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2016年3月 6日 (日)

楽園のカンヴァス (原田マハ)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス 』は、パブロ・ピカソと同時代の画家アンリ・ルソーの作品をめぐる密かな闘いを描く物語。ミステリー仕立てのアートサスペンスっぽいところがあって素敵な小説です。

冒頭、倉敷の大原美術館から始まります。数年前、長男と四国ドライブの帰りにふらっと立ち寄ったとき「こんなところにエル・グレコがある!?」。懐かしいなぁ、と思っていると、舞台はニューヨークからバーゼルに移っていきます。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター(学芸員)ティム・ブラウンは、スイスのバーゼルにあるコンラート・バイラー邸に招かれ、そこで若き研究者・早川織江と出会います。バイラーから与えられた課題は「ルソーの『夢をみた』の真贋を含めた講評を1週間後に聞かせてほしい。それまで1日1章ずつ、この本を読んでほしい。勝者がこの絵を自由にしてよい」というもの。

わたしが半ばまで読んできて、ピカソが物語の鍵を握っているようで、ルソーよりもまずピカソが気になってきました。そういえば、いま名古屋でピカソの展覧会をやってなかったっけ? 調べたら愛知県美術館で「ピカソ、天才の秘密」を開催中だったので早速観てきました。

絵画だけ鑑賞するのではなく、作者の生き様を知り、その作品が生み出された背景を知ることで面白味が増します。ピカソの1909年の作品「裸婦」の正面の椅子に座って、人が通り過ぎる合間にずっと眺めていたのですが「これのどこが裸婦なんだ」かわかりません。キュビズムとはよくいったもので、立方体のフィルターがかかっていて、元の映像が見えてきません。

そもそも展覧会でちょっと見たくらいでわかるものではないのかもしれないけれど、私には理解できそうもないと降参して美術館をあとにしてから「ぼくの見方がちがったのかも」。

「絵画の裸婦とはこういうものだ」という自分の思い込みにピカソの絵を当てはめようとするから無理がある。そうではなくて、ピカソが見ていたものを思い描くことで見えてくるものがあるのでは? この本を読んで、わたしの絵画の見方(楽しみ方)が変わりました。

さて「夢をみた」の権利はどちらの手に!?

お勧め度:★★★★★

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