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2016年2月27日 (土)

東京すみっこごはん (成田名璃子)

東京すみっこごはん (光文社文庫) 東京すみっこごはん 』は、商店街のはずれにある木造の古い一軒家。そこには「すみっこごはん」と看板がかかっているから食堂かと思ったら、どうやら共同台所らしい。その日集まった人たちがくじ引きで調理担当を決めて夕食を共に食べる場所。

年齢も性別も性格も、なにもかもバラバラな人たちの中に入った女子高生の楓は、レシピノートを見ながら、先輩に教えてもらいながら、台所に向かったのでしたが…。

じつは楓は、学校ではイジメに遭い、自宅では祖父と話しづらくなって、居場所を失っていたのです。とくに子供には居場所が大事。家庭と学校だけでなく、それ以外に「逃げ場所」がほしい。そうしないと精神的に自分を守りきれなくなることがある。そういう意味で「すみっこごはん」は面白い。

「この世界は大きな鍋で、人は昆布や鰹節みたいなものかもしれない。みんな、それぞれの味を出しながら、世界という一つの大きな味をつくって暮らしているのだ。」

みんなが参考にするレシピノートは誰が書いたのか。永久欠番の席は誰もものなのか。誰も知らない「すみっこごはん」の成り立ちがひとつの謎で、それを追っていくことで物語が感動のラストに向かいます。

お勧め度:★★★★★

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