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2014年11月27日 (木)

その街の今は (柴崎友香)

その街の今は (新潮文庫) その街の今は』は大阪、心斎橋を舞台にした合コン物語。ではなくて、28歳の歌ちゃんが、大阪の古い写真が好きで、その当時、この場所がどんなふうだったのか、そこに居た人が今はどうしているのか、今と過去とのつながりに興味をもっていて…という物語。街と人とが織りなす景色が目に浮かびます。

あとがきにもありましたが「出てくる人たちがいやな人たちじゃない」というのがいい。ひと癖ある、変な人はいても、不愉快にさせるような人はいない。「年の違う人が出てきても、作中の人たちは年の差を言い立てたりしない」「作中の人たちが作中の人たちの話をちゃんと聞く」というのもいい。それぞれがそれぞれの居場所を持っている感じ。その人たちを包み込む大阪という街と、その歴史。

「それ、へん」と思うことなく小説世界に没入し、安心して読み終えることのできる本は多くはありません。好きか嫌いか、面白いかつまらないか。そういう個人の嗜好以前に「それ、へん」と思ってしまうとガッカリしてしまいます。いわゆる「納得できん」というやつです。

柴崎友香は初めて読ませてもらいましたが、安心して読めました。つぎはどれを読もうかな。

お勧め度:★★★★★

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