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2015年4月 9日 (木)

でんでら国 (平谷美樹)

でんでら国 でんでら国 』は、幕末、東北の小さな国にある大平村で行われている「姥捨て」の風習にまつわるお話。「吉里吉里人」を思い出します。棄老は御法度なので、表向きは「お伊勢参りに出た老人が行方知れずになった」ことになっていますし、60歳になった老人たちが向かう山奥に隠田があることも固く秘されていました。

ところが、老人が多少減ったところで、不作を補えるほど倹約できるはずがない。ということに気づいた役人がいたのです。そして、多額の上納金を捻出しなくてはならなくなった藩は、別段廻役・船越平太郎に隠田を見つけ出し、年貢を課すことを命じたのです。

重い年貢を払うため、不作の年には「口減らし」を行わざるを得ず、幼子を殺すのか、年寄りを捨てるのかという辛い選択。棄老は御法度とはいえ、誰も好んでするわけじゃない。農民たちにしてみれば「頼みもしないのに、刀を振り回して、守ってやるから米を寄越せ」と言って来たのが武家です。ヤクザと変わりません。武器で民衆を押さえつけるのは、いつの世もろくでもない連中です。

最初は「じつは隠田ではなく、もっと別のなにかがあるのでは」と期待していたのですが、そのあたりは捻りもなにもなくて拍子抜けしました。60歳になると浮き世を離れ「でんでら国」に移り住み、年貢のかからない隠田を耕して余生を暮らしているのです。そして、抵抗も虚しく役人に見つかってしまいます。さて、でんでら国の運命は?

ほぼ予想どおりの展開ですが、最後はひと捻りありました。百姓、侮りがたし!

お勧め度:★★★★★

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