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2015年8月10日 (月)

初秋 (ロバート・B・パーカー)

初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ) 初秋 (スペンサー・シリーズ) 』は、中日新聞で書名が紹介されていたので読んでみました。

冒頭、私立探偵スペンサーが、上品な依頼人女性から話を聞くシーンで「この本はハズレだったかな」と思ったのですが、彼はアメリカ人なのだと自分に言い聞かせて読み続けるうちに面白くなってきました。

なにより殺人事件じゃなくて、離婚した夫が連れていった15歳の息子ポールを連れ戻してほしいという依頼だったから血なまぐさい話にはならない(はず)。

小説でも漫画でもアニメでも映画でもドラマでもゲームでも、どうしてこう「殺人」が多いの? 「名探偵コナン」なんて、これまで一体何人殺したの? そういうのが売れるの?

もういい加減にしてほしい。ニュースでも、絞殺、刺殺、溺死、自殺、自爆テロ、交通事故死がちっとも珍しくない。これじゃ「人を殺してみたかった」という若者が出てきても不思議じゃない。いくらフィクションとはいえ、人の命を弄ぶのは感心しない。それで一体何を伝えたいの? 命が軽すぎる。ただの娯楽が多すぎる。

スペンサーシリーズは初見ですが、ハードボイルドのはずなのに主人公はお人好し。両親の喧嘩の道具にされ、無視され、なにも教えてもらえず、自閉症状態のポールをなんとかして自立させようと奮闘するのです。ふたりで暮らしながら、ランニングからウェイトリフティングにボクシングで身体を鍛え、力を合わせて家を建てる。これは本来、父親の姿です。

しかし、それでは探偵小説らしくないな、と思ったけど、ご心配なく。私立探偵ならではの「能力」も発揮します。

ひとつ間違えば、相手だけでなく自分をも傷つける「力」を振るうのは、誰かを守り、育てるため。

ラストシーンは感動しました。

お勧め度:★★★★★

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