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2016年1月

2016年1月28日 (木)

ヤッさん (原宏一)

ヤッさん (双葉文庫) ヤッさん 』は、銀座のホームレスが、築地と料理店の橋渡しをしながら「矜持をもって」生きていく様子を描いたユーモア小説。ヤッさんに拾われ、飯を食わせてもらった タカオは「弟子入り」して鍛えられていくという、冗談みたいだけど、妙にリアルなお話。
  1. ホームレスのグルメ帳
  2. ラブミー蕎麦
  3. 籠城レストラン
  4. 築地の乱
  5. 松の木コテージ
  6. ターレの行方

続編も出ているけれど、この一冊で見事に完結していて、久々に感動しました。満腹。ごちそうさま!

お勧め度:★★★★★

2016年1月26日 (火)

居酒屋ぼったくり 3 (秋川滝美)

居酒屋ぼったくり〈3〉 居酒屋ぼったくり〈3〉 』はシリーズ第3弾。店名に思わず引いてしまいますが、実際は亡くなった両親の店を守る姉妹が営む、きわめて良心的な居酒屋。酒を飲まないわたしでも、日本酒が飲みたくなる本です。
  1. 猫の絆 人の絆
  2. 本来の価値
  3. 距離の取り方
  4. 木枯らしが吹く季節
  5. 冬が終わりを告げる日
  6. 再会の春

客同士の掛け合いなど「上手いなぁ」と思わせてくれるようになりました。いつも閉店間際にやってくる要と美音との今後も気になります。

お勧め度:★★★★☆

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2016年1月24日 (日)

任侠書房 (今野敏)

任侠書房 (中公文庫) 任侠書房 』は「任侠シリーズ」第1弾。東京下町で小さな組を構える阿岐本組長はヤクザではあるけれど文化事業が大好き。損得勘定ではなく再建話に首を突っ込んでしまうので、代貸の日村誠司は苦労が絶えません。

今回は神田の小さな出版社を建て直しに、組長は社長に、代貸は役員として乗り込むのですが…。

シリーズ第3弾『任侠病院』、第2弾『任侠学園』と逆順に読んできて、やはり『任侠学園』がいちばん面白い。

シリーズの共通点は、経営が破綻しても従業員は基本的に優秀だということ。だから、ちょっとした手助けで再建への道を動き出す。そりゃそうですよね。全員「使えない」となったら、阿岐本組の人材では(教師とか医者とか)どうしようもありませんから。

パターン化しているからこそ、安心して読める小説です。

お勧め度:★★★☆☆

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2016年1月22日 (金)

佳代のキッチン (原宏一)

佳代のキッチン (祥伝社文庫) 佳代のキッチン 』は、失踪した両親を探すため、軽ワンボックスで「移動調理屋」を営みながら、手がかりを求めて日本中を駆け巡る佳代30歳のお話。お客さんとの触れ合いが泣けます。
  1. キャベツの子(東京:荒井薬師)
  2. ベア五郎(横須賀)
  3. 板前カレー(京都)
  4. コシナガ(松江)
  5. 井戸の湯(東京:押上)
  6. 四大麺(盛岡)
  7. 紫の花(ニセコ)

第3章、京都では、梨木神社の染井の水を汲み、衣棚通にクルマを停めて営業していたとか。南禅寺裏から起きてきて、京都御苑の東で水を汲んで、西で営業してたのか。西といっても錦市場が近いというから、御池通の南あたりでしょうか。長男が京都に下宿していたとき、染井の水を汲んで米を炊いてみたけれど違いがわからんかった。

佳代が作った賄いカレーの材料は、鶏出汁、半端野菜(人参の切れ端と厚く剥いた皮、セロリの切れ端と葉っぱ、大根の切れ端と厚めに剥いた皮、椎茸の石突、 玉葱の切れ端、赤ピーマンの切れ端、インゲンの端っこ、茄子の残り、トマトの残り、ジャガイモの残り、香菜の茎)、豚バラ肉、プレーンヨーグルトにコーンフレークの14種類。コーンフレーク入れたら一体どうなるんだろう?

第4章、佳代のミートボールは、豚バラブロック肉を細かく切ってから包丁で叩いてミンチ状にしたものに、つなぎとしてクスクスとお麩を砕いたものを入れているとか。今度クスクスを試してみよっと!

