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2014年6月 2日 (月)

螺鈿迷宮 (海堂尊)

新装版 螺鈿迷宮 (角川文庫) 螺鈿迷宮』は、『チーム・バチスタの栄光 』、『ナイチンゲールの沈黙』に続く3作目。ユニークな凸凹コンビが活躍する「田口・白鳥シリーズ」からは外れていますが、白鳥がちょっと変わった登場の仕方をしているので番外編として楽しめます。

が、前2作が「現代医療ミステリー」なのに対して、今作はほとんど「ホラー」です。解剖され切り刻まれた臓器が山のように出てきます。その片鱗は『ナイチンゲールの沈黙』にもありましたが、もっと強烈です。

東城大学の留年医学生・天馬大吉も言っていますが、医学は罪深い学問です。人間の命を救うことを錦の御旗に、動物を実験台にして人間を解剖しています。そして、作者は死因を特定するには解剖が必要なのに、政府は「死んだ者より生きている者に金を使う」といって予算をつけない。たしかに、昨年身内が死んだときにも外傷がないため「心不全」で片付けられました。あれで金を取る警察医って一体なに?

東城大学医学部付属病院が表(光)ならば、病院+火葬場+寺の碧翠院桜宮病院は裏(闇)。主人公天馬は幼い頃、両親を交通事故で亡くし、育ててくれた祖母も亡くなって天涯孤独の身。気の毒な人だと思っていたら、最後にどんでん返し!

桜宮病院から姿を消した男の行方を探すため、スパイとして送り込まれた天馬の活躍を描く「ホラー」サスペンス。いろんな意味で怖いです。

お勧め度:★★★★☆

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