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2014年4月18日 (金)

極北クレイマー (海堂尊)

新装版 極北クレイマー (朝日文庫) 新装版 極北クレイマー』は『チーム・バチスタの栄光 』の海堂尊が地方医療問題を描いた小説。

大学の医局からわざわざ辺鄙な地方病院を選んだ外科医今中は「ひぐまのプーさん」と渾名され、院内の対立や不潔な病床やトイレ、ずさんな運営に翻弄されます。そんな中、市民病院の現場を支えていた産婦人科医・三枝の患者が死亡し、医療ミスではないかとの嫌疑をかけられます。

主人公の今中先生は、市民病院を外部から客観的に見るための視点であって、可もなく不可もなく、凡庸な医師です。その反面、市長、院長、医師、事務長、看護師たちは、善くも悪くも曲者揃い。

神様のカルテ 』同様、看護師の中に「いい女」がひとりはいます。その啖呵は小気味よいものですが、突然赴任してきた皮膚科医・姫宮は眼鏡をかけた大柄美人。4時という約束に「万一遅れては一大事」と、雪だるまになりながら午前4時に登院するとは…。ちょっとズレたクール・ビューティです。

全26章、各章20ページ以内と、読み進めやすい構成。医師ならではのリアリティある内容はさすが。しかし、冒頭「単線の終着駅にたどりついた一両立ての車両が、負の加速度の中で停車する」と妙に堅苦しい文を読んで「これはムリかも」と一度は本を閉じました。わたしは夏川草介の文章が好きです。

しかし、市民病院の再建が始まる次巻『極北ラプソディ 』が気になります。

お勧め度:★★★☆☆

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