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2014年11月25日 (火)

クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ (円居挽)

                         
クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ         『クローバー・リーフをもう一杯 今宵、謎解きバー「三号館」へ』は、京都大学を舞台にしたミステリー。法学部一回生の遠近倫人は京都観光サークル「賀茂川乱歩」で、密かに想いを寄せる理学部一回生・青河 幸と謎解きに挑むとき、大学構内のどこかに忽然と現れる伝説のバー「三号館」のマダム蒼馬美希が圧倒的な推理を見せてくれる。カクテルのお代は「謎」。謎解きが大好きみたいです。
       
             
  1. クローバー・リーフをもう一杯
  2.          
  3. ジュリエットには早すぎる
  4.          
  5. ブルー・ラグーンに溺れそう
  6.          
  7. ペイルライダーに魅入られて
  8.          
  9. 名無しのガフにうってつけの夜
  10.        
       

上記5章のタイトルのうち、カタカナ部分はカクテルの名前。一浪して一回生ということは19歳だから酒はまだ飲めないじゃないか!って思ったら4月生まれなんだそうです。このあたりの理詰め、辻褄合わせは円居挽らしいところ。

       

第一印象は「思い切って軽い小説を書いたなぁ」。京都の裏社会を描いたフィクション「ルヴォワール」シリーズ4部作に比べると、主人公はひねくれていないし、謎解きもシンプル。「ルヴォワール」らしさを期待すると肩透かしを喰らいますが、反面、わかりやすく、読みやすい。適度に頭を捻らせてくれて、奥手な主人公に適度にイライラする(笑)良作だと思います。

       

「ルヴォワール」も京都が舞台でしたが、登場人物たちが京大生だとは断言していませんでした。今回は京大が舞台だから話がはっきりしています。京大生はもちろん、吉田キャンパス周辺をご存知の方であれば、より一層楽しめるでしょう。

       

観光サークルの活動がベースにあるので、京都の観光スポットが効率よく紹介されるのも魅力のひとつ。新しいところでは京都水族館も出てきます。このあたりは京大卒の作者にはお手のものでしょう。

       

鴨川をどりの演目が歌舞伎の「妹背山婦女庭訓」。三号館のマダム美希いわく「一幕目から見ていたらもっと混乱してるところだ。なんてったって天智天皇の時代(668-672)に蘇我蝦夷(587-645)が出てくるんだから」。思わず在位と生年没年を調べてしまいました(前述の括弧内)。たしかに時代考証がでたらめ。こういうウンチクは好きです。

       

謎の伏線の張り方に、確実だけど堅苦しく、露骨じゃないけどぎこちない繋がりを感じるのですが、最後の謎であるところの「三号館は誰が仕掛けたのか」については、素直にホッとしました。謎が解けてしまったということは、続編はないということ!?

       

お勧め度:★★★★★

      

京都を舞台にしていても京都の空気感が伝わってこない小説もあります。『神様の御用人 』も京都らしさを感じることができれば完璧なんだけどなぁ。

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