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2014年9月30日 (火)

銀漢の賦 (葉室凛)

銀漢の賦 (文春文庫) 銀漢の賦』は、西国の月ヶ瀬藩に生まれた3人の男たちの物語。郡方・日下部源五、家老にまで出世した松浦将監、百姓の十蔵。源五と将監の物語だと思われがちですが十蔵は外せません。

重い年貢に苦しむ百姓を代表して一揆を企てた罪で命を落とした十蔵。友を見捨てた将監に対して源五は絶縁状を送りつけ、その後行き来は絶えてしまいました。

が、源五が20年ぶりに出会った将監は病を抱えており、政治的にも肉体的にも先は永くないと悟っており、源五にとんでもないことを頼んできたのです。

複雑な藩の事情がすこしずつ語られ、3人の男たちの立場が鮮明になってきます。まるで天の川(銀漢)を見上げると、そこにくっきりと星座が見えるように。

切ない物語なのですが、源五の娘婿・伊織はひょうきんで面白い。各々がしっかり生き、各々の役割をしっかり果たした時代小説。そんな印象を受けました。

お勧め度:★★★★★

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