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2014年6月17日 (火)

マドンナ・ヴェルデ (海堂尊)

マドンナ・ヴェルデ (新潮文庫) マドンナ・ヴェルデ』は『ジーン・ワルツ』の続編。というか、おなじ出来事を別の角度から描いた物語。

東城大学付属病院の産婦人科医・曾根崎理恵が母みどりに「ママ、私の子どもを産んでくれない?」。『ジーン・ワルツ』では理恵の勢いに爽快さを感じた部分もあったのですが、今回、理恵の母・みどりの側から見ると、生理的嫌悪感が拭えずページを繰る手が止まります。自分が産んだ娘の子供を産むのか!?

体外受精まではわかるけれど、代理出産を母親に頼むとは。日本で認められる代理母は「親族」であることだとか。しかも、代理出産した場合、母親はあくまで代理母であり、卵子提供者は母ではないらしい。法律が医療についてきていない。それはおかしいんじゃないかと作者は考えているのでしょう。だから、こんなフィクションを書いた。

体外受精は、子供が欲しい人には福音なのでしょうけれど、顕微鏡で弄んでいい対象ではないと、わたしは思います。医療の進歩は歓迎しますが、生命の根幹に関わる遺伝子は人間が操作すべきではない。悪用する人間が出てきて、いずれ自然の摂理が崩壊し、人類の手に負えない事態に陥り、手痛いしっぺ返しを喰らうことでしょう。そんなふうに考えているから、この小説に抵抗を感じるのだと思います。

前作『ジーン・ワルツ』 で感じた不安は的中。理恵の屁理屈は許せません。お勧めできないので「お勧め度」はありません。

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