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2014年7月15日 (火)

王妃の館 (浅田次郎)

王妃の館〈上〉 (集英社文庫)

王妃の館〈下〉 (集英社文庫)
王妃の館』は『鉄道員(ぽっぽや) 』の浅田次郎の長編小説。

フランス、パリの「王妃の館」に10日間宿泊できる150万円の贅沢ツアーと、20万円の格安ツアーを二重ブッキングの確信犯は、手形決済のための資金調達に追いつめられた旅行会社。

冒頭から胡散臭さ満点、いかがわしさ全開。10ページで気力が萎えて断念。浅田次郎ではよくあるのです。たしか「蒼穹の昴」もそうだった。生理的嫌悪感から本を閉じてしまう。そういうときは、軽く読める本で気分転換。今回は『和菓子のアン』(坂木司)で、気分をリセットしてから再挑戦。

豪華ツアーは、ツアコンが朝霞玲子、不倫上司に捨てられた桜井香、ベストセラー作家・北白川右京と担当編集者・早見リツ子、工場が破綻し借金苦から自殺を決意した下田夫妻、成り上がり不動産王・金沢賢一と愛人ミチル。

格安ツアーは、ツアコンが戸川光男、元警察官・近藤誠とオカマのクレヨン、カード詐欺師の丹野夫妻、元夜間高校教師の岩波夫妻、早見のライバル出版社の文芸編集者・谷文弥と香取良夫。

小説家はホテルに缶詰で原稿書きになるだろうに、ホテルの部屋を他者と共有なんて最初からムリがあります。そのムリをどうやって切り抜けるのか見てやろう。というのが正しい姿勢。ツッコミどころ満載で、おまけにくだらんギャグばかりでやってられん、と思ったら読んでられません。

我慢の限界に達しようとしていた中盤になって、当時のルイ14世の物語が北白川右京の原稿として挿入されます。松竹新喜劇と劇団四季が交互に舞台に現れる感じ。

北白川右京の初期の長編『細雪国』の冒頭は「国境の長いトンネルを抜けると細雪が降っていた。夜のそこいらが白くなった」。

いちばん喜んでいるのは作者じゃなかろうか。最後は予定調和の大団円になるだろうことは予想がつくのですが、中身はドタバタ喜劇。それを笑える方にお勧めします。ほら、難しい顔しちゃだめです。人生は楽しんだほうが得!

お勧め度:★★★☆☆

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