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2014年7月 7日 (月)

疾風魔法大戦 (トム・ホルト)

疾風魔法大戦 (ハヤカワ文庫) 疾風魔法大戦』は、1200年前のバイキングたちが大暴れするユーモア・ファンタジー。

女性考古学者ヒルディは、スコットランド北部のケイスネス(ほんとうに何もない土地です)でバイキングの船を発見し、そこで眠っていた13人の戦士たちと出会います。彼らは邪悪な魔法使いの王との戦いに勝利したものの、王を取り逃がし、再び世界が危機に陥ったときに眠りから覚めるよう魔法をかけていたというのです。

大昔の人物が現代で大暴れするという設定は『鉄の魔道僧』シリーズと同じ。時代のギャップが可笑しい…はずなのですが、王は現代文明にもさほど驚きません。なぜ?

紀元8世紀の人に会うということは、日本であれば奈良時代。目の前に藤原仲麻呂が現れたようなもの。考古学者は驚くと同時に狂喜乱舞することでしょう。ヒルディは戸惑いながらも、彼らの話から「本物」だと確信し、世話を焼くことになります。こういう非常時には女性のほうが強いような気がします。

ヴァイキングの王から預かった宝を換金しては移動用のクルマや衣服、食糧を買い込むヒルディ。なぜ会話に困らないかというと、同行している魔法使いのおかげだというのですが、魔法使いの言葉はわかりません。「彼もいろいろ試したのだが、鏡を使っても自分には魔法がかけられなかったそうだ」(笑)。

とんでもない説得力をもたせる骨、敵を押しつぶす岩に変わる小石、遠くで起きていることを覗くことができる眼鏡石など、魔法の小道具も愉快。

映画にすると面白そうなのですが、駆け足で語られるため、ちょっと消化不良気味。もっとじっくり読ませてほしかった。ただ、エンディングは洒落てます。

お勧め度:★★★☆☆

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