« 櫛引道守 (木内昇) | トップページ | 海王 (宮本昌孝) »

2014年10月19日 (日)

野望の憑依者 (伊東潤)

野望の憑依者 (文芸書) 野望の憑依者』は、鎌倉時代末期、足利家の家宰・高師直が主・足利高氏(尊氏)をして天下を取らしめようと「野心に生き、野心に死す」物語。

剣豪将軍義輝』で、室町幕府第13代将軍足利義輝を読み、室町幕府の黎明期を描いた本書に興味を持った次第。

「野望の憑依者」とは高師直のこと。源氏の嫡流である大将を立てつつ、実権は家宰(執権)が握っている時代。高氏の弟・直義と反目しながら天下取りに向かう師直を描いています。

しかし、室町時代というのも乱世ですね。天皇が南北に分かれるなんて正に前代未聞、空前絶後。結局、錦旗が欲しい武家たちが皇族を担ぎ出すだけのこと。その他多くの中小諸侯は日和見を決め込み、勝ち馬に乗ろうと必死。傍目には「なんだかなぁ」。テンションが上がりません。

高氏は戦わせれば強いが躁鬱気質。直義は頭が固く保守的。師直は野心の塊。悪い奴です。政治の世界では悪い奴ほど出世するのは今も昔も変わらないようです。

お勧め度:★★★☆☆

« 櫛引道守 (木内昇) | トップページ | 海王 (宮本昌孝) »

時代小説」カテゴリの記事