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2014年8月19日 (火)

すかたん (朝日まかて)

すかたん (講談社文庫) すかたん』は、東京で公務員と結婚した娘が、大阪転勤後、夫を亡くし、不慣れな土地で婚家からも追い出され、途方に暮れる物語…を江戸時代風にアレンジした小説。

始終喧嘩してるくせに野菜と食べ物に対する愛という点だけでは一致する、青物問屋河内屋の若旦那・清太郎と、江戸の未亡人・知里のドタバタ人情物語。

主人公の名前が知里(ちさと)と現代でも通用する名前だということもあって、どうも江戸時代の話だと思えません。侍言葉だと時代を感じますが、町人、商人たちばかりなので大阪弁といっても、これが現代小説だとしても通用する言葉遣いなのです。

「すかたん」なんて聞いたの、すごく久しぶり。遠回しに「ドジ、まぬけ!」って言われたようなものだから、書名としてはインパクトがあります。

大阪弁を文字にすると平仮名が多くなって読みにくくなることが多いのですが『すかたん』は上手い! 読んでいると大阪弁のイントネーションが戻ってきます。

文章も上手なら、話のまとめ方も上手い。大阪を舞台にした、よく出来た「時代小説」です。

お勧め度:★★★★★

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