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2014年9月 2日 (火)

黒書院の六兵衛 (浅田次郎)

黒書院の六兵衛 (上)

黒書院の六兵衛 (下)
黒書院の六兵衛』は、大政奉還後の江戸城が不戦開城と決したなかで、ただひとり御書院番士・的矢六兵衛が、西の丸御殿に無言の居座り続ける話。

物語の案内役は、尾張徳川家 御徒組頭 加倉井隼人。勝安房守からは、西郷隆盛との約束で、城内での乱暴は厳禁とのこと。六兵衛を無理矢理追い出すことができず、東奔西走する羽目になります。

上巻の29ページで、主人公の「六兵衛」が登場し、いつまで経っても六兵衛の正体は判然とせず憶測が飛び交うばかり。どう見ても「座り込み」なのですが、プラカードもシュプレヒコールもないので意図が不明。京都から天子様が江戸城に移られるまでには六兵衛に出て行ってもらおうとするのですが…。

何人もの「証人」が、六兵衛に関して知るところを語る独白が挿入されていて、これは小説として読むよりも舞台にしたら面白そう。タイトルは 「もうひとりのラストサムライ」。

ひとつの時代が崩れ去り、大混乱のなか、舞台裏でこんな、ささやかなドタバタがあったかもしれない。それぞれの立場で、それぞれの思いがあり、苦悩があり、矜持があり、その中で六兵衛は彼なりの思いを通そうとします。さて、六兵衛の正体は?

顛末はご自身でお確かめください。

お勧め度:★★★☆☆

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