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2015年6月 4日 (木)

最終退行 (池井戸潤)

最終退行 (小学館文庫) 最終退行 』は、金融業界志望の学生に読んでほしい。銀行のダークサイドがわかります。

バブルが弾けて赤字が続く中小企業に対して、業績回復が急務の東京第一銀行は「貸し渋り」よりひどい「貸し剥がし」に出る。副支店長の蓮沼は、本部に逆らうこともできず、苦悩する。「最終退行」とは、最後に支店を退出すること。残業が常態化している蓮沼が、いつも鍵を預かることになるのです。

それだけだと盛り上がらないのですが「宝探し」が絡んできてミステリー仕立てに。金の亡者たちの腹の探り合いは怪しさ、いかがわしさ満点。宝を掘り当てて一発逆転、大儲け!なんてありえない、と思いつつ、物語の行方が気になります。

「損得じゃない。これは魂の問題だ。銀行員として生きてきた人生が全く意味のないものになってしまってもいいのか」と啖呵を切った蓮沼。「銀行という組織では「夢」という言葉は「錯覚」と同義だ」。魂のリベンジが始まります。

社会的に優位な立場にいる人間が周囲を見下し、自らの保身のために利用し捨てる。そんな連中に一泡吹かせてやる!というのが池井戸潤の経済小説のパターン。

それはよいのですが、後味が悪い。結局、お前も銀行員じゃないか。なにも変わってないじゃないか。これが「サラリーマン社会の構造的欠陥」なのですか?

池井戸潤を読んでスッキリしたいという方にはお勧めしません。

お勧め度:★★☆☆☆

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