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2014年2月 7日 (金)

震える牛 (相場英雄)

震える牛 (小学館文庫) 市販の安いハンバーグやソーセージが怖くて食べられなくなります。ましてや子供には食べさせたくない。

「震える牛」というのはBSEの初期症状を指します。精肉店から始めて、全国有数の大手ショッピングセンターとなったオックスマートを舞台に、食の安全を脅かす事件が起きます。

2年前、東京中野の居酒屋で強盗殺人事件が起き、2名が死亡。ひとりは仙台の獣医、もうひとりは地元の産廃業者。ところが犯人を逮捕できないまま2年が経過し、警視庁捜査一課継続捜査班の田川信一に再捜査が指示されたのです。

捜査を進めるうちに、すこしずつ手掛かりが増えてくるけれど、謎はまだまだ残っていて…という状態で推移していくのがリアル。ただ、政治の横槍や警察の腐敗もあってモヤモヤ。あらためて『隠蔽捜査』シリーズの存在意義を実感しました。「シロはシロ、クロはクロ」と言って憚らず、そのまま押し通してしまうなんて、実際にはなかなかできることじゃない。

全国チェーンのショッピングセンターやレストランよりも、地元の商店街が好きだという田川と、ネットメディアの記者・鶴田の口を借りて、社会のあり方に疑問を投げかけている点も興味深い。

この本は、そもそも小学館の月刊文芸誌 "STORY BOX"のバックナンバーで見かけて、面白そうだったから単行本を手に取ったのです。以前は文庫サイズだったのが、現在ではA5サイズに変わり、図書館に置かれなくなったので定期購読を申込みました。面白そうな話をつまみ食いできるのが「おやつ」感覚で楽しいけれど、1話からすべて読もうとすると何冊にも股がるので面倒。小説を先取りできるのがメリットでしょう。

お勧め度:★★★☆☆

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