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2014年6月16日 (月)

イノセント・ゲリラの祝祭 (海堂尊)

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)
イノセント・ゲリラの祝祭』は『チーム・バチスタの栄光 』シリーズ第4弾。

紹介文によると、今回は厚労省のグダグダが描かれるとか。医師としての作者の不満爆発か。と思ったら、冒頭の掴みは完璧。宗教団体のリンチ死事件に加納警視正と玉村警部補コンビが首を突っ込み、田口は白鳥に厚労省での会議へ招待されます。

なんというか、今回に限ったことではありませんが、厚労省の医療行政はボロクソです。現場の医師たちはよほど腹に据えかねているようです。たとえば、

「出世競争の世界では横殴りの刃が定期的に巡回してて、うっかり頭を突き出したら首がちょん切られてしまう。だから、目立たぬよう、遅れぬよう。これが肝心。」

「官僚には医療なんてどうでもいいことです。大切なのはカネと法律。法律の整合性と予算の分捕りが至上命題で、それ以外に傾注するのはバカだと信じる。それが官僚です。」

なんてセリフからも憤りと諦観が見られます。いつでも誰とでも代わりが効くのが官僚だとすると、独自路線を歩む白鳥は異物。弾かれてしまうのか、ゴキブリ並みの生命力で生き残るのか。この先も楽しみです。

ミステリー要素はなくても人間ドラマとして面白かった。

お勧め度:★★★★☆

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