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2015年4月25日 (土)

孤高のメス―神の手にはあらず 4 (大鐘 稔彦 )

孤高のメス―神の手にはあらず〈第4巻〉 (幻冬舎文庫) 孤高のメス―神の手にはあらず 第4巻 』はシリーズ完結編。当麻をめぐる人々は幸せになれるのでしょうか?

死亡肝移植で助かった大川町長が拒絶反応を起こし、当麻のいる台湾で緊急再手術となる。日本で生体肝移植も検討され、ドナーとして名乗りを上げた翔子はCTを撮ったのですが…。

医療小説って、生老病死がリアルに突きつけられるから、どうしても暗くなるし、人間の欲望もあからさまになり、やりきれない思いをすることも多い。

平家物語には尊厳死が多く描かれている。たしかに、そうかもしれません。重衡に劣らぬ、潔い魂を持つ人もいる。でも、このラストはたまりません。どんなに優れた外科医にも、救えない命があるのです。だから「神の手にはあらず」。

人はいつか死にます。そのときを静かに迎えることができるようにしたいものですが、実際はむずかしいでしょうね。

お勧め度:★★★★★

先日、テレビのニュースで「去年11月、神戸市に新たに設立された神戸国際フロンティアメディカルセンターで、「生体肝移植」と呼ばれる肝臓の移植手術を受けた患者7人のうち4人がいずれも手術後、1か月以内に死亡したものです」。

肝移植は術後のケアが大事。拒絶反応を抑えつつ、合併症に対応しなければならず、綱渡りが続きます。それが十分ではなかったのでしょう。ドナーの犠牲も虚しく、残念です。

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