両親探しという縦糸に、おいしいものを作り、お客さんに満足してもらうという横糸が絡んで、なかなか美味しい小説に仕上がっています。続編もあるようなので読んでみるつもりです。

お勧め度:★★★★★

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2016年1月20日 (水)

神様の御用人 4 (浅葉なつ)

神様の御用人 (4) (メディアワークス文庫) 神様の御用人 (4) 』では、神様の御用人見習いの良彦は、和歌山まで天道根命(あめのみちねのみこと)の御用を勤めに行きます。天道根命は神としての力が弱まり、過去の記憶が曖昧で、夢に現れては「忘れるな」と告げる女性が一体誰なのか調べてほしいと頼まれます。そのとき、その女性が挿していた簪(かんざし)を手がかりに、モフえもん(黄金)と供に調査するのですが…。

今回は一冊まるごと「天道根命」編なので読み応えがありました。大国主神(大国主命)が出雲から遊びに来て、良彦の部屋のベッドで漫画を読んでいるし、良彦も完全にタメ口なのが可笑しい。

古代史に興味のある方はぜひ!

お勧め度:★★★☆☆

2016年1月18日 (月)

[Apple Watch 旅] 養老鉄道 初詣サイクリング 2

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多度大社、おちょぼ稲荷と来て、最後に養老鉄道の終点・揖斐駅の北にある谷汲山華厳寺に行ってみることにしました。

揖斐駅から華厳寺までは約10km。お昼前後はバスがないので「電動アシスト自転車なら(バスがなくても)なんとか行けるかも」と思って電動車を借りたものの、揖斐駅発14:50のバスにちょうどよい時間になっていました。

しかし、そのバスに乗るには養老鉄道の大外羽駅13:40発の大垣行きに乗らねばなりません。おちょぼ稲荷から約9kmを30分で走れるか?

画像1のようにiPhoneのマップで目的地をセットして出発。あとは Apple Watch で、次の曲がり角までの距離を確かめながら、ひたすらペダルを漕ぎます。ハンドルを握っている時は画面が消え、手首を上げると画面が点灯するのは便利。

角を曲がるたびに Apple Watch を見るわけですが「1.3km 先で左方向」だけでなく、目的地までの距離も表示してほしい。あとどれだけ走ればいいのか知りたい。

ここで、試練が訪れました。

電動自転車のバッテリーが2台とも切れたのです。バッテリーが切れたら普通の自転車より重い分、たちが悪い。揖斐川を渡るのに坂を上ることになり「勘弁して〜」。

13:40に乗り遅れると、大体40分に1本しかないので、その後の計画はパァです。予定を変更して養老へ向かうか。でもバッテリー切れの自転車を漕いで? 脳裏を「次善の策」が駆け巡ります。

でも「最後まであきらめないぞ!」

腹を括ってベダルを漕ぎました。13:36になったとき、もうダメかと思ったのですが、それでも頑張って、線路が見えたのが13:38。駅はどこ? あ、あそこだ!

列車との競争に体力の限界を感じた頃、大外羽駅に到着。単線部分の無人駅です。自転車を押してホームに上がると同時に列車が入って来ました。間に合ってよかった〜。これも神仏のご加護か。

あとで気づいたのですが、列車の時間は13:42だったのを、わたしは13:40発だと思い込んでいたのです。あと2分遅かったら間に合わなかった。次男いわく「結果オーライだよ」。おっしゃるとおり。いい運動になりました。

地図を見るために一瞬でも立ち止まることはできなかった。iPhoneではなく、Apple Watch が道案内してくれたおかげで間に合ったのです。Apple Watchは自転車と相性がいい。

多度駅のレンタサイクルは、整備が行き届いているとは言えない(1台は変速できなかった)のと、平成22年製の電動車のバッテリーはせいぜい多度駅からおちょぼ稲荷への往復くらいしか保ちません。ご注意ください。

揖斐駅でレンタサイクルを返却して、駅舎(写真3)の外へ出ると、まったく人影がありません。バスの乗客はわたしたち以外にふたりだけ。運賃200円で大丈夫なのかなぁ。

25分ほどで谷汲山に到着。バス停のある駐車場から寺まで「徒歩10分」と看板があります。長い参道を、両側のお店を眺めながら歩いて行くと山門に着きます(写真5)。

Apple Watchのマップで見たのが画像6。岐阜市よりかなり北になります。西国三十三カ所満願霊場ということで、歴史のあるお寺のようです。杉木立に囲まれた本堂は雰囲気がありますが、ハートマークの入った灯籠に戸惑います。

