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2014年12月15日 (月)

ワーキング・ホリデー (坂木司)

ワーキング・ホリデー (文春文庫) ワーキング・ホリデー』の主人公は、元ヤンキー暴走族がホストになった沖田大和。彼が働くホストクラブに小学5年生の神保進が訪ねてきて「初めまして、お父さん」!?

母親の名前(由希子)を聞いて大和には思い当たるフシがあったらしく、夏休みの間、進を預かることにしたのですが、クラブでトラブルを起こしてクビ。

クラブのおかまママ・ジャスミンの口添えで再就職したのが宅配便ハニービー・エクスプレス。新規一転、颯爽とクルマを運転して配達しようと張り切っていたら、渡された新車はなんとリアカー!

わたしは京都で初めて見ました。ヤマト運輸のリアカー。狭い路地に入っていくには好都合なのだろうと思っていたのですが、坂があると大変ですね。観光地では人力車が走っているから違和感がなかったのかもしれません。

ふつう突然、小学生の息子が現れても理解も納得もできないはず。そのあたりがお人好し。それを言うと、ジャスミンはじめ、ホスト仲間の雪夜や常連のお嬢ナナなど、みんなお人好し。人がいい。悪い人はいない。

宅配便という仕事がやたら強調されていて、仕分け作業がどうとか説明されても困るのだけど、そこは軽く読み流し「だらしない大人たち Vs. 所帯じみた小学生」の図式が愉快です。ただ、家庭内での生活力があっても、心は小学生です。悩みもあります。子供は子供らしく、大人は大人らしく。なんて、あっさり逆転することもあるわけで、それでも2回逆転すれば元に戻って丸く収まる。

ジャスミンいわく、大和が進に対して怒るのは「取り返しがつかないこと」。喧嘩の怪我ならいいけれど、クルマにはねられたら死んでしまう。だから怒るし叱る。大和は意識してないみたいだけど、すこしずつ父親の自覚が芽生えてくる様子が、かつての自分を見るようで照れくさい。

続編『ウィンター・ホリデー 』も読みます!

お勧め度:★★★★★

ひょっとして、主人公の名前はヤマト運輸から取った?

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