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2014年2月 1日 (土)

クリスマスのフロスト (R.D.ウィングフィールド)

クリスマスのフロスト (創元推理文庫) フロストはとにかく下品だというから不安だったのですが、この警察小説はおもしろい! 一見無関係の事件、出来事、証言などの諸々を上手くまとめてあって『ソフロニア嬢、空賊に秘宝を探る』よりも強く引き込まれました。

フロストはたしかに上品とはいえませんが(見方によっては)じつに人間味あふれる刑事です。思ったことをなんでも口に出すから顰蹙を買うけれど、部下の新任若手刑事クライヴだって色っぽい女性をまえに同じことを考えてるわけ。フロストは言葉にも態度にも服装にも、およそ体裁というものを気にしない。それだけの違いです。クライヴはフロストを見下しているけれど、デントン警察署内では意外に信頼されています。ただし、問題ばかり起こすフロストを放逐したくて仕方ないマレット署長を除いて。

舞台となるのは「ロンドンから70マイル離れた田舎町デントン」。架空の町だということですが、Denton は実在します。ロンドンからM1とM6を乗り継いで北へ200マイル、マンチェスターのすぐ東。のんびりした小さな田舎町が開発によって荒れたという設定になっていて、そのおかげで警察も忙しいみたい。もうすぐクリスマスだというのに、次から次へと事件が起きて、フロスト警部は忙殺されます。

ショッキングなオープニングから、4日前、日曜学校を出た8歳の少女トレーシー・アップヒルが行方不明になった事件を軸に物語は進み、警察官、浮浪者、馬券屋、娼婦、司祭、銀行家、占い師らが引き起こすゴタゴタが次第に収束していく様は見事です。

フロストは運がいいのか悪いのか、続編が出ているので死ぬことはなさそうです。

お勧め度:★★★★☆

面白いから好きだけど、警察小説では「死」が避けられないのでやっぱり気が滅入ります。フロストがそれ以上に心を痛めているようなのがせめてもの救いです。

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