季節がよければ、座ってゆっくり過ごしたいところですが、1月の午後4時ともなると寒い。帰りのバスの時間に合わせて戻る頃には、参道の屋台も店じまいしていました。(たい焼き食べそこねたぁ)

養老鉄道の桑名〜大垣間が約1時間、大垣〜揖斐間が約30分なので、いくらフリー切符があるとはいえ、桑名まで戻るよりも大垣からJRで名古屋へ戻ったほうが早い。(画像7)

豊橋行特別快速に乗って Apple Watch を充電しようとして、時計と充電器が離れないように持っているのも面倒なので、モバイルバッテリーを入れている任天堂ポーチに時計を留めました。(写真8)

写真9は、名古屋駅で買ったクラブハリエのバームクーヘン。前から気になっていたのですが、いつも行列で買えなかったのが今日は空いていたのです。ふわっと柔らかくて、口溶けがよく、フォンダン(砂糖衣)も薄くて甘すぎず、ちょうどいいアクセントになっています。15.9 x 15.9 x 5.7 cmで 1,080 円だから安くはありませんが、たまにはいいでしょう。おみやげ好適品です。ちなみに、クラブハリエって近江八幡市にあるんですね。

夕食は大垣でもよかったのですが、不案内だし、駅前は名古屋同様混雑しているだろうとスルー。結局、名古屋まで戻って、勝手知ったる店で塩ラーメンをいただきました。(写真10)

ラーメンはラーメン専門店がおいしい。中華料理屋さんのラーメンはいまひとつなことが多いような気がします。

そういえば、今回の「Apple Watch 旅」では、多度大社の甘酒しか買い食いができませんでした。食べたのは鰻の蒲焼きだけ。これはちょっと寂しい。道の駅「月見の里 南濃」にも寄ったのですが、果物やまんじゅうなど食指が動くものがありませんでした。

そもそも養老鉄道沿線は観光スポットがまばら。温泉も最後に入りたかったのですが、都合のよい場所になくて、養老は西に大きく外れているため寄ることすらできませんでした。養老鉄道サイクルトレインを利用しての観光は割り切りが大事。欲張らない方が賢明です。

念願のおちょぼ稲荷にお参りできたし、養老鉄道も端から端まで乗れたので満足です。

お勧め度:★★★☆☆

2016年1月16日 (土)

[Apple Watch 旅] 養老鉄道 初詣サイクリング 1

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愛知県海津市の千代保稲荷神社(通称おちょぼ稲荷)は、名古屋市内から西へ約35km。最寄駅が皆無で、クルマがなければ訪れるのに不便なところ。

自転車でも行けない距離ではないのですが、往復70km走るとなるとわたしには寄り道する余裕がありません。それではつまらないので、もっと良い(ラクチンな)方法がないかと思案していたところに天啓がありました。

昨年12月に桑名と多度大社を訪れた際、養老鉄道にはレンタサイクルがあって、列車に自転車を持ち込むことができること(サイクルトレイン)を知ったのです。

養老鉄道の駒野駅からなら、おちょぼさんまで約9km。レンタサイクルでも余裕です。しかも列車に持ち込めるなら行動範囲がグッと広がります。

というわけで、次男を誘って「養老鉄道 初詣サイクリング」です。

まずは名古屋駅から近鉄で桑名へ(画像1)。そこから養老鉄道に乗り換えて多度へ向かいます。今回は一日フリー乗車券(1,500円)を買いました。元が取れるかどうか微妙なところですが、いちいち券売機にお金を入れて買うのが面倒なのです。

多度駅でレンタサイクル(普通車 100円、電動車 510円)を借りて、多度大社へ初詣。

前回レンタサイクルがあると知らずに歩いたのですが、自転車だと10分ほどで着きます。100円で借りられるので養老鉄道でいらした方はぜひ自転車をご利用ください。

松の内は過ぎていましたが、参詣される方がそこそこいらして、拝殿でお参りしたあと、たき火に当たりながら甘酒をいただきました。気温は5℃(画像2)う〜ん、お正月だなぁ。あったまります。

次の列車の時間に合わせて多度駅に戻り、自転車ごと乗り込みます(写真3)。駅のホームに青いマークがあるところから乗ればいいみたい。しかし、いかに空いているとはいえ、自転車ごと乗るのは違和感というか罪悪感がありました。ミニサイクルならともかく、ママチャリはでかい!

