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2015年6月18日 (木)

家族八景 (筒井康隆)

家族八景 (新潮文庫) 家族八景 』は、テレパスである火田七瀬3部作の1作目。父親の能力を受け継ぎ、小学生の頃、他人の心が読めることに気付き、高校卒業後は、住み込みのお手伝いとして、自分の正体がバレないよう、いろんな家庭を転々としていた、連作短編集といった構成になっています。

夫婦や家族間の不信、不満、嫉妬、反感等々、人の悪意に18歳の少女が晒され続けて、よく堪えられるものだと感心する一方で、小説家の想像力に驚かされます。個人的には、こういう方向に想像力を働かせたくはありませんが。

七瀬は家政婦じゃなくて刑事になればいい。警視庁捜査一課も夢じゃない。七瀬が読み取った容疑者の心は、裁判では証拠にならないかもしれませんが、容疑者が犯罪を自覚していれば「真実」はわかるはず。でも同僚から「どうしてわかったんだ?」と訊かれたらピンチ。正体を明かせない以上、それはムリか…。

だったら、占い師! 山深い神社で巫女として暮らしながら、人々に神のお告げとして、自分にできる範囲のことをする、とか。

親が死んでいては、自分の能力について相談できる相手がいないのが問題。たとえ好きな男性ができたとしても、内心どう思っているかわかってしまうのでは幻滅するのも時間の問題だという気がします。また、相手だって心を読まれるのは嫌でしょう。それこそ心の休まるときがありません。たしかに、やっかいな能力です。

続編は『七瀬ふたたび 』と『エディプスの恋人 』です。興味のある方はどうぞ。

お勧め度:★★★☆☆

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