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2014年4月 8日 (火)

64 (ロクヨン) (横山秀夫)

64(ロクヨン) 64(ロクヨン)』は、D県警の刑事部から警務部広報課に異動してきた主人公が、昭和64年1月5日に発生した少女誘拐殺人事件と、自身の娘の家出と、マスコミ対応とに追われながら、刑事部と警務部との軋轢に翻弄される物語。 全647ページの大作。

組織の駒として上司の指示通り動くことを強要され、事情がわからないことに苛立ち、独自に調査を開始。至るところで妨害されつつも、少しずつ真相が見えてくるあたりがミステリーといえるでしょう。

しかし、署内の対立と、娘の家出に苦しむ妻の話が延々と続くと、さすがに閉塞感で息が詰まりそう。主人公にとっては抜き差しならない状態かもしれませんが、結局は井のなかの蛙。たしかに「本格的警察小説」かもしれませんが、組織の人間は体面を気にして、保身に汲々とするば かり。こんなくだらない話に大量の紙数を割く意義がどこにあるの? と、嫌気が差してきたところに…。

D県は人口が182万人という設定なので、2010年の統計では22位の三重県か23位の熊本県が近い。しかし、平均的なところを採ったのであって、具体的な地方をイメージしたわけではなさそうです。

散々じらして、引っ張って、それでもなにひとつ解決したわけじゃない。だけど、気分はすっきりしている。それが本書の醍醐味なのでしょう。

お勧め度:★★★★☆

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