そうして駒野駅に到着。おちょぼ稲荷は北東方向なのですが、正反対の南西方向に寄り道します。月見の森というところに温泉(水晶の湯)があるのです。寒いから暖まっていこうという作戦です。

画像4が「Y!乗換案内」の地図。狭い道を通りますが、地図上の黄色い道路に出れば、看板があるのでわかります。

目的地に近づくと、山の中腹に温泉らしき建物が見えます。ちょっと待て。あそこまで登るのか!?

と思ったら、自家用車もすべて下の駐車場に停めて、無料シャトルバスで「水晶の湯」まで上がるのです。12分間隔だというから片道5分ほど、マイクロバスがくねくね道を上っていきます。

温泉は大人510円。タオルさえあればOK。ベランダのようになっている露天風呂からは東の方角がよく見えます。ただ、しっかりお湯に浸からないと寒いです。

さっぱりしたところで、月見の森のてっぺんにある「月見広場」に上ってみました(写真5)。やや右手のほうに名古屋駅前のビル群が見えました。

再度、マイクロバスで駐車場まで下り、今度こそおちょぼ稲荷へ向かいます。iPhoneのマップで目的地をセットすれば、Apple Watch のマップも連動します(画像6)。

いままでは経路案内はさせずに、経路を「消去」して、目的地の目安にだけ利用していたのですが、今回は「出発」ボタンを押して案内してもらいます。

iPhoneのほうが広範囲を見ることができるので経路をイメージしやすい(画像7)し、音声ガイドもしてくれます。最初は自転車の前かごにiPhoneを置いて見ていたのですが、歩道の段差でiPhoneが飛び跳ねると壊れそうで心配だし、自転車で走りながらスマホの画面を確認するのは危険なのでやめました。

そこでApple Watchです。

Apple Watchの案内画面(画像8)は「あと何メートル先」を「どの方向に曲がるのか」しかわかりませんが、走っているうちにそれで十分だということがわかりました。腕時計をちらっと見るだけならば自転車に乗ったままでもできます。

実際それで無事、おちょぼ稲荷までたどり着きました。が、脇道から参道に入ろうとするとすごい人出(写真9)。これは自転車を押していくこともできないので、自転車を置いて歩いていきます。

参道の両側にはいろんなお店があって楽しい。串カツ屋さんと川魚屋さんが多い。おちょぼさんは毎月末日がにぎやかだと聞いていたのですが、今日もほとんどのお店が開いているようです。

境内入口で、揚げとロウソクのセットを50円で買って、ロウソクを灯し、拝殿で揚げを供えてお祈りしました。人波をかき分けて、なんとか脱出。こじんまりとしたお稲荷さんですが、雰囲気があって良い。にぎやかで活気があるのも良い。

さて、おちょぼさんでは鯰(なまず)の蒲焼きを食べてみようと決めていました。だから次男を誘ったのです。以前ふたりで伏見稲荷に行ったときに「雀の焼き鳥」を食べたので、お稲荷さんで変な物(失礼)を食べるときは次男が担当なのです。(笑)

「伏見稲荷、豊川稲荷、千代保稲荷を日本三大稲荷と呼ぶことがある」とWikipediaにあったけれど、豊川稲荷に「変な物」はあったかな? 次男を連れていっても稲荷寿司は真っ当すぎてつまらないし…。(オイオイ)

やまと本店で「鯰御膳」をいただきました(写真10)。ほとんど真っ黒で、鯰なんだか何なのだかわかりません。

鯰は白身で食べやすいのですが、如何せん身が少なく、食べた気がしません。これなら鰻のほうがいい。いや、鰻が減ってきたから、鯰が代わりにならないかと試行錯誤しているとニュースで見たことがあります。そう、この世にあるものをおいしくいただきましょう。

このあと、わたしたちを試練が待ち受けていたのでした。

(つづく)

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2016年1月14日 (木)

任侠学園 (今野敏)

任侠学園 (中公文庫) 任侠学園 (中公文庫) 』は「任侠シリーズ」第2弾。今回、阿岐本組の親分は、つぶれそうな私立高校の再建に乗り出します。例によって、代貸の日村誠司は胃が痛いようです。でも「親」の言うことには逆らうことができないのでした。

