるそば大」を頼みました。

IMG_2471.jpg

ほんとに大盛りです。観光地の飲食は高いのが相場ですが、これで800円なら納得。お腹いっぱいになりました。さて、腹ごなしに歩きますか。

(つづく)

続きを読む "[Apple Watch 旅] 旧中山道を歩く「馬籠宿」" »

« 2016年4月 | トップページ | 2016年6月 »