問題の高校を訪れると、グランドは荒れ放題、壁にラクガキ、窓ガラスは割れたまま、当然花壇も雑草だらけ。そんな学校ですから、生徒たちは無気力か、喧嘩してるか。礼儀に厳しいやくざから見ると、言葉遣いからして許せない。

日村は学校に通うのが苦痛だったトラウマがあるので、学校などに行きたくありません。でも親分に従って渋々…というのが可笑しい。

このシリーズが面白いのは「やくざ視点」。ふだん見慣れている光景が、やくざから見るとどう見えるか。やくざといっても、いわゆる暴力団ではなく、地域密着の任侠というところがミソ。まるで町の便利屋です。やくざなんだけど「悪」だと言い切れない。暴力団追放運動のおかげで肩身が狭くて仕方ないという、可愛げのあるやくざです。

先に読んだ『任侠病院』より『任侠学園』のほうが面白い。自分は病院に勤めたことはないけれど、高校には通った経験があるからでしょう。

共通しているのが、再建先の人たちは本来「できる」人であって、ちょっと手助けすることで立ち直る点。いわゆる予定調和だけど、主人公がやくざだけに、深く突っ込むと話がややこしくなるので、小説としてはこれでちょうどいいのだと思います。そう、楽しく読めればOKです。

お勧め度:★★★★★

2016年1月12日 (火)

[名古屋カフェ] 鶴舞:nocake.

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休日の午前中、鶴舞図書館に予約本を借りに行った際「珈琲を飲みながら本が読みたい」。JR鶴舞駅のドトールは騒がしくて落ち着かないし、イオンタウン千種のスタバも今日は混んでいるだろうし…そういえば、鶴舞あたりのカフェって知らないな。

というわけで、iPhoneで「食べログ」して見つけたのが「名大病院西」交差点の北西角にある「nocake.」(ノカケ)。ちょうど開店時間の11時を回ったところなので行ってみましょう(写真1)。

こじんまりとした手作り感満載のカフェ。寒い冬のお昼前、女性スタッフおふたりの対応がやさしくて暖かい。

おそうざいプレート(写真2 900円)と珈琲(200円)を頼みました。和風、洋風取り混ぜて7種類のおかずが載ったランチです。サラダもついているので野菜たっぷり。白いごはんとたまごスープがついています。

交差点に面したカウンター席は明るくて、日差しが暑いくらい。いろんな雑誌や本が立ててあって、それをめくっているうちにランチが運ばれてきました。ほんとは図書館で借りた本を読む予定だったのですが。

お惣菜をおいしくいただいて、食後の珈琲もおいしかった。帰ろうと思って、ふと壁のポップを見ると「紅ほっぺ苺のタルト 600円」。思わず頼んでしまいました(写真3)。ブルーベリーとホイップクリームが載っていて美味でした。お昼からちょっと贅沢してしまったけれど、満腹、満足です。

お勧め度:★★★★★

2016年1月10日 (日)

任侠病院 (今野敏)

任侠病院 (中公文庫 こ) 任侠病院 』は「隠蔽捜査 」の今野敏が書く「任侠シリーズ」の『任侠書房 』『任侠学園 』につづく第3弾。鶴舞図書館で予約したら、なぜか最新刊が一番先に届きました。

真っ先に思い出したのが、浅田次郎の『プリズンホテル 』シリーズ。やくざがホテルを経営する話なのですが、人格が破綻している主人公の木戸を始め、とっても人間臭い連中が登場。浅田節全開でおもしろい!

それに比べると本作はじつにあっさりしています。『隠蔽捜査』も警察内部のドロドロした人間関係をさらりと描いていることを思えば頷けます。

阿岐本組という東京下町の小さな組の代貸・日村誠司は、今度は病院の再建に乗り出すと告げられ「またですか?」と内心途方に暮れます。その病院の外注業者のバックには関西の暴力団がついていることがわかったからです。

それでも阿岐本はあきらめようとせず、淡々と事を進めるうちになんとかなってしまう。という、のほほんとファンタジックな任侠小説です。

お勧め度:★★★☆☆

2016年1月 8日 (金)

からくさ図書館来客簿 第四集 ~冥官・小野篁と夏のからくり (仲町六絵)

からくさ図書館来客簿 第四集 ~冥官・小野篁と夏のからくり~ (メディアワークス文庫) からくさ図書館来客簿 第四集 ~冥官・小野篁と夏のからくり 』は、シリーズ第4弾。

平安時代の安倍晴明、小野篁、賀茂斎院だった時子内親王が、冥府の役人として現代に蘇り、京都・北白川で私設図書館を運営しているという設定。篁がちょっとひねくれていて京都人っぽいのが愉快。時子はかわいいのだけれど表紙絵はイメージがちがいます。今回は祇園祭りの山鉾ネタから始まります。
  1. からくり山鉾 前編
  2. からくり山鉾 後編
  3. 猫と睡蓮
  4. 湖北に眠る 前編
  5. 湖北に眠る 後編
モンゴルから来た知人いわく「京都はお寺だらけ」。たしかに。でも、京都は古いものばかりではなく、新しいものを作り出す会社もたくさんあります。

1巻目から気になっているのですが…仮にも図書館で飲み物を出すというのは、大事な図書が濡れる恐れがあるので問題ではないでしょうか。(心配性?)

お勧め度:★★★☆☆

2016年1月 6日 (水)

ヒア・カムズ・ザ・サン〜東京バンドワゴン (小路幸也)

ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン ヒア・カムズ・ザ・サン 東京バンドワゴン 』はシリーズ第10弾。もう10冊にもなるんですね。

久しぶりに読もうとすると「これ誰?」。登場人物が増え過ぎてわけがわかりません。「登場人物相関図」が必要というのもなんだかなぁ。

4世代家族なんて今時すごく珍しい。煩わしいことも多いだろうけれど「家族」がたくさんいて羨ましい。かんなちゃん鈴花ちゃんが可愛い!
  1. 夏 猫も杓子も八百万
  2. 秋 本に引かれて同じ舟
  3. 冬 男の美学にはないちもんめ
  4. 春 ヒア・カムズ・ザ・サン
第4章では、ビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」のメロディが浮かんで、思わず口ずさんでしまいました。

「東京バンドワゴン」を読むたび思うのは「平和がいちばん!」。

お勧め度:★★★★★

2016年1月 4日 (月)

遥か凍土のカナン 6 〜 さらば、愛しき姫君 (芝村裕吏)

遙か凍土のカナン6 さらば、愛しき姫君 (星海社FICTIONS) 遙か凍土のカナン6 さらば、愛しき姫君 』はシリーズ6作目。コサックの姫オレーナが日本までやってきて、騎兵だった新田良造に「私と結婚してコサックの国を作ってほしい」と頼まれ、はるばるシベリアまでやって来たわけですが…。

副題が「さらば、愛しき姫君」

帯には「君、去りて後—。」

もしもオレーナが助からないとしても副題につけることはないでしょう。手に取った瞬間、絶望しました。ジブリールが助かったのはいいけれど、読者を軽視した、最低最悪の「出版」です。>星海社

お勧め度:☆☆☆☆☆

2016年1月 2日 (土)

最後の晩ごはん〜刑事さんとハンバーグ (椹野 道流)

最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ (角川文庫) 最後の晩ごはん 刑事さんとハンバーグ 』は、シリーズ第4弾。

ときどき幽霊がやってくる定食屋「ばんめし屋」。となりの芦屋警察署の生活安全課の涼彦は、定食屋店員・五十嵐海里の兄・一憲の親友だった。それはよいのだけれど、海里は涼彦の首に「マフラーの幽霊」が巻き付いているのが見えて…。

この店のメニューは毎日ひとつだけで選ぶことはできません。だけど、店主の夏神いわく、お客さんにあわせて味付けや調理方法を調整したりするのだとか。食材が余っていればデザートがついたりして税抜き1,000円。なんかいいですね。

近年、あちこちで「おいしいもの探し」をしています。心からおいしいと思えるものと出会えるのはたしかに幸せなことだけれど、ふだん近所のお店で、特別おいしいわけではなくても、安心して安定して食事をいただけるのも幸せなんだと思うようになりました。

最近駅前にできた中華料理屋さんは、ラーメンのスープがちょっと変わった味がして、むかし香港の場末のラーメン屋で食べた妙な味を思い出しました。その「妙な味」は他店にないものでクセになりそうなのです。

成仏できない幽霊にとっての「最後の晩ごはん」という意味。言葉で伝えられない幽霊の思いを汲み取って、料理で願いを叶える。そんなことができるのは「ばんめし屋」だけでしょうね。

お勧め度:★★★☆